見出し画像

バンテリンドームにテラスはいるのか?2021ver.

みなさん、どうもひろです。

今回は2020年に好評いただいた、「バンテリンドーム(旧ナゴヤドーム)テラス問題」に言及していこうと思います。楽しみにされていたごく少数の方、随分遅くなってしまい申し訳ありません。

1.はじめに
2021年のチームHR数が悲惨な結果となり、前年よりも追い風が吹いているような気も致しますが、今年の成績に関しても振り返ってみましょう。
前回のノートを見ていない方向けに説明は端折りますが経緯は以下のノートをご覧ください。

このノートでは
「今までHRだった打球はナゴヤドームにテラスをつけようがつけなかろうがHRである。」
という基本的な考えに基づき、フェンス手前の打球、フェンス直撃の打球をスポナビさんの実況より手作業で拾い上げ、
-フェンスを下げた場合(=フェンスダイレクトの打球がスタンドに入っている)
-テラスを付けた場合(=フェンス直撃、フェンス手前の打球がスタンドに入っている)の2パターンについて考察していったものです。
なお、2021年は私が把握しているだけで福留孝介の交流戦での1打と佐藤輝(阪神)の連続無安打中の1打はテラスがあって、ポールが前に出ていればHRだったと判断しているため(佐藤選手のは微妙ですが)、テラスでのHRという扱いにしました。

ルール:
1.フェンスギリギリの打球、フェンス直撃の打球がHRだった時のHR・打率・打点増・長打率・OPS・失点増を考察。

2.打点増・失点増に関しては後の打者の結果も考慮する。※例えばフェンスダイレクトで二塁打になった際、後続の打者のタイムリー等でホームまで当該打者が帰ってきていたら得点は増えない計算。投手も同様。ちなみにこの結果後続のタイムリーを放った選手の打点は-1とします。

3.おまけで2の結果を踏まえた時に勝敗に影響があるかも考察します。実際はリリーフ陣がAチームかBチームかなどの外的要因が多大にありますが、ここでは安直に想定される得失点の現実と2の考察との比較でのみ考えます。

2.チーム成績
既にツイートしました通り、2021年シーズンドラゴンズはバンテリンドームで33勝27敗11分でした。
テラスを付けていた場合:32勝27敗12分(-1勝)
フェンスを下げた場合:34勝25敗12分(+1勝+1分-2敗)
という結果でした。
損益分界点が判断しづらい=今年も設置したとしても大きな影響がなさそうだということが分かります。この差が広がる前に、中村紀洋コーチ招集や石川昂弥、石垣、根尾、ブライト、鵜飼、福元、などの若手中長距離砲育成との兼ね合いも考えると早めの対策が期待されます。

ちなみにフェンスが低かった場合、ヤクルトはドラゴンズに対し、-1勝(+1分、なおテラスがついていたら、別の試合で分→中日負になるので±0)となり、ペナントレースは阪神が優勝の可能性がありました。
なお、本数としては2020年に多かったフェンスダイレクトの数が減っており、HR数的にも優位になるであろうと予想された昨年とは逆転した結果となってしまいました。(とはいえ、今年の打撃意識の改革など、根本の意識改革が功を奏すことは分かってきたので一日でも早いフェンス改造着手を望むことには変わりありません。)

3.選手成績
昨年同様選手成績についてみていきます。
まずは、お楽しみではないかもしれませんが、他球団の選手です。
2021年はフェンスが低かったら鈴木誠也選手が+1本、テラスがついていたら鈴木誠也、村上選手が+1本ずつということで
フェンス低:村上・岡本・鈴木誠也が39本塁打で本塁打王3人同時受賞
テラス設置:村上が歴代最年少40本塁打、113打点で岡本と打点王を分合う
というなんとももどかしい結果になりました。
他球団ファンの方もバンテリンドームテラス設置の署名運動がされた際にはぜひご協力をお願いします。笑
ちなみに最もフェンスダイレクトを打ったのはマルテ選手の3本、フェンスギリギリアウトも含めたテラス設置を想定した場合は他堂林、宮崎、佐藤輝の3選手が+2本塁打稼げていたことになります。

続いてドラゴンズの選手です。結果は以下の表にまとめました。
まずは野手からです。

野手の打球分類

福留選手が43歳とは思えない打球を飛ばしていることが分かりました。またここに載っている選手はいずれも中・長距離砲で”バンテリンドーム被害者の会”と言っても過言ではないでしょう笑
今年は上位3人+昨年言及した木下・高橋周平両選手について触れていこうと思います。

木下選手は2021度は2020年度よりも打撃成績が良化しました。どちらかというと、バンテリンドームに慣れた形となり、フェンス改造の恩恵は受けずらくなった傾向にあります。彼のアーチスト感満載のHRは他球団の長距離砲に匹敵すると思うのであとは再現性と体力だけです。

木下拓捕手の成績比較

続いてチームのためにテラスはいらないと思っている高橋周平選手。昨シーズンもキャプテンとして頑張りましたが、不調で満足いくシーズンではなかったでしょう。もともと孤高な感じでプレーするスタイルな気がしますのでCマーク外れた今年3割復帰を期待したいです。

高橋周平選手の成績比較

続いて青ゴジラ福田選手。持ち前のパワーと老け込むにはまだまだの88年組屈指の長距離砲です。柳田・坂本らスター選手に負けず本塁打を量産してほしいですね。

福田選手の成績比較

お待ちかねビシエド選手。昨年は、ビシエドだけマークすればよいという状況、死球攻めもありました。。。テラスがあればOPSは.800乗りますので合格点でしょう。(2年連続17本塁打、フェンス改革があれば20本塁打は可哀想。。。)

ビシエド選手の成績比較

野手ラストは、ドメさんこと福留おじさん。私の世代はスーパースターと言ったら福留孝介だったでしょう。200打数未満ながらフェンス改革があればなんと2桁本塁打?!えげつないです。今年は若手指導も代打での一撃も期待したいです。(本人が望むなら2郡で調整させてあげてくれ。。。)

福留選手の成績比較

続いて投手です。

投手のフェンス際被打分類

規定投球回に初めて達した小笠原投手が一番バンテリンドームの恩恵を受けたようになりました。ここでは2020年大野雄大投手にフォーカスを当てたように、投手3冠の偉業を成し遂げた柳投手の成績のみ振り返ります。

柳投手の成績比較

柳投手の成績は、フェンスが下がっても、テラスがついてもいずれも防御率2位下柳投手の2.48を下回っているため最優秀防御率はとれていたということになります。大変すばらしいですね。

4.最後に
2022年のドラゴンズは石川や鵜飼をはじめ長打が期待できる若手が増え、中村紀、森野コーチをはじめとする打線改革に着手しています。立浪監督も長期的に見て、何らか対策をするとのことでした。
この流れに乗って、今シーズンオフに改めてフェンスのことを議論し、2024年オフには何らかの対応を期待したいものです。
以後は前回と同じまとめ文になります。

考察というよりは実際にデータを出してみて、バンテリンドーム ナゴヤにテラスが設置したほうが良いのか、しなくても良いのかを皆さんが再度考えるきっかけになればと思い投稿してみました。

私個人としては中長期的に見てもテラスを設置するあるいはフェンスを下げることはやるべきかと思います。野手のトッププレイヤーが不在であること、チームの勝敗に大きな影響がなさそうなこと、中長期的な目線でFA選手の獲得や長距離砲の育成が現実的になることが理由として挙げられます。

どちらの意見もそれぞれ正しい面がありそこの議論はあってしかるべきかと思いますが、短絡的に「守り勝つ野球だから」「今相手チームの方がHRを打っているから悪化する」などと考える方が減ればより議論として正しい論点になっていくのではないかなと思います。(昨今のDH制もそうですね。)

ご精読ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?