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☆Blender Cloudノススメ

・Blender Cloudとは

Blenderが2.8にバージョンアップされ、UIもモダンになったことでこれまで敬遠していた人も使ってみようかという気持ちになって来ているのではないでしょうか。日本では、スタジオカラーがBlenderへのサポートを表明したことで注目度もアップしています。

Blenderは、多くのコミュニティが解説ブログやチュートリアルビデオを公開しているので、ツールの学習には事欠かないのですが実際のプロジェクトの中でどのような使われ方をしているのかとか、中級以上の細かい事象については中々情報がない場合もあります。そのような情報が必要なユーザーにお勧めなのが、Blender Foundationが運営している「Blender Cloud」です。Blender Cloudは€9,90/月の有料サービスですが、購入するとBlenderのトレーニングビデオの他にBlender Animation Studioが制作しているOpen Moviesのシーンデータやアセットのダウンロードや、1500を越えるHDRIなどのテクスチャデータなどを使用することができるようになります。その他にもプロジェクトをシェアしたり、プロジェクト管理ツールのAttractなどを使用することができます。

・Blender Cloudの導入方法

Blender Cloudを利用するには、Blender.orgでBlender IDを取得してBlender CloudのSubscriptionを購入し、Blender CloudのアドオンをBlenderにインストールすることで利用することができます。購入したらBlender CloudのWEB(cloud.blender.org)に移動します。ページの右上にある[Login&Brows]をクリックしてBlender IDを入力してログインします。

ログインするとこんな感じです。トップ画面にはチュートリアルビデオなどのサムネイルが表示されます。例えば、Featured Projectsの「Spring」のSee moreをクリックすると、Open Movie「SPRING」のメイキングビデオやイメージボードなどを閲覧することができます。

こんな感じに使用されているアセットをダウンロードして、Blenderで開いてリグとかを参照することもできます。ゴージャス!!

ここまではWEBで利用できるコンテンツですが、テクスチャなどのイメージのダウンロードはBlenderから直接おこなうことができます。そのためにはBlender Cloudのアドオンをインストールしないといけないのですが、アドオンはBlender CloudのServicesのページから入手することができます。

アドオンはZipファイルでダウンロードされるので、Blenderの「編集」メニューから「プリファレンス」を選択しプリファレンスの設定を表示します。画面の「アドオン」をクリックしてアドオンの設定画面を表示します。その画面にある「インストール」をクリックして、ダウンロードされたZipファイルを選択することでインストールすることができます。

system関連のアドオンを見るとBlender Cloudがインストールされていると思います。ただ、このままではBlender Cloudの機能を使うことが出来ません。使用するには、アドオンにあるSystem:Blender ID authenticationを展開して、設定にある「ログイン」をクリックしてBlender IDを入力し、認証する必要があります。

・Blender Cloudのテクスチャを使ってみる

認証されるとBlender Cloudの機能を使用することができます。試しにイメージをダウンロードしてみます。BlenderをShadingワークスペースに切り替えて、適当に画像テクスチャノードを追加します。

この状態でShift+ctrl+Alt+Aを押すと、Blender CloudのImageブラウザーが起動するので、必要なテクスチャをクリックして読み込みます。

テクスチャのフォルダをのぞいてみました。結構な量のテクスチャが分類分けされています。

Brickフォルダを開いてみました。使いたいテクスチャをクリックすればすぐにダウンロードされます。

テクスチャノードで確認するとこのように、カラーだけではなくbumpやspecularなんかも同時にダウンロードされているのがわかります。

HDRIの素材もあります。

これらの素材はクリエイティブコモンズでCC0に設定されているので自由に作品に使用することができます。一度ダウンロードしたテクスチャは、Blender Cloudのアドオンで設定したディレクトリーに保存されているので、広く利用することができます。素材のライブラリという点ではBlender Kitもあるのですが、このBlender Cloudのライブラリも捨てがたい価値があります。

・本格的にBlenderをじっくり学びたい人にはお勧め

Blender Cloudは月に1500円前後の費用がかかりますが、深く勉強したいという人にはお勧めです。Blenderへの支援にもなるし(ここ重要!)。やはりOpen Movieのアセットやシーンデータをダウンロードして、アセットのセットアップやマテリアルなどのノードの構造を確認できるのはホントに神です。またの機会にAttractなどの機能なども紹介使用と思っています。ではでは。

(大河原ひろかず 2019/09/06)


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