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2022.02.05~ライブハウスオーナーが京都府立文化芸術会館でのライブを客として観た時~

泉佐野の駅のロッカーにさ

セーラー服を押し込んで

赤いタイツと破れたジーンズをはいて

髪の毛を噴水みたいにくくって

はち切れそうな胸を押さえて

あの日、電車に乗ったんだ。

思えばそれが始まりだった。


大阪城ホールや

京都会館や

神戸国際会館とかさ

京都会館が一番好きだったな。

一曲目から椅子なんていらないんだ

ずっと飛び跳ねていた。

真冬でも汗をいっぱいかいて

ずっと叫んでた。

ずっと歌ってた。


ライブ中、一度回線が途切れたことがあって

ヒロトが、アカペラ(?)で歌ったんだ。

私が

「がんばれーっ」

って叫んだら、こっちを見た気がしたんだ。

ヒロトがさ、私を見て

「おう!」

って言ったんだ。

あの時は嬉しかったなぁ・・・


ライブってのは

ファンからすると、もうチケットを買った日から始まってんだぜ。

何時の電車に乗って、どこで乗り換えて

どの服で行こう。

どんなグッズを買おう。

あの曲は聴けるのかな。

何日も前からワクワクが止まらないんだ。


ライブってのは

今を今を今を今を焼き付けておこうって思う瞬間なんだぜ。

幕が開いた時の興奮

神聖なるステージ

大好きなアーティストたちが、目の前にいる。

目の前で、息をしている。

同じ空間で同じ空気を吸っている

一緒に歌を歌って

ステージの上にある、その命

そして自分の胸にこぶしを当てて

ここにある、この命を感じるんだ。


ライブってのは

終わっても終わらないんだぜ。

電車の中で布団の中で

何度も何度も繰り返してんだ。

あの光景

あの曲

あのセリフ

アクシデントもトラブルも

その場にいた数百人、数千人、数万人が

一緒にハラハラして

一緒に笑って

一緒に泣いて

一緒に歌った

そのすべてを胸に

明日からの糧にしていくんだ。


それが

ライブなんだ。


・・・

そんなことを思い出したんだ。

ライブハウスのオーナーとして


絶対に

忘れちゃいけない事だったんだ。


思い出させてくれて

ありがとうね。

2022年1月31日と2月5日

京都府立文化芸術会館でのライブを観た感想として

愛と感謝を込めて。

2022年2月5日 ひろ

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