ヘビースモーク
にしなさんの「ヘビースモーク」という素晴らしい名曲をご存知だろうか。
約半年前に「THE FIRST TAKE」でも披露されたこの歌。
歌詞、メロディー、歌い方、全てが最高なので少し語らせて欲しい。
この歌は、にしなさん曰く
「タバコばっかり吸っている人に向けて書いた歌」
という。
タバコについての歌だけれど、タバコという言葉がこの歌には出てこない。
その代わりに、
「銀色の灰皿」「ヘビースモーカー」
「セブンスター」「四角い箱」
など、タバコにまつわる単語を使って表現している。
最後の「言葉が宙に舞った」という部分。
彼女ができたらやめる、なんて言っているけれどその言葉に信頼性など全く無くて、タバコの煙のようにあっという間に消えてしまう。
そんな意味合いなのだろうか、と思う。
この歌のサビの部分。
簡単に言葉にすれば、「寂しいなら私が手を握る」という言葉になるのだろうか。
「貴方色に私もなりたい」
ここて、「私は」でなく「私も」という表現を使っている。
それはもしかしたら別の、貴方色に染められた別の人がいるのだろうか。なんて考えさせられる。
この部分の解釈は、YouTubeのコメント欄でみたものに感動した。
「綺麗に並んだうちの一本」を抜いたということは、新品の一本目で、それを箱に戻すのはとても面倒。
女の子が悪戯で咥えたタバコはそのまま箱に戻される事なく男が隣で吸ったんだろう。間接キスもなんでもないように。
ここで、「キスをして」でなく「ちゅってして」という言葉を使う表現方法がたまらない。
ちゅってして、という子供っぽい表現をあえて選んだのだろう。
「貴方以上に体を蝕め」
というのは副流煙のことだろう。
副流煙の方が主流煙よりも身体への害が大きい。
一緒にいたいという表現をこんなふうにできるのか。凄すぎるにしなさん、、
そして最後のサビ前のこのフレーズ。
たとえ"私"が誠実に一緒にいたいと願ったとしても貴方は煙みたいな掴めそうで掴めない存在に執着し、そして依存する。
彼はヘビースモーカーで、タバコに、そしてタバコの煙みたいな女に依存している。
でも"私"にとってそんな"彼"が掴めそうで掴めない煙みたいな存在で依存先であるという事実。
そしてこの歌の最後の一文
「蝕む」ではなく「蝕め」
つまり、願望。
にしなさんの書く詩はとても文学的で物語を連想させる小説的な描写が多い。
他にも「ワンルーム」や「ダーリン」など、名曲盛りだくさんな、にしなさんのごく一部の紹介でした!!
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