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HIROBA公式マガジン

水野良樹(いきものがかり)の実験的プロジェクトHIROBAの公式マガジンです。毎週金曜日にラジオ的長文コラム『そのことは金曜日に考えるから』が更新されます。その他の記事も随時更新…
ソングライター水野良樹が主宰するHIROBAの公式マガジンです。HIROBAは『つくる、考える、つ…
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#宮内悠介

『小説家Z』 水野良樹×宮内悠介 第4回:読者のなかに湧き上がるイメージが最大の武器になる。

読者の想像力。 水野:昔スタッフに「それはちょっと変かもしれないな」って言われたことがあって。ドラマの主題歌だったり、商品のCMソングだったり、タイアップの仕事をするときに、僕も映像をイメージしたりするんですね。たとえば、お菓子のCMソングなら、そのお菓子がどこで食べられているか、このCMが渋谷のオーロラビジョンで流れたらどんなふうに受け取られるか、みたいな映像。その出口になるところをイメージして曲を書くんです。 宮内:ええ。 水野:「この状況で流れている音楽はこんな感

『小説家Z』 水野良樹×宮内悠介 第3回:私を発見してくれたSF。

犯人当てゲームが流行っていたんです。 水野:物語の立ち上げ方の話をずっとしてきたんですけど、一方で、どうして小説を書いているのでしょうか。宮内さんって実はいろんなことをされていて。『OTOGIBANASHI』でご一緒させてもらったときも、やはり音楽にお詳しいイメージがあって。宮内さんは趣味っておっしゃられるところもあると思うんですけど、たくさんのことをやられていて。小説が宮内さんを惹きつけるのは、どういったところなのでしょうか。 宮内:私は高校生くらいまで作曲家志望だった

『小説家Z』 水野良樹×宮内悠介 第2回:いつも逆張りをしたがる

私はこう思いますけど、みなさんはご自由に。 水野:作品が書かれた年度を見てみると、実際に現実で起きた社会的なテロであったり、人種が絡んだ問題であったりが、かなり反映されていたり、リンクが感じられる箇所が多くて。そこでも批判が起きる可能性があるような気がするんですけど、そういったものについてはどのように考えていらっしゃいますか? 宮内:そういう思想的な、あるいは社会問題について強く訴えることはあまりないです。というより、題材は題材として扱っても、基本的にはどのように読めるも

『小説家Z』 水野良樹×宮内悠介 第1回:物語を構築していくための入り口。

「推し」、「情景」、「アイデア」、「テーマ」 水野:新企画、小説家Zです。小説家・作家の方をゲストに招き、物語や小説がどのように立ち上がっていくのか、なぜ物語を書き続けているのか、2つのテーマを軸にお話を伺っていくトークセッションです。第1回は小説家・宮内悠介さんにお越しいただきました。よろしくお願いします。 宮内:ありがとうございます、よろしくお願いします。 水野:宮内さんには、『OTOGIBANASHI』に参加していただきまして、「南極に咲く花へ」という作品を書いて

『南極に咲く花へ』ができあがるまで

HIROBA『OTOGIBANASHI』が10月28日講談社より、刊行されました。水野良樹(いきものがかり)が2019年から始めた実験的プロジェクトHIROBA。 そのHIROBAに5人の作家が集い、5つの歌と、5つの小説が生み出されました。5つの歌がどのようにつくられていったのか。その創作ストーリーを、作曲を担当した水野良樹が1曲ずつ語っていきます。 『南極に咲く花へ』 『南極に咲く花へ』 作詞:宮内悠介 唄:坂本真綾 編曲:江口亮 作曲:水野良樹 作詞:宮内悠介さん