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HIROBA公式マガジン

水野良樹(いきものがかり)の実験的プロジェクトHIROBAの公式マガジンです。毎週金曜日にラジオ的長文コラム『そのことは金曜日に考えるから』が更新されます。その他の記事も随時更新…
ソングライター水野良樹が主宰するHIROBAの公式マガジンです。HIROBAは『つくる、考える、つ…
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2022年5月の記事一覧

読む『対談Q』 水野良樹×柴田聡子 第2回:私は人間をやめられないんですよね。

「これはいいかもよー!逃すなよー!」って瞬間。 水野:どこがいちばん嬉しいですか? 柴田:え? どこがいちばん嬉しい…。 水野:歌っていて、「うわ、めっちゃ泣いている」って嬉しいとか。歌っていて気持ちいいとか。作った瞬間が気持ちいいとか。喜びポイントみたいな。 柴田:難しい。いっぱいありますもんね。どうしようかな。でもやっぱりいちばん楽しいのは、「あ、すごい、いい曲ができそう!」みたいなそういう瞬間。 水野:予感がふわふわふわーって来る。 柴田:ありませんか? 「

読む『対談Q』 水野良樹×柴田聡子 第1回:私は今、歌うことにハマってきている。

ちょっと変な気持ちになりたい。 水野:さぁ、対談Qです。本日のゲストは、シンガーソングライターの柴田聡子さんです。よろしくお願いします。 柴田:よろしくお願いします。 水野:やっとお会いできました。 柴田:私も嬉しいです。ありがとうございます。 水野:きっかけを言うと、今までも、いろいろな方が柴田さんの曲を「いいよ」って言っていると思うんですけど。ある音楽番組で、僕が「後悔」という曲が好きだと生意気にも発言しまして。それを受けてTwitterとかで声をかけてくださっ

そのことは金曜日に考えるから no.32

金曜日になりました。 Opening なにか告知することあったっけな?という1週間です。 ずっと制作モノの仕事を続けています。それが本業なんですけれどね。 ほぼ犬のインスタをやっています。フォローしてね。 テケももうすぐ7歳です。我が家にきてくれてから7年経っても、いまだに毎日「なんでお前はこんなにかわいいのかね?」と言っています。本当に毎日、言ってまず。ガチで。自分の名前が「なんでお前はこんなにかわいいのかね?」だとテケが勘違いしてもおかしくないくらい、言ってる。

そのことは金曜日に考えるから no.31

金曜日になりました。 Opening 金曜日になりました。 今週のHIROBA【対談Q】は音楽プロデューサーの松尾潔さんにご登場いただきました。note版も更新されています。ぜひお読みください。 対談のなかでも話題にあがっていましたが、松尾さんと初めてしっかりとお話をしたのは震災直後の頃だったんですね。あれから10年以上が経ち、社会状況も変化しました。のっぴきならない決断を迫られる政治の季節にまた入ってしまいました。しかも、戦争にまつわる事柄が前面化するような、嵐のなか

読む『対談Q』 水野良樹×松尾潔 第4回:“Our Story”じゃなくて“My Story”じゃないと、嘘だろう。

汎用性を高める魔法のフレーズ。 松尾:僕は自分がプロデュースをするようになったのは、90年代の終わりぐらいなんですけど。阿久悠さんとかなかにし礼さんが物語を紡いできた時代と、僕がプロデュースを始めた頃…小室哲哉さんとか、小林武史さんとか、そういう方々が覇権を握られた90年代と、どう違うんだろうと思って。 水野:はい。 松尾:歌詞世界がどう違うか、僕なりに分析したんですね。これ初めて話しますけど。とくにダンスミュージック的なものが90年代、小室さん以降増えて。僕からすると

読む『対談Q』 水野良樹×松尾潔 第3回:ラブソングこそ政治の意味合いのはじまり。

人畜無害なものを作るのがどれだけ難しいか。 松尾:水野さんと最初に会ったのって、なんかイヤな感じですけど、某ラグジュアリーなホテルで。 水野:共通の知人の方がいて。その方が繋げてくださって。 松尾:素敵なランチの時間を(笑) 水野:僕は緊張しましたよ。でも松尾さんはすごく慣れていらっしゃるから(笑) 松尾:いやいやいやいや。 水野:まだ震災が起きてからそんなに時間が経ってない時期だったと思います。で、震災の頃にSNSで僕が政治や原発に関わる発言をして、いろんな声を

読む『対談Q』 水野良樹×松尾潔 第2回:音楽よりもっと好きなものがあるとすれば、音楽のある世の中。

情緒的になりすぎず、冷静に見極めたい。 水野:松尾さんの書かれた『永遠の仮眠』は、表面上すごく煌びやかな世界が描かれているかのように思えるんだけれども。その一方、ドラマタイアップの話では、テレビ局のプロデューサーが出てきて、その方が非常に乱暴というか…。そこと主人公は対峙するんですね。これって、音楽の世界とは別のルールで動いている世界とどう対峙するかって話で。 水野:さらに、この物語には途中で震災が出てくる。人間のルールから外れた自然災害というものに対して、音楽家としてど

読む『対談Q』 水野良樹×松尾潔 第1回:ミュージシャンだけが音楽を形成しているわけじゃない。

水野さんとNHKのエレベーターでばったりご一緒して。 水野:さぁ、対談Qです。今日のゲストは音楽プロデューサーの松尾潔さんです。よろしくお願いします。 松尾:よろしくお願いします。楽しみにしていました。 水野:実際にこうやって面と向かってお話させていただく機会は、実は数年ぶりで。番組で一緒にパネラーとして出ているとか、現場でちょっと雑談するとかはあったんですけど。久しぶりにお会いできるのが嬉しくて。 松尾:僕も楽しみです。声をかけてほしいなって気持ちと、僕にはお声はか

そのことは金曜日に考えるから no.30

金曜日になりました。 Opening東京都内は、非常に穏やかな気候のゴールデンウィークでしたね。仕事や学校が再開され、みなさん、いかがお過ごしでしょうか。 HIROBA『対談Q』はシンガーソングライターの半﨑美子さんの回が公開されています。noteでの読む『対談Q』も4日分すべて公開済みです。 半﨑さんはショッピングモールで。僕らは駅前のストリートライブで。それぞれフリーライブの場所でキャリアをスタートさせたということで、共通点も多い対談でした。しかもその共通点が、なん

読む『対談Q』 水野良樹×半﨑美子 第4回:埋もれている小さな声や思いこそ、私が歌にしたいもの。

自分の活動の活動を全肯定してきた。 半﨑:私、36歳でデビューしているんですけど、水野さんは2000年くらいから始められたんですよね? 水野:デビューが2006年なんですけど、2003年ぐらいにライブハウスとかでやっていて、「本当にこの道で飯を食っていこう」っていうモードになっていましたね。結成は1999年です。 半﨑:そうですか! 私も歌手を志すって決めて上京したのが2000年なので、勝手に重ねると同時期で。私は2017年にデビューしているんですけど、ひとりでいろいろ

読む『対談Q』 水野良樹×半﨑美子 第3回:「わかった」でも「わからない」でもなく「わかりたい」。

影響を受ける才能。 半﨑:自分自身、影響を与えるより、与えられる才能のほうがあるというか。影響を受ける才能っていうんですかね。カリスマ性とか、そういうところ真逆にいて。みなさんとおんなじ場所で対話している感覚なので、歌って一緒に涙し合ったり、対話したりするんです。よく、「ステージに立つひとは泣いちゃいけない」みたいな…。 水野:言われますよねぇ。 半﨑:私は常に泣きながら歌っているんですけど。でも、私は歌う側が感動しちゃいけない理由が、まったくわからなくて。ステージを隔

読む『対談Q』 水野良樹×半﨑美子 第2回:私が器となって誰かの思いを受け取って、曲にさせていただいている。

数秒の間が勝負。 半﨑:これも訊きたかったんですけど。路上ライブ後にCDを販売されますよね。そのとき、ライブが終わって、「じゃあCDを販売します」ってなった本当に数秒の間が勝負と言いますか。 水野:なるほど。 半﨑:バーッってひとが散ってしまうのか。どなたかがCDを買いに来てくださるのか。そこも大事なんだと、やっていくうちに気づいて。自分のBGMに自分でアナウンスを録音しておいて、それを流してサイン会するとかやっていたんです。そういうところも、いきものがかりさんは3人で

読む『対談Q』 水野良樹×半﨑美子 第1回:音楽に触れてこなかった方に出会える稀有な場所。

玉置さんの歌声の波動。 水野:対談Qです。今日のゲストはシンガーソングライター・半﨑美子さんです。よろしくお願いします。 半﨑:よろしくお願いします。 水野:実は、Twitter友だちと言いましょうか。 半﨑:はい(笑) 水野:いきものがかりは路上ライブ出身。半﨑さんはショッピングモールでのライブが注目を集めました。同じようにストリート的なところからキャリアをスタートして。あと、ふたりとも玉置浩二さんのファンで…そんなところからTwitter友だち的にお話させていた