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アニメ製作中止や2期発表の話題について

製作中止や2期発表の話題について

コンテンツビジネスの業界に関心があり、いろいろと垣間見てきた中で、個人的に感じる最近の話題に関する私見を述べてみます。
(あくまで私見ですので、誤解無き様にお願い致します)

最近のアニメ界隈での話題に、「葬送のフリーレン」の2期の発表が無かったことや、「ユーリ!!!on ICE劇場版:ICE ADOLESCENCE」の製作中止の発表などがありました。
エンタメの企画の中止は、普通にある事だとは思われますが、公になる事はあまり無いものです。普通は、製作確定後でなければ、製作発表はしないものだからです。
映画やアニメの企画は、静かに進行するもので、製作発表が行われるタイミングも様々であったりします。まだ企画段階であったとしても、製作発表するケースもあれば、製作が進行し、既に制作完了した後で製作発表するケースもあります。製作発表が早いケースほど、中止発表になるリスクが高いと言えるでしょう。
発表のタイミングは、作品や企画により、調整される事になります。広告効果やスポンサーへの配慮など、ビジネス的な要因は重要な点になってきます。他の企画との兼ね合いなども、場合によっては考慮されるでしょう。

「ユーリ!!! on ICE」は、テレビ朝日、BS朝日ほかにて、2016年10月 - 12月に全12話放送されたMAPPA制作のアニメ作品で、テレビシリーズの人気もあって、
2017年4月29日の千葉・舞浜アンフィシアターイベント「ユーリ!!! on STAGE」夜の部にて、完全新作劇場アニメ制作発表が行われました。その後、2018年7月1日
「ユーリ!!! on CONCERT」大阪夜公演で、作品タイトルと2019年公開予定との発表が行われています。ところが、2019年9月6日
「大幅な作品内容のスケールアップを図るため」として公開延期発表されてしまいます。そのすぐ後2020年にはコロナ禍、2022年にはロシア・ウクライナ紛争などあり、2024年4月19日製作中止発表がなされた訳です。中止について、ネットでは、ロシアの件の影響とか、MAPPAの仕事が多すぎる為だとか、などの憶測が流れてましたが、それが主因とは思えません。実際のところは発表される事など無いので、推測するしか無い訳ですが、シナリオ合意が出来なかったか、製作費が集まらなかった為だろうなっと思っています。2019年のタイトル発表時には、シナリオ初稿は出来ていたと思われますが、製作委員会でOK出なかったか、その段階で見積もられた必要になる製作費の出資額が集まらなかったのでは無いのかなっと憶測します。
本作は、アニメオリジナル作品なので、著作権は製作委員会にあります。原案と脚本は、テレビシリーズと同じなので、OKしない訳はなく、もしシナリオに文句いうことがあるとしたら、製作委員会からとなるわけです。また、映画の製作費の出資も、テレビシリーズの製作委員会が中心になっていたと思われます。ちなみに、テレビシリーズの製作は - ユーリ!!! on ICE製作委員会(エイベックス・ピクチャーズ、テレビ朝日、電通、シーアイシー、Cygames、テレビ朝日ミュージック、ムービック、MAPPA)という座組であった様です。MAPPAの制作にあたっての委員会内での提案と要求が通らなかった結果の製作中止なのでしょうからね。製作中止にあたり、2017年から2024年までにかかった費用をどう処理し、作品のIPの権利や管理をどうするのかに関する製作委員会の結論によっては、ユーリの新作の未来は、大きく変わることになるでしょうね。
本作と対照的な映画作品としては、「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」がありますね。テレビシリーズ放送後の2006年5月に「劇場版 機動戦士ガンダムSEED(仮題)」として製作発表された後、主要スタッフの健康問題や不幸などがあり、休眠企画になっていたものの2021年5月28日に放送20周年記念プロジェクト「GUNDAM SEED PROJECT ignited」で制作が再告知され、正式に再開されて、2024年1月26日に劇場公開され、ガンダムシリーズ歴代最高興行収入の大ヒットとなった訳です。テレビシリーズの製作は、毎日放送とサンライズという座組、映画もサンライズとバンダイナムコフィルムワークスという座組で、IP含めてサンライズ主導である企画だからこそだったとも言えるでしょう。

「葬送のフリーレン」の2期の発表が無い件については、いわゆるヒット作品の続編の発表に関する話題となるわけです。これは、作品がアニメオリジナルか原作ものか、続編をテレビシリーズにするのか劇場版にするのか、などやヒットした作品の製作委員会の座組などにより、そもそも製作するか否かを含めて変わっている事ではありますね。「葬送のフリーレン」は、放送結果から続編が待望されるコンテンツであることは間違えないですから、続編製作企画は当然進んでいるはずです。ただ、製作発表告知をどのタイミングで行うのかは、ビジネス的な要因やIP関連や制作体制関連など含めた考慮がなされる事になるでしょう。「葬送のフリーレン」は、製作委員会は、東宝、小学館、日本テレビ、マッドハウス、小学館集英社プロダクション、アニプレックス、電通という感じの座組で、監事は東宝が行っている作品の様ですね。主な製作会社としては、4月は名探偵コナンを盛り上げたいと考えているでしょうし、注目されている発表をぶつけたりはしたくない考えもあっただろうと類推します。原作も2期2クール分は既にストックあり、2期製作に反対する要素は無いでしょうからね。東宝としても、重要なIPと考えているだろうし、グループのTOHO animationが、YouTube公開している「●●の魔法」を制作していたりするくらいなので、2期には前向きのはずです。制作のマッドハウスも製作委員会に参加しており、制作体制についても優先度は高い作品に位置付けられているでしょう。
同じ時期に日テレで放送したテレビシリーズ「薬屋のひとりごと」は、最終回の後に2期製作告知を行ってました。この2作品は似た面がビジネス的にはあります。「薬屋のひとりごと」は製作委員会に、東宝、日本テレビ、主婦の友社、OLM、電通、小学館、スクウェア・エニックスなどが参加しており、制作は、TOHO animation STUDIO、OLMで、製作にも関係しています。TOHO animationが、YouTube公開している「猫猫のひとりごと」を制作しています。
どちらも、原作、制作が製作委員会参加し、東宝、日テレが主導した作品な訳です。「薬屋のひとりごと」は、最終回で2025年2期放送の告知を行って、「葬送のフリーレン」は2期未告知と、対応が異なっています。原作のストックの量と、原作の連載状況の違い、日テレの放送枠の違い、初期企画立ち上げ時からの2期製作決定時期の違い、告知含む広告戦略の違いなどがあっての発表の差になったのだろうなっと思われます。日テレとしては、新規アニメ枠フラアニ枠の目玉作品として、金曜ロードショーで放送スタートさせる力の入れ方だった「葬送のフリーレン」の2期をフラアニ枠の新作としてラインナップしない訳はなく、東宝としても、小説などスピンオフの劇場版も見込めるだけに、製作は進めてるはずです。ただし、2期2クール放送するとしたら、制作体制維持出来てるとしても、早くて2025年でしょうし、2026年になる可能性もあります。製作告知から放送まで、1年以内にしたいだろうし、フラアニ枠の第二弾作品の転スラへの注目も高めたいだろうし、原作が少年サンデー掲載作品であることから、サンデー誌面での盛り上げタイミングからも、名探偵コナンの盛り上げが収まった後の告知の方が効果的と考えてもおかしくないと感じます。「葬送のフリーレン」については、監督の斎藤圭一郎氏が「ぼっち・ざ・ろっく!」の2期があるから担当出来ないので、フリーレン2期は遅くなるとの意見が出てたりもしました。守秘義務から監督本人からの発言はありません。また、「 ぼっち・ざ・ろっく!」は、劇場総集編の公開が決まっていて、斎藤監督が関わってます。ただし、2期の製作決定発表は現状でありません。「ぼっち・ざ・ろっく!」は、
制作はCloverWorksで、製作委員会は、 アニプレックス、芳文社の座組という、アニプレックスの最小座組構成の作品で、TOKYO MXほかで2022年10月9日 - 12月25日全12話放送された人気作品ですが、メインスタッフは、斎藤監督の他、山本ゆうすけ副監督、吉田恵里香脚本・シリーズ構成、けろりらキャラクターデザイン・総作画監督でした。脚本の吉田氏は、NHKの朝ドラ「虎に翼」に関わっているので、現状は空いてないでしょう。アニプレックスとしては、2期は製作したいと思われますが、2024年は総集編劇場版でつなぎ、斎藤監督は総監督にして、副監督を監督に、脚本の吉田氏のスケジュール確保して、けろりら総作画監督でCloverWorks制作チームおさえてという感じではないのかなっと推測したりします。斎藤監督がフリーレン先になってもおかしくは無いかなっと思います。製作委員会に制作会社参加していないもののアニプレックスの子会社なので無理はきく可能性はあります。制作スタッフは、変更しても問題無いケースや変更された作品もあるので、絶対ではありません。ビジネス的には、製作委員会次第ということにはなります。監事会社のプロデューサー次第という事ですかね。
ヒットした人気作品の次のシリーズの製作決定発表は、いつになるのかは、決まりは無いので、期待して待つしか無いのが、現実ですね。次の作品がアニメ製作されるかは、著作権者と出資者の判断次第だということは変わらない現実です。製作決定発表があったとしても、中止発表へと至るケースもあります。製作企画が立ち上がっても、没になる事もあります。エンタメ市場は、ビジネスでもあるので、ビジネス的にリスクが低い企画の方が優先されるのは宿命だと言えるでしょう。
テレビシリーズにしても、劇場映画にしても、放送や公開の日の2年前には企画立ち上げされているのが普通です。水面下では、2026年〜2027年の作品の企画が既に動いているという事になりますね。
観る側、視聴者・観客としては、楽しみに待つだけという事になるでしょう。

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