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これぞニューシンプル。新たな時代のおしゃれに期待。O0u(オーゼロユー)2025年春夏コレクション

アダストリアの完全子会社のアドアーリンクによる、ライフスタイルウェアを手がけるブランド、O0u(オーゼロユー)。FINAL HOMEやファーストリテイリングで研鑽を積んだデザイナー近藤満がクリエイションを手がけ、「新しい、ふつう。新しい、かっこよさ。」をコンセプトとして持続可能な服づくりに取り組んでいくブランドだ。

そんなO0uは今回ブランド初となるランウェイショーを楽天ファッションウィークで開催し、青梅にあるテレコムセンターを会場に「LIVING IN A CIRCULAR WORLD」をテーマとしたコレクションを発表した。

展開するウェアのほとんどを地球環境に寄り添った素材で製作し、AIや3DCGなど最新の技術も駆使しながら新しいクリエイションに挑戦するO0uの、コンフォタブルとプレイフルを両立したルックに注目だ。

全体のルックでは、白を基調としたベーシックなウェアをベースに細部でフリルやギャザーなど一癖加えている点が印象的だ。着用シーンを選ばない程度にモードな遊び心を加えている点には、近藤デザイナーの抱く、あくまでも日常使いにフォーカスした、汎用性の効くウェアであるべきだというクリエイションに対する普遍的な哲学を感じる。

また、男女兼用で着用できるようなシンプルなシルエットのカットソーも発表されており、そこにロング丈のシャツコートやもう一枚のシースルーなトップスを合わせることで、どんな人でも実現しやすいコーディネートを提案している。

また、もう一点印象に残ったルックが取り外し可能なスカート・ラップスカートの存在だ。

ウィメンズでは下半身のレイヤードに深みを持たせるとともに、素材の変化による視覚的なアクセントを与える役割を担っている。一方メンズでは、ラップスカートはモード色の強いブランドでよく発表されてる分、O0uが手がけることのよって絶妙なモード感とシンプリシティが共存した新しさを生み出している。

また、どちらもスカートの下にロング丈のボトムスを合わせているので、視覚的に重くなりすぎないように足元で肌を見せている点がとても見ていて心地よい。シルエットにも微妙な変化が加わっているため、世の中のモードラバーにも愛されそうなバランス感を感じる。

近年モードの世界では、国内外問わず持続可能性とファッション性の両立の重要性が議論されてきたが、金銭面の負担などを理由に中々実現の難易度は高いものだった。しかし、アダストリアという強力な資金源とこれまでモードの世界の最前線にいたデザイナーが手を組んだことで、その課題に一点の光が見えたようにも感じた。

持続可能性とファッション。前途多難なお題だとも感じるが、今回のコレクションを見てO0uに大きな希望を抱くとともに、より一層次のシーズンが楽しみになった。

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