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Centered on Equity / 公平を中心に

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引用:https://buzzap.jp/news/20141111-equity-vs-equality/

私の中で、アメリカにおいて英語で”Equity"の話をするのと、日本において日本語で”公平”の話をするのとでは、非常に意味合いとニュアンスが異なるように感じられる。そもそも、”Equity"を日本語で”公平”と訳すところから違和感を感じ続けている。

ネットでEquityを訳すと”公平”と出てくる。また、公平を辞書系のネットサイト・デジタル大辞泉で調べると、”同じように扱う”と出てくる。他のサイトでは、”特定の人のえこひいきをしないこと”というものもある。

公平 - すべてのものを同じように扱うこと。判断や処理などが、かたよっていないこと。また、そのさま。「公平を期する」「公平な判定」(デジタル大辞泉 https://kotobank.jp/word/%E5%85%AC%E5%B9%B3-497370 )

”同じ様に扱う”、”特定の人のえこひいきをしないこと”というニュアンスを皆さんはどう捉えるだろう?この様に短い説明であるが故に誤解を生じやすいというのもあるが、これらの説明だけでは、英語で”Equity"として議論されるものとは意味が全く異なる。これらの日本語の説明の意味は、英語では”Equality"で表現される。

で、日本語サイトでこの違いを比較的正しく説明しているものを頑張って探してみた。

“平等”と“公平”の違い http://www.prf.tokyo/archives/detail/id894

このサイトで、海東和貴さんは以下の様に説明している。プロファイルを読んでも、この方がどうしてこれらの説明しているのかは分からないのだけど、とにかく参照する。まず平等から。

「平等は公平さを推進させるために
 全員に対して同じものを与える。
 しかしそれが正常に機能するのは
 全員のスタート地点が同じ場合に限られる。
 この場合では全員の身長が同じ時だ」

次に、公平。

一方、公平(Equity)に関しては
「公平さは人々を同じ機会へのアクセシビリティを確保すること。
 個人それぞれの差異や来歴は、
 何らかの機会への参加に対し障壁となることがある。
 なので最初にまず公平さが担保されて
 初めて平等を得ることができる」

さらに、こう加えている。

つまり「スタート地点が一致させることが公平」であり、
ここをクリアしてこそ初めて「平等」な社会が実現されるということ。

どうでしょうか?

平等に関しては、”全員に対して同じものを与える”という部分は、”全員を同様に扱う、同じルールを適用する”と書き換えた方がしっくりくる。上にも書いてあるが、Equality/平等の政策・規則・アプローチ等は、全員の条件・個人それぞれの背景にある様々な条件が一致する場合にのみ、social justice/社会的正義・公正に繋がる。(social justice/社会的正義・公正の話は別の機会に)。ただし、アメリカでの対応策を考えると”スタート地点を一致させる”というのは、”同じ機会を与える”とした方がしっくりくる。

実際の社会を考えると、それぞれの個人の背景にある様々な条件が完全に一致するというのはない。なので、政府・官庁・大学のポリシーとしてEquityのレベルを高めていこうとする時は、考慮する条件の数を限って、グループを作って対応していく事が多い。異なる条件の下にあるグループごとに、ある程度異なる対応を考える、実施していく。実際には社会的にdisadvantaged/不利な立場にあるグループの人の条件を改善して、他方のグループの人と”同じ機会を与える”ようにしていく。最初の挿絵にある状況では、背の低い人には台を用意する事によって、野球のゲームを観る機会を背の高い人と同じように与えるという事ですね。

これを実施していくのは、言葉で語るほど簡単ではない。対象となるグループの人の条件を具体的にどの状況下で、どの様に、どの位改善していくかを決めるのは容易ではない。ある程度のガイドラインは作れるが、マニュアル通りにすれば良いという訳ではないのと同じで、ガイドライン通りにしていれば良いという訳にいかない。

また、グループ内での複数の人の条件の差異に対してブラインドになるのも問題の原因の一つ。これらの事は、別の機会に掘りさげていこうと思います。

(ここでいったん公開します。でないと、公開が何時になるかわからないので。)

追記:書き終わった後に、挿絵を探していた時に以下のサイトを見つけました。https://buzzap.jp/news/20141111-equity-vs-equality/ このサイトの説明はかなりしっくりきます。


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