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”大福帳”って言葉、ご存知ですか? | アフターデジタル(日経BP)備忘録 その1

こんにちは。普段は細々と分析業務に携わっている人間です。

生来、こうしたアウトプットとは無縁だと思っていた僕ですが、読了後の備忘録を残そうと思いたち、ちょうどいい媒体としてnoteを始めてみました。

今回読んだマーケティング(、、じゃないか)の書籍は面白く、またマーケに限らずどんな業種・職種の方もこれから先の考え方として大事だなあと思ったので、ぜひ読んでみてください。

備忘録と言いつつ、まずは導入編です。(後編は思い立った時に書きます。)



“大福帳”って、、、なに?

いきなりですが、皆さんは”大福帳”って言葉、聞いたことありますか?(どんなものか知ってます、という方は次の章に進んでもいいかもしれません)

かくいう僕自身は、社会人になるまでは人生で一度も聞いたことのない単語でした。

Google大先生に聞いてみましょう。

大福帳(だいふくちょう)とは江戸時代・明治時代の商家で使われていた帳簿の一種。(中略)売掛金の内容を隈無く記し取引相手ごとに口座を設け、売上帳から商品の価格や数量を転記し取引状況を明らかにした帳簿で商家にとっては最も重要な帳簿の一つであった。(Wikipedia 引用)

雑にまとめると、「顧客ごとの取引内容の履歴」のこと。

この「大福帳」を眺めながら、江戸時代の商人たちはこんなことを考えるわけです。(呉服屋さんを例にします)

「甲さんは、”緑色のお着物”ばかり買ってるなあ。今度入る”翡翠色のお着物”も気に入ってくださるかもしれない。オススメしよう。」

時にはこんなことまで。

「乙さんは、”今年息子さんが藩校に入る”と書いてある。めでたいじゃないか。ここはひとつ、普段よりも”良いお着物”を差し上げにお宅に伺おう。」

するとこの呉服店の顧客は、こんな風に思います。

「よく”好み”が分かったなあ。他の呉服屋さんとは違う。」

「私の”ちょっとした雑談”まで覚えてくださってたの?普通なら忘れるのに。なんて気の行き届いたお店なのかしら。」

こうして良質な「体験」を、繰り返し、お届けする。

すると顧客とのリレーションシップをどんどん深まり、「ただの呉服屋さん」が「かけがえのない存在」になっていく訳です。



さて、江戸時代から現代に戻りましょう。



デジタル化されゆく世界のなかで

僕が小学生の頃だったか、最近生まれたらしい”パソコン”というものが家におかれました。

この頃から”インターネット”という言葉とともに、世界はデジタル化を加速させ、それとともに私たちの行動様式は激変していきます。


”Amazon” ”楽天” ”yahoo!ショッピング” ”dマーケット” etc

今では当たり前に使いますよね?とても便利ですよね?

「コロコロコミックで見た新作のベイブレードを、週末にダイエーまで自転車で買いに行くけど、売り切れで予約注文した(n回目)」なんて昔の僕はもう絶滅しました(よね?まだいる?)。欲しいと思った瞬間、ポチって終わりですよね。


こうした「オンラインショップ」は、営業時間の概念を無くし、豊富な種類の商品を抱え、莫大な取引回数をこなせる。一方で「リアル店舗」にある顧客との”face to face”※の接点がないのも事実です。

(※デジタルネイティブにとってのface to face とは、という話もありますが、一旦ここでは文字通りに捉えてください)

ここで世界は一度、ヒトとのつながりを希薄にしてゆきます。



希薄になったつながりを取り戻そうとした

たしかにお客さんにとってみれば、時間、物理的距離の制約から離れて利用できるオンラインショップは非常に便利なものです。

しかし、売り手側はある事実に気づきます。

「お客さんの”好み”や”ちょっとした雑談”が拾えないじゃん」

先に述べてきたような

「取引に関係ないけどとても大切なもの」が拾えないのです。


そこで現代を生きる私たちは、「データ」の力を借りて顧客理解に取り組み、顧客が求める「商品」を推定して届けようと試みます。



例えば購入時/会員登録時の顧客情報からペルソナ分析をして、どんな層をターゲットにして、どんな商品を購入させるのか、戦略を立てたり。

あるいはCookieを使って、閲覧履歴からのレコメンドを表示したり、追跡型広告で興味がありそうな商品を表示させたり。

(「データを活かす」とは多少異なりますが)リアルもネットもいいとこ取りしてお互いに協力すればいいじゃん。ということで、"O2O"なんて言葉も生まれました(Offline to Online,Online to Offline,両方向あると僕は思っている)。

雑にいってしまうとお互いの不得意な層を呼び込み、それぞれの得意なところで勝負しよう、というものですが、正直僕は意味がわかりません。

(たとえ訪問数が伸びたとしても、あくまで一時的な効能ですよね?だってチャネルを選ぶのは顧客の好みなんだから。お互いの顧客層の定着まで考えると別の努力が必要ですよね? というのが僕のスタンスです。)

O2Oはさておき、こうした仕組みを嬉しいと捉える顧客もいるでしょう。しかし単純な仕組みで喜びを感じるほど人間は簡単ではありません。少なくとも鬱陶しいと感じる方はいるようです。

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"追跡型広告"ってどんなだっけ?と調べた時のウィンドウ。Google先生は追跡型広告を鬱陶しく思っている人が多いことを僕に教えてくれた。


リアルとオンラインの境界を"認識してしまって"いる私たち

ここまで読むと、

「じゃあどうやって商品を届ければいいのか」

みたいに思う方もいるんじゃないでしょうか。

ただ、もしこう思ってしまったなら、それはこれからのアフターデジタル時代の考え方とは異なると思います。

(このnoteでは意図的に誘導するような書き方をしたところもありますが)単純に、素直に考えてみてください。






ここまで読んだ皆さん、

「体験」から「商品」に軸を変えて、考えていませんか?







この書籍を読了して思うのは、

・顧客が良い体験を求めているという事実は今も昔も変わらない

・一方で販売チャネルのあり方が変わってしまった

・結果、顧客への向き合い方が変えてしまった(変わらざるを得なかった)

ということ

じゃあ「これから先どういう戦略で行くのがいいんや」「そもそもアフターデジタルってなんぞや」みたいのことはまた別の機会にまとめようと思います。


(書き始めてはいるもののいつ書き終わるかは分かりませんorz)


このnoteは次の書籍の備忘録として執筆しました。執筆者の認識と必ずしも一致するとは限りません。

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