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No.1:自意識(卒論)から半歩離れて——『人類が永遠に続くのではないとしたら』での加藤さんの踏み出しについて(2024/04/10)

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4月から10日に一本一万字を目安に、なにかしら文章を公開します。今日は、本当は、須藤さんの博論本を加藤典洋側から読んでみた雑感を書きたかったのですが(とっても面白かった)、その際加藤さんの著作を読んでいたら大きな発見があったので、そちらを書きました(須藤さん、すみません!)。

ご笑納ください。

川副

そしてそのまま目線を先にずらせば、震災後の加藤さんは『9条の戦後史』『戦後入門』などを通して、久しぶりに戦後を取り上げ、そして戦後の問題、憲法の問題、そのものに向き合って、新書にして異例の紙幅を割きながら、ここでもまた、かなり具体的な提言を行っている。『人類が永遠につづくのではないとしたら』とそれ以後のこうした業績に照らせば、加藤さんは震災以後、「私はどう関わるか」という自意識、あるいはその自意識に映る抽象的な「他者」ではなく、その外の社会問題、あるいは世界、あるいは具体的な他者にこそ、思考の対象の重心を移していると言えるのではないだろうか。そこに加藤さんの、卒論で指摘することは叶わなかった、もう一つの変節があると言えるのではないだろうか。

本文中より

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