7つの習慣 ① インサイドアウト

7つの習慣、「完訳7つの習慣 キングベアー出版」は何度も読むたびに新たな発見のある本だ。もう一度この本と向き合い、自分と対話していきたい。

インサイドアウト

まず、本では著者の個人的な体験から話が始まる。息子さんの一人が学校生活にうまくなじめず苦労していた。成績がふるわず、対人関係も未熟、背が低く、やせっぽち、運動もできない、、そんな息子さんに対して、著者夫婦は励まし続けたがどれも失敗に終わり、助けようとすればするほど、彼は自信を失っていく、、

著者はそのとき仕事で様々な企業に対してリーダーシップ開発の研修を行う仕事をしていた。ある日、講義の準備をする中でピグマリオン効果という概念に出会う。そして「ものの見方が人の内面の深いところで作用していること」に気づいた。

要するに何を見るかということよりも、どのようなレンズを通して見ているかが問題であり、そのレンズこそが一人ひとりの世界観をつくっているのである。息子によかれと思ってやっていたことは、実は私たちのレンズを通して息子を見ていた結果なのだと気づいたのだ。私たちの心の奥底を正直に探ってみれば、「あの子は他の子たちよりも劣っている。何かが足りない。」と思っていたことは明らかだった。自分たちの態度や行動を変え、どんなに言葉を尽くして励ましても、息子がそこから感じとるのは「お前は劣っている。だからお父さんとお母さんが守ってやらなくてはならない」というメッセージだ。状況を変えたければ、まず自分たちが変わらなくてはならないのだと、私たち夫婦は悟った。そして自分が本当に変わるには、ものの見方を変えなくてはならない。

著者を変えたもう一つのきっかけは人格主義との出会いだ。

建国から約150年間に書かれた「成功に関する文献」は、誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、質素、節制、黄金律など、人間の内面にある人格的なことを成功の条件に挙げている。私はこれを人格主義と名付けた。人格主義が説いているのは、実りのある人生には、それを支える基本的な原則があり、それらの原則を体得し、自分自身の人格に取り入れ内面化させて初めて、真の成功、永続的な幸福を得られるということである。

人格主義と対照的に取り上げられるのは個性主義だ。

第一次世界大戦が終わるや人格主義は影をひそめ、成功をテーマにした書籍は、いわば個性主義一色になる。成功は、個性、社会的イメージ、態度、行動、スキル、テクニックなどによって、人間関係を円滑にすることから生まれると考えられるようになった。

そして、著者は自分自身の個性主義に気づく。

妻と話し合っていて、私たち自身の人格と同期、息子に対する見方が彼にどれほど強い影響を及ぼしていたかに気づき、苦々しい思いだった。そんなことは条件付きで子供を愛するようなものであり、息子の自尊心を傷つけるのは間違いない。そこで私と妻は自分自身に目を向けることにした。テクニックを使うのではなく、心の奥底にある動機、息子に対する見方を変える決心をした。息子を変えようとせず、一歩離れて距離をおき、彼に対する私たちの見方から離れて、彼自身の本質、独自性、一人の人間としての彼本来の勝ちを感じとろうと努力した。
私たち夫婦は、深く考え、自らの信条を実践し、祈った。やがて息子の独自性が見え始めた。彼の内面に幾重にも潜んでいる可能性が見えてきた。それらの潜在能力は、彼自身のペースで発揮されるはずだ。気をもまず、息子が自分で独自性を表現できるように、邪魔にならないようにしていよう、私たちはそう決心した。
守ってもらうことに慣れていた息子は、初めのころ親の庇護が突然なくなり禁断症状を起こした。私と妻は息子のいら立ちに理解は示したが、必ずしもそれにこたえようとはしなかった。
数週間後、数か月と月日が経つにつれ、息子はひそやかに自信を持ち始め、自分を認めるようになった。自分のペースで花を咲かせ始めた。学業成績、スポーツ、人間関係など社会的な基準からしても目を見張るほど成長した。それも、いわゆる自然の発達プログラムをはるかに上回るスピードで。後年、息子は学生団体のリーダー数人の一人に選出され、スポーツでは州を代表する選手になり、Aがずらりと並ぶ成績表を持ち帰るようになった。

この経験は著者にとって大きな気づきになった。

インサイドアウトとは一言でいえば、自分自身の内面から始めるということである。内面のもっとも奥深くにあるパラダイム・人格・動機を見つめることから始めるのである。
インサイドアウトのアプローチではたとえば、あなたが幸福な結婚生活を望むなら、まずはあなた自身がポジティブなエネルギーを生み出し、ネガティブなエネルギーを消し去るパートナーになる。10代のわが子にもっと快活で協調性のある人間になってほしいと望むなら、まずはあなた自身が子供を理解し、子供の視点にたって考え、一貫した行動をとり、愛情あふれた親になる。仕事でもっと自由な裁量がほしければ、もっと責任感が強く、協力的で、会社に貢献できる社員になる。信頼されたければ信頼されるに足る人間になる。才能を認められたければ、まずは人格を高めることから始めなければならない。
インサイドアウトのアプローチでは公的成功を果たすためには、まず、自分自身を制する私的成功を果たさなければならない。自分との約束を果たすことができて初めて、他者との約束を守ることができる。
アウトサイドインのパラダイムに従った人はおしなべて幸福とは言い難い結果となっている。被害者意識に凝り固まり、思うようにいかない我が身の状況を他の人や環境のせいにする。夫婦ならば相手だけが変わることを望み、相手の「罪」をあげつらい、相手の態度を改めさせようとする。

ここまで読み進んで、私はもしかしたら、個性主義に毒されているのではないか?と思い始めた。仕事においては「なんで自分はこれしか評価されないのだろう?」と内心思ったりしている。これは典型的に個性主義の特徴ですよね?

自分で目標を立てても途中で挫折したり、途中で目標が変わってしまったりとなかなか継続が難しい。特に仕事は組織で動いているので、自分で目標をたてても環境に影響され、変わってきてしまう。家族に関する自分の目標も妻の意向、子供の意向その他で変わってきてしまう。自分の中で唯一成功しているのはトライアスロンに関する目標設定だ。これはある程度自分でコントロールできる。「インサイドアウトのアプローチでは公的成功を果たすためには、まず、自分自身を制する私的成功を果たさなければならない。自分との約束を果たすことができて初めて、他者との約束を守ることができる。」とあるが、まずは、自分に対する約束を果たすことから始めよう。改めてそう思った。

次回は「7つの習慣とは?」の章を読み進めたい。




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