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No.2:林大地さん修論本『世界への信頼と希望、そして愛』の読書会(第一回)レジュメ、2024/04/20

数年来一緒に読書会をしている林大地さんの修論本『世界への信頼と希望そして愛——アーレント『活動的生』から考える』の読書会を今日19時からしていた。その第一回レジュメを担当させてもらったので、今日はそれを置いておきます(林さんに許可をいただいています)。
何年も一緒に本を読んできた人が出版して、その本について直にじっくり質問、会話できるなんて、幸せなことですね。
ありがとうございます。


読書会でも話したが、アーレントは、ぼくが読む限り、現代的な感覚からすれば、あきらかな偏りがあって、でもそれが魅力を構成していると感じる。どんどんアーレントに惹かれている。林さんの本はとても(とても!)わかりやすいが、「ワンメッセージでも持ち帰ってくれれば良いという気持ちで書いた」、とおっしゃっていたのが、印象的でした。次回も楽しみです。

しばしば誤解されがちなことではあるが、アーレントは「生命」や「自然」の必然性それ自体を批判したわけではない。人間は生きていくために生物学的欲求を満たさねばならず、それゆえに「労働」にたずさわらざるを得ない。(…)この点に関してアーレントはしばしば、「公的領域における活動を賛美し、私的領域の意義を軽視した」思想家として捉えられガチが、実際には、私的領域の必要性を複数の箇所で説いていたことにも注意が必要である

百木漠『アーレントのマルクス――労働と全体主義』(人文書院:2018)p.188

すべて他人のいる公的な場所で送られる生活は、よくいうように、浅薄なものとなる。こういう生活は、たしかに、他人から見られ、聞かれるという長所をもっている。しかし、非常に現実的な意味で生活の深さを失うまいとすれば、ある暗い場所を隠したままにしておかなければならない。

ハンナ・アレント『人間の条件』(ちくま学芸文庫:1994)p.101


ギョウジャニンニクのペペロンチーノ

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