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28歳の自分へ。43歳になった僕からの手紙

30歳になった友人が20歳の時の自分に手紙を書いていた。

妙に刺さったので、僕もやってみることにした。

最初「20歳の自分へ」と思ったけど、あの頃の僕は悩んでなかったからタイムマシンで向かって助けてやる必要はないなと思った。

やっぱり助けてやりたいのは5年勤めた会社をやめて「これから俺は何をやっていったらいいんだ」と悩みもがいていた28歳の自分だ。

どんなアルバイトさえ続かなくて金がなく、夏で喉が乾いていたのに缶コーヒーの110円でさえ払うのをためらい、自販機の前で立ち尽くしていたあの時の自分に手紙を書いてみようと思う。

28歳の僕へ

こんにちは。43歳の中年になった君です。

43歳っていうとずいぶんおっさんな年齢だけど、意外とおっさんにはなっていません。

結婚もしました。可愛い子供もできました。

彼女は今3歳で死ぬほど可愛いです。


43歳の自分の何が知りたい?

やっぱり「やりたいことは見つかりましたか?」だよね、きっと。

そうだね。見つかったよ。

答えはね、意外にもジャンルとかトピックって感じのものじゃなかった。

映画に関わるとか会社を作るとか農業で生きるとかそういうものじゃない。

「どんな形でもいいからとにかく家族と仲間と共に生きる。周りの人たちと笑顔で生きる」

これが僕の答えでした。


どうして僕がこういう心境になったのか知りたいよね。きっと。

君は今いろんなことをやって道を探そうとしてるじゃない?

その暮らしが実は15年も続きます。

終わりがないです。

興味が次々と移っていくのです。

いろんなことに興味を持ち、ある程度できるようになると飽きて次へ。

ずっとそれが続いてる。

それが僕と君の少なくとも43歳までの人生です。


そして残念なお知らせ。

大学生の頃思ってたじゃない?

「きっとわけのわからない大成功を収める気がする」って。

「お金に困らない人生を送る気がする」って。

43歳の時点では全然です。

15年間ずーっとお金に困る人生を送ります。


でも今君が味わっているような苦しみはありません。

お金がなくなると不思議なパワーが湧いてきて、なんとかなっちゃうことが何度も続いたから「きっと今回もなんとかなる」って思えるようになりました。

今を生きるお金があれば別に貯金もなくてもいいかなと。


絶望した?


なんか助けに行くはずが絶望させてしまったならごめん。

でも伝えたいことがあったから来たんだよ。

「絶望する必要ない」って言いたかったんだ。

高望みしなければ苦しみなんてなくなる。

望むことがあるから苦しくなる。

今持っている「こうじゃなきゃいけない」を捨てればものすごく楽になるよ。


親からの期待?

それ、あと7年くらいは感じるかもしれないけど、35歳くらいで2人ともあきらめるよ。

それからは親との関係も少しずつ改善して、39歳で結婚してして40歳で孫ができてからは劇的によくなった。

興味が子供ではなく孫に移ったから。


会社員時代に身についちゃったマネージャー気質は捨てましょう。

そのプライドはいらない。

持ってる限り苦しみを生むよ。


大望も捨てましょう。

未来にある大きな喜びを探し続けて疲れ果てるより、眼の前の小さな喜びをたくさん集めたほうが幸せ。

小さな幸せがたくさん集まったら気がついたらかつて持っていた大望もかなってしまう気もする。

きっとそれが手に入った時は小さな幸せがたくさんあるから、大きな幸せなんていらないって思いそうだけどね。


「このおっさん何言ってんだ?」ってなってるかなぁ。

あまりに今の自分とかけ離れた考え方を持ってる?

君がどんな考え方を持っていたかさえ忘れてしまったよ。

とにかく渇望してて、求めては叶わず絶望ばかりしてたというざっくりしたことしか覚えてない。


せっかく来たのにいい報告ができなくてごめん。

とにかく今君が思っているようなことは何一つ叶いません。

でもけっこう幸せなフリーランスとして家族で質素に暮らしています。


周りの目とかは気にせず自分の興味を追い続けてください。

きっとこれが僕らの宿命だから。

もしまたどうしても苦しくなったら呼んでください。

君と違って今の僕はビックリするくらい聞くのが得意です。


P.S.ずっと会社員にはなりませんでした。

そっちの方向も考えなくていいです。

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