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水野良樹×吉田尚記 対談【前編】~いちばん最初に感動する“ファーストフォロワー”って大事だと思う~

水野:吉田さんの本、読ませていただきました。まずお伺いしたいのが、ラジオとかこういう対談とか、公開されることを意識した会話って“きょうぎせい”を持つじゃないですか。その“きょうぎせい”を超えたトークってあるのでしょうか。そこにやっぱりちょっと緊張しちゃうんですよ。

吉田:その“きょうぎせい”の“きょうぎ”って、二人で力を合わせる“協議”ですか? それともスポーツという意味での“競技”ですか?

水野:何かを達成しなきゃいけないっていう“競技”のプレッシャーですかね。

吉田:何故この質問をしたかというと、もともと会話って“スポーツ=競技”っぽいなと思っているからなんですよ。あと僕、ずっと自分の仕事が不思議で。たとえばミュージシャンは音楽を作ることが仕事じゃないですか。でも僕はアナウンサーなのにニュースを読んでないんですよ。どちらかというと、インタビュアーの吉田豪さんとかに近いですよね。さらに、豪さんの場合は文字にアウトプットしているんですけど、僕はただ人と話をすることが仕事。そんな仕事ある?って思うんですよ。

水野:それはどういう点で達成感を得るんですか? 相手から何か引き出せたということでも、量と質の問題があるじゃないですか。

吉田:これはまたいろんな人から聞いたおもしろい話があって。たとえば、森山直太朗くんの歌詞を書いている御徒町凧くん。僕は彼がすごく好きで何度か対談も申し込んでいるし、詩集もすべて持っているし、ポエトリーリーディングの会とかも行ったりしているんですね。で、その詩の朗読会では、2行とか3行の詩もあるし、めちゃくちゃ長い詩もあるんですよ。だから僕「こんなに量が違うのはどうしてなの?」って本人に訊いたことがあって。そうしたら「でも終わったらわかるじゃん」って言われたんですよね。

水野:終わったらわかるじゃん!?どういうことですか?

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