メザニン・ファイナンス(2):優先株式①概要

ひろです。
さて、メザニンの続きとして、優先株式について纏めていきたいと思います。

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優先株式ですが、当然、いわゆる「普通株式」とは何かが異なるため、そもそも「優先」株式と呼ばれるわけです。
※なお、ここでは触れませんが「劣後株式」というのも存在しています…

一般的に「優先株式」と言った場合は、「配当と残余財産の分配について他の株式に優先して受け取る権利を有する株式」ことを意味します。特に現実的に重要なのは「配当」ということになりますね。残余財産の分配は会社が解散する時の話ですから…

配当における「優先」の在り方としては、「一定金額を優先的に確実に支払う(普通株式は優先株式の配当を確保した後の残余利益から配当しなくてはならない)」といったものが代表的ですが、加えて、もし払えなかった場合は次年度以降に累積し、累積額を払い終わらない限り普通株式への配当が行えない、といった建付けも多いです。

他、株主総会で議決権を行使できる事項や、譲渡の制限や、株主が発行会社に対して一定の条件で優先株式の取得を請求できること(いわゆるプット・オプション)や、むしろ一定の条件で会社が株主から取得すること(すなわちコール・オプション)、優先株式から普通株式への転換(会社法上の権利ですが)等の内容がオーダーメイド的に策定されることになります。

上記の取得における「一定の条件」とは、たとえば価格なら「IRR●%相当で、配当によって回収された分を除く」等です。利益連動で計算することも考えられますね。他、行使可能なタイミングや条件等について規定されることになります。

このように複雑な条件が絡むため、「Fair Value(公正価値)」は非常に算定が難しいかと思います。
優先株式を見ると、配当の金額、優先株式のコスト(要求リターン)、オプションの価値等、様々な価値の決定要素があります。
専門的過ぎるため、一般的な投資銀行家には優先株式の公正価値の算定は出来ないと思います。ひろもよく分かりません。
精々できるとすれば、普通株式が上場しており、優先株式が転換可能な状況において、転換されたものとして「転換後普通株式数×普通株式の株価=優先株式の価値」といった考え方はとれるかも知れません。しかし、その程度の簡易的な計算が限界です。

さて、この後具体的な優先株式事例を紹介しようと思っていたのですが、結構長くなってしまったので一旦本記事はここで終了させますね。

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ではではまた。

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