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『北九州市議海外視察訴訟の展望』

資料提供:市民オンブズマン北九州

1)北九州市議海外視察は過去の裁判例に照らして違法である      下記の場合、市議会の裁量権の行使に逸脱又は濫用があると認め、議会による議員派遣の決定は違法となると解される(最高裁判例)        (1)海外視察の目的が議会の調査機能を適切に果たすためには必要のないものである場合                         (2)先ず視察の必要が検討され、その必要性を満たし得る地域・機関等を調査し、その調査に相応しい担当者を決定するという手続過程を経ていない場合                              (3)2期目以上の議員であれば、その適格性や具体的な必要性を問うことなく、任期中に1回海外視察を行うことができる。又視察は、団を編成して行う、1年間に2団以内に限って派遣するといった海外視察の要領等が予め存在する場合                          (4)市会事務局が、恒例行事として、行き先(方面)を決めて視察の提案を行なっている場合                       (5) 調査項目より先に派遣場所が決定されている場合        (6)視察日程の一部であっても、当該日程が専ら観光目的など視察目的と何ら無関係に組まれ、そのために公金が支出されている場合     (7)議会ないしは議員自らがどの国の議会や視察その他の場所をどのような方法で見学するのかを具体的に検討し、必要に応じ関係機関とも連絡、調整を取りながら周到に準備したと認めるに足りる証拠がない場合    (8)派遣計画(行き先や日程等)につき、議会が、視察目的との関連性を議会が積極的に示すことのできない場合

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2)市政に直接関係のない、一般教養を学ぶような視察は必要ない  (1)インターネットでは、環境に関する先進国はスウェーデン、教育に関する先進国はオランダ、福祉高齢社会対策に関する先進国はスウェーデンと紹介されており、海外の先進事例を視察するという視察目的からすると、真に必要性のある訪問先と言えるか疑問である。           (2)議員として、幅広い見識や国際的な視野を持つことは、もとより期待される所であるが、基本的には自己研鑽によって獲得すべきことと考えられ、情報化が進み、海外旅行が容易な時代になっいることなども考慮すれば、今度、このような一般教養取得型ともいうべき海外視察を温存すべきかは大いに検討の必要があろう(大阪高等裁判所平成17年5月12日の判決)(3)そもそも市政の『環境施設』『子育て・教育』『福祉高齢社会対策』『都市基盤・国際物流拠点の整備』『文化・スポーツの振興等』の分野において、近々に解決すべきどのような課題が存在するのかが議論された形跡がない                              (4)先進国の中から何故スペイン・フインランドにけめたのか合理的な理由の説明がない                         (5)提出された視察報告書はあまりに漠然としたものであり、この程度のもので北九州市政のために役立つ政策立案ができるか疑問である

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3)視察計画の立案などを業者( JTB社)に丸投げしている

4)無意味かつ無駄な視察がある                 (1)スペイン・スマートシティの視察について、議員が作成した報告書においては『率直な感想からすれば、未だ、実証実験の域を出ていないという印象が残る』といった記載がなされている             (2)ケーブルファクトリーについても、報告書では、『展示場は常設展しかやっておらず、イベントも企画されていなかったため閑散とした印象だったので、イベント開催に合わせて、賑わっている状況をぜひ見学してみたいと思った』『視察当日は土曜日の午前中だったため、カフェなど午後から活動する所は休みといった事情から視察できる場所が限られていた』と記載されている  

5)日程の圧縮が可能であった!
参加市議に本件視察実施までの具体的な経緯、視察終了後の報告書の作成過程を確認したい。そのためには議員に尋問を行う必要がある

北九州市議派遣一覧表(平成30年6月定例会)            1)平成30年6月18日から23日まで                 2)洋上風力発電先進都市視察団 ドイツ(ブレーマーハーフェン)  3)ドイツの洋上風力発電の取り組みに関する調査研究        4)参加議員:井上秀作議員自民党・木下幸子公明党議員・上野照弘自民党議員・戸町武弘自民党議員・山本眞知子公明党議員・世良俊明議員ハートフル北九州・中村義雄議員ハートフル北九州・山内涼成共産党議員     海外視察報告書は今だ、提出もインターネットでの公開もされていない。

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平成30年10月2日                          北九州市議会議長井上秀作議員へ                   日本共産党北九州市会議員団 団長石田康高議員から         『北九州市議の海外視察の廃止』について申し入れを行なった。

『北九州市議による海外視察旅行が中止された』            今だ市議による国内視察旅行は慣例的に議員の視察目的・視察地域も委員長及び副委員長の独断専行で決定されている              『国内視察旅行が市政・住民のためになっているのか疑問である?』


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