2021年12月第4週目

先週もお疲れ様でした。

Catallaxyには、「ムダなことを排除して、少人数でも高い生産性を生み出すチームになろう」という風潮があります。
生産性の分母は「投下コスト(時間・カネなど)」ですが、その分母をできるだけ小さくする意識を持つことはとても大事なことですね。
今日はその文脈で、時間の削減にまつわる「意思決定まわり」の話をちょっとさせてもらえたらと思います。

例えば、「A案とB案、どちらが良いか今日中に決めなければならない」というミーティングがあったとしましょう。
そのミーティングの参加者である意思決定者が放つ発言として、次の2つのどちらが生産性の高い発言だと思いますか?

A案は知名度アップにつながる可能性がありますし売上も上がるかもしれません。しかし予算オーバーする危険があります。B案は予算内のプランです。これまで当社の商品を買ってくれているお客様にも喜ばれるのではないでしょうか。
A案がいいと思います。当社の商品はリピーターの固定ファンに支えられていますが、市場シェアは下降しています。このタイミングなら、これまで当社商品を知らなかった層にも認知を広げるべきです。

後者ですよね。
前者は、A案もB案も答えを出さない、悪く言ってしまえば「結論を先送りにする発言」です。
先送りにするということは、先送りにされた時間分だけ生産性が下がってしまうことに等しいです。
一方で、後者は「自分の考えた結論はこれだ」とはっきりと答えを出しています。
その場で結論を出してミーティングを前に進めようとした分だけ、時間も節約され、生産性が高まります。

「自分が後者のような大胆な意見を言うのは、間違ってたときに怖いなあ・・・」と思う人もいるかもしれません。
でも、私から言わせてもらえれば、真に生産性を高める行為とは、まずそのリスクをすすんで受け入れられる姿勢を持てるかどうかから始まります。
答えがわからないものに対して「間違ったことをするかもしれない」と覚悟を決め、当事者意識を持ち、自分の頭で考えて、自分なりの意見をぶつけて議論を前に進め、できるだけ早く結論を出そうとすること。
それがチームの生産性を高めるためには必要なのです。
もちろん、発言した内容によっては批判の矢面に立ったり、結果としてチームを間違った方向に導いて信用を失う恐怖がつきまとうことになります。
しかし、それは本当にチームの生産性を高めたいのなら、払うべき代償なのです。

Catallaxyには「許可より謝罪」という合言葉があります。
この言葉は、社内に限らず社外の人にも心に刺さっている人気なスローガンです。
「物事を決断するときに誰かに許可を仰ぐのではなく、やってみてダメなら謝罪してくれればいい」という意味なのですが、この言葉を真に腹落ちさせるには、まずはこのような「間違ったら謝罪しなければならない場面」を自ら作りだすことなのです。
私たちは、そういった機会をもっと増やしていく必要があると思います。
そういう経験をすればするほど、このチームは生産性が高くなり、もっと遠くに行くことができます。
そういう機会を1回でも多く増やすために、これからも危険を顧みず自ら責任を負おうとする人を称えるカルチャーをこれからも一緒に育んでいきましょう。

先週もありがとうございました。
今週もどうぞよろしくお願いいたします。

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