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奈良六峠ヒルクライムラリー試走

試走に行ってきました。

 10月20日に来月(11月3日)開催され参加予定の奈良六峠ヒルクライムラリーの試走へ行ってきました。イベントの概略は、奈良県吉野郡周辺の山々にある六峠を1日で巡り、各峠のタイムを競うヒルクライムレースをラリー形式で行うものです。(120km 獲得標高2800m)各峠にはスタート、足切り時間に制限があるため移動時間も計算する必要があります。
 自分には難易度の高いイベントであること、この辺りは吉野山の二峠(吉野山、大峯)しか走ったことがなく土地勘や移動経路、時間、各峠タイムを主に確認しておく目的です。加えて長丁場ですので休憩(特にトイレ)、補給、装備(特に防寒)も完走には重要になります。

現地までの移動、装備の選択

 この日は4時過ぎに起き朝食を済ませ、6時に自宅を出発。現地(明日香村の石舞台古墳)に7時30分前に到着しました。当日は受付7時から移動開始7時30分、スタート8時のため準備時間を考えると出発を後30分から1時間は早目の必要がありそうです。
 装備は秋物(防風素材)上下とグローブにジレ、インナー長袖、軽量リュック、モバイルバッテリー(小)、サドルバッグ(チューブ2本)、トップチューブバッグ(小)、タイヤは28C(パナレーサーのアジリスト)、前後ライトに小さいベル(熊鈴)、サイコン、ボトル1本、ツールケース(小)、計ってはいませんがバイク(補給込み)総重量は9~10kgでしょう。補給食は、塩おにぎり二つ、スポーツようかん(小)10本、スポーツゼリー1本にしました。心配性なので、ヒルクライムラリーなのに重量が・・・まあ気にせずに(笑)以降は各峠を解説します。さて完走できたのでしょうか?

1ヒート 芋峠 5.34km 312m

 8時スタート 制限時間30分 
 結果 24分01秒(クリア)

解説
 事前に調べた限りで林道区間はかなり荒れた状態の酷道と知っていたため、スタート前から確認を兼ねてウォーミングアップと決めていました。序盤は集落の中の緩斜面を進み中盤からいよいよ林道区間へ、道の中央にはコケが生えた集積物があり、左右に轍があって落ち葉や枝、時に砂利や陥没が見られます。劇坂ではありませんが勾配もそこそこあるため、踏み込むというよりは道を選びながらバランスを取って走ります。道はゴール付近まで同様の状態、噂通りの酷道でした。自分が表現するなら「登れるが降れない道」ですね。記念撮影を済ませ足早に次の吉野山スタートへ移動しました。

芋峠


2ヒート 吉野山 5.53km 241m

 9時スタート 制限時間25分
 結果 19分30秒(クリア)

解説
 ここは3年前の吉野大峯ヒルクライムで走ったことがありました。その序盤区間を切り取ったコースです。路面は綺麗で走りやすく時折勾配がきつくなる程度で後は緩斜面を進む六峠では「一番優しいコース」です。道中の脇道から何度も物音と獣の気配がして確認すると全て鹿でした。書いておくこととしては「ゴール付近で必ずトイレに行くこと」、この先調べた限りでは4ヒート付近までありません。(移動コースを外れる以外で)後、本番では第1エイドがあるため立ち寄る必要がありますが、この後の大峰山(3ヒート)が最長距離・最難関で節目のため水分と軽い補給だけにして、しっかり食べるのは移動時間もある大峰山の後が良いと思います。食べても何ともなく走れる人は別ですけど(笑)

3ヒート 大峰山 6.68km 440m

 9時45分スタート 制限時間45分
 結果 47分18秒(アウト)

解説
 アウト!これには理由がありまして話すと長くなるのですが・・・道を間違えました。正確にはゴールを勘違いしてまして、てっきり吉野大峯ヒルクライムのゴールだと思い込んでしまい、本来のゴール(青ヶ峰付近)から更に奥へ進んでしまい通れませんよの看板もスルーして先へ記憶にある大峰を目指します。が・・・走れどたどり着かず、こんなに先だったか?道も悪いし引き返そうか?いやこの先のはずだし?気が付けば5km弱先でタイムオーバーとなり「これは無理だわ」とようやく止まってスマホを確認。「めっちゃ通り過ぎてるやん!やらかした」この時点で登り続けたことで、かなり消耗した上に大幅なタイムロス、本番なら終わってました。この後、道が悪いので慎重に引き返して、間違えたゴール地点を再確認(登り返し)補給で休憩、計画は崩れて4ヒートのスタート時間には間に合いそうにもありません。切り替えて移動するのですが、これは序章に過ぎませんでした。

 帰宅してログからゴールまでのタイムを確認
 結果 30~31分(クリア)※本来なら何の問題もありませんでした。

 自分的なコースのコツとしては序盤から中盤で勾配の落ち着いてるうちに頑張っておいて、路面が荒れてくる終盤と壁(激坂区間)で先を考えて頑張らないことだと思います。(トップの写真がゴール付近の展望です。)

移動① 4ヒート(樺の木) スタートまで

 移動時間 45分

 本番でミスしないための試走、ここから先は全て未知の場所となるため慎重に走ります。まず大峰から地蔵トンネル付近までは殆どが林道区間で降り勾配、道路一面の水たまりがあったり、時折陥没している箇所があったり、極めつけで林道の途中2回ほどアスファルトから荒れたコンクリート様のグラベルに近い路面で「正直ロードで走る道ではない」私には怖かったです。
 ようやく集落まで抜けたら地蔵トンネルへ(4ヒート付近でトイレが確認できなったのでロスを覚悟で行くなら、トンネルへの分岐を逆へ走った先に公衆トイレがあります)長いトンネルのためかなり警戒していたのですが、照明が整備されていて明るく路面も綺麗で走りやすかった。ただトンネルをでた先の路面(特に内側)が凸凹のため自分レベルでは気を抜くとパンクすると思います。ここから先は林道と集落、ここまで降り多めで木陰中心のため冷えてしまい一番寒さを感じた区間でした。この移動区間は降り林道を安全第一で抜けて後はゆっくり走っても大丈夫だと思います。

4ヒート 樺の木峠 4.82km 277m

 ※スタート時間省略(コースミスでスタート時間に間に合わず)
 制限時間 35分 結果 17分45秒(クリア)

解説
 スタートから序盤勾配のある区間がありますが、以降は変化の少ない道(良好な路面)が続くため走り易いコースです。この辺りは丘陵地帯のようで開けたところから見ると、様々な丘が見えます。そんなことを考えながら走って三叉路地点の左側に消防団の車庫が見えてから少し先ので、来た道を外れて左折し登った先にゴールがあります。試走前には、このヒートまで来れば後は休憩を挟みながら余裕をもって走れると勝手に予測していたのですが・・・以降も甘くはなかったのでした。

樺の木峠ゴール付近

移動②A 第2エイド(五條市観光交流センター)まで

 移動時間 40分

 4ヒートのゴールから折り返して消防団車庫の三叉路を左折、「ふれあいロード」と名の付いた道を走ります。リサーチはしてトンネルを抜けた最初の分岐(三叉路)を左折だっだのですが右折してしまい。しばらく降って、中々勾配のある蜜柑畑の丘を登ります。登りきった交差点で「おかしいな?」ちょうどトイレがあったので小休止、確認すると「またやらかした!」ことに気付きました。また来た道を降って登って、これは獲得3000超えてしみそうキツくなるなと覚悟します。分岐の三叉路まで戻りそこからまた少し登った途中を右へ降ります「走る道はふれあいロード」です。当日ならもう確実に失格の時間を走り、吉野川へ当たる三叉路(郵便局あり)を左折し川沿いを走ります。(この道中で右(川側)に2つの公衆トイレあり)赤い橋(栄山寺橋)が見えたら橋方向へ左折、そのまま道なりを真直ぐに走り右手にグラウンド、小学校を通過して病院駐車場の先国道168号線に当たれば右折、少し走ると左「五條観光交流センター」の看板がある道を左折すれば第2エイドです。今回は場所の確認だけで通過しましたが、トイレあり時間に余裕があれば休憩も取れます。

移動②B 5ヒート(五條 金剛) スタートまで

 移動時間 20分

 地図では何でもない移動区間に見えたんですけど、実は5ヒートのスタート地点まで緩斜面が続きます。私が脚に疲労を感じ始めたのが、このヒートからですので無駄な脚を使わないためにも余裕をもって移動するのが良いと思いました。ですので、移動時間は余裕を持つために長めにしてあります。


5ヒート 五條・金剛トンネル 6.08km 415m

 制限時間 60分 
 結果(ミスコースのため参考):30分58秒(クリア可能)

解説
 ここでもミスコース、スタートが二又分岐なのですが右へ(左に行きかけて戻った)正解は左です。結局は正規コースに合流するのですが、これがなかなかの坂(2.93km 8.4% 248m)でリサーチでは5ヒートは一定勾配の続く長い坂と認識していたのでオカシイとは思ってました。間違いには正規ルートに合流してから気づきます・・・間違いなく脚を削ってしまいました。後は想像通りの長い坂でカーブを曲がれどトンネル(ゴール)は見えません。途中からカーブ毎に「No標識」があることに気が付いたので、数字が減ることでゴールまでの距離を予測していました。脚には疲労を感じ、この先は移動と6ヒートが控えるため抑えて走ります。ゴールが近づいたところで、新設の「交互通行のための信号機」ができており「赤」でストップ(タイムに余裕があったので恵みの休憩でしたが、これギリギリだったり順位を争うような上位の方には明暗を分ける可能性があります)再スタートしてゴール。ミスコースはしましたが降りで確認する限りミスで走った側の方がキツイのは明らかなのでクリア可能とします。

金剛トンネル

移動③ 6ヒート(高取城) スタートまで

 移動時間 60分(金剛山降りに約15分)

 降り終わって14時くらい、時間は取り返しのつかない状態なのでここで小休止。降った先の移動コース上、住宅地内にある「パン工房ヤムーヤム」リサーチ済み(笑)で、菓子パンとコーヒー(消耗していたので直ぐ食べてしまい写真忘れました)を頂きました。(イートイン、トイレもあります)当日も営業されてて余裕があるならば気軽に立ち寄れるポイントだと思います。この先ですが、「五條5万人の森公園」の先にあるピンクの橋まではの登りと少しのアップダウン程度で後は街道のような道(五條高取線)が続きます。あまり飛ばせる区間ではないので、ここでも時間に余裕があることが理想です。走り続けると高取町へ入り橿原高取線に合流したら右折、その先下土佐の交差点を直進し市街地を走り突き当りを右へ、郵便局のある交差点を左、合流した道を左へ約100m付近に6ヒートのスタート地点「第2観光駐車場」があります。

6ヒート 高取城跡 6.13km 408m

 制限時間 65分 結果 30分41秒(クリア)

解説
 いよいよ最後の高取城、スタートしてから序盤のアップダウンで以外と「脚イケる?」と感じたのもつかの間で、本格的な登りが始まった途端に重く回らなくなる。林道に入るまでは綺麗な舗装路が続くが路面に減速帯や溝がずっとある時点で勾配はあると察するも、それ以上に自分との精神的な闘いが繰り返される。脚も腰も痛くなり頑張っても進まず、「止まって休もう試走なんだし大丈夫」的な思考が巡る、「止まったら本番で必ず気持ちが折れる登り切らないとダメ」「あと数分だけ頑張れ」と言い聞かせる。林道へ入ると路面が悪く勾配もキツくなる、もはや10km/hも出ていない。粘る気持ちを切らさずに終盤で勾配が緩む区間に入り達成を確信、ゴールできました。ゴールは写真の場所からまだ少し先で進みかけたのですが、法面が崩落している箇所の影響で落石だらけ、石が落ちてくる音も聞こえたため危険と判断し辞めました。(路面が改善されなければ当日もしこの先へ行くなら降りて押し歩きします)

高取城跡ゴール付近

移動④ ゴール(スタート地点) 石舞台古墳まで

 移動時間 30分

 下山して明日香村の石舞台古墳(ゴール)へ向かいます。疲労しているので降りは本当にゆっくりと安全を意識して、もう終わったので帰るだけ的な気持ちで軽く走っていると手前のキトラ古墳で登り、その先の名もなき坂に今日一で心を折られました。結構な勾配の長い登りがずっと先まで見える上に一度登った先が、更に登りで二段坂なんて知らんがな。これはゴール制限時間ギリギリだと確実に間に合わないヤツです。

まとめ

 スタート時間 8時  ゴール時間 17時  移動時間7時間17分
 総距離 135.97km 総獲得標高3240m

 試走した感想は、
 ・完走したことで、できるとは実感できたが甘くない、むしろ厳しい。
 ・失敗したことでミスコースは本番では起きないけれど、機材トラブルなどが起こった際は難しくなってくる。
 ・難所あり。(特に大峰からの移動で通る林道)
 ・簡単な気持ちで参加を決めたので本当に今回、試走して良かった。

 試走でこのボリュームだと本番の後にまとめるのが大変そうです。
 

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