"暮らす"ように旅しない
"暮らすように旅する"という人たちがいる。
心地良い響きだし憧れはあるが、自分はどうだろう?
サラリーマンなのでバカンスのような長期休暇は難しく、国内でも海外でもあれこれ旅程を詰め込んで、数日の滞在で都市を移動する忙しない旅ばかりだ。"暮らす"とは程遠い。
そもそも旅に何を求めるのか?
自分の場合はワクワク感というか好奇心というか不安感というか…、要するに普段の生活では味わうことが出来ない感覚を体験したいと思っている。
つまり、仮に"暮らす"=普段の生活=日常と定義するのであれば、自分の場合はむしろ非日常を求めて旅している。日常に疲れているわけではないが、具体的に次の旅の予定を決めれば、それを糧に(たとえ苦しいことがあったとしても)普段の生活も楽しく送ることができる。非日常という楽しみがあるからこそ、日常も楽しむことができるわけだ。
それは多分これからも変わらないだろう。
さて、次はどこに行こうか?
と書いておきながら、暮らすように旅したことがない訳でもない。
一度目は中学の時のアメリカでのホームステイ。
西海岸北部の人口数百人の離島の牧場で3週間過ごした。時々島の外にも連れて行ってもらったが、ほとんどは毎日牛の世話のお手伝いをして過ごしていた。
二度目は二十代半ば。
ヨーロッパを放浪中、スペインに住む親戚の家に2週間ほど滞在させてもらった。そこを拠点に近隣に観光に行ったりもしたが、基本的には昼はシエスタをとり、夜はバルをハシゴする毎日だった。
どちらもとても楽しい体験で、これが今の旅好きな自分の原体験(というにはあまりに歳をとりすぎているが)だったりもする。
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