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乗り物酔いメガネ

釣行レポのたびにツラれる読者がいるので、まとめておく。

そもそも・・・

ボートに乗ってサンタクルーズ沖に出る船釣りにおいて、船酔いしちゃうと釣りどころでは無いワケで、船酔い対策は不可欠。無論うねりの強さとかの会場での天候状況の予報チェックは押さえた上での話、それでも多少のBadコンディションでも出艇しちゃうのが釣りバカってもんよ。

というわけで船酔いと対策についてググった結果をまとめつつ、その結果たどり着いた『例のメガネ』について説明する。船酔い対策全般に興味がある人には全部目を通してもらった方が役に立つと思うし、メガネの話だけ知りたい人は目次メニューからジャンプしてもらっても構わない。

ちなみに、このネタは過去に2度Facebookに投稿している「船酔いしないために調べたことのまとめ」であるが、今回noteに加筆して再upするもの。


フェリー屋に聞く

◆船の揺れの種類:
・ピッチング(縦揺れ)
・ローリング(横揺れ)
・ヨーイング(水平面での左右の揺れ)
・ヒーヴィング(上下動)
さらに波が大きくなると
・パンチング(船首が波に叩き付けられる)
・フォーリング(急速落下)
◆「乗り物酔い」のメカニズム
人体には姿勢を保つ調整機能(平衡機能)とがある。脳が情報を処理し平衡感覚を保持する仕組み。内耳にある前庭や半規管や目からの姿勢変化の情報が脳に伝わる。乗り物に乗って慣れない刺激が不規則に連続すると情報過多となり、脳がパニックを起す。その結果、自律神経に異常な信号を送ってしまい、最終的に嘔吐などの症状となる。
◆船酔い予防の工夫
・睡眠時間をたっぷりとる
・食べ物の工夫
・下を向く作業はNG
・沈黙は禁
・自己暗示をかける

フェリー「さんふらわあ」のページにあるコラム

千葉県医師会のPDF

県民向け広報誌に掲載された図解「乗り物酔いのメカニズム」https://www.chiba.med.or.jp/general/millennium/pdf/millennium62_10-12.pdf



ダイビングショップに聞く

◆船酔いになりやすい三大要因
・仕事などによる疲労の蓄積
・寝不足
・二日酔い
◆少しでも軽減させる方法
・前日は極力たくさん睡眠時間を取る
・もちろん前日のお酒は控えめに
・高価な酔い止めが効果てきめん!安いのは効きません
・空腹は避け、適度に食事を摂っておく
・ウェットスーツなど圧迫される衣服はなるべく脱いでおく
・船の進行方向に背中を向けない
・読書はもちろん、携帯電話も酔うので見ない
・黙っていると酔いに敏感になってしまうので、ひたすら話す
・寝るとスッキリすることが多くある
◆酔い止めの服用
・前日、寝る前に一度目の服用
・当日、乗船前に二度目の服用



フィッシングアドバイザーに聞く

◆内服薬のオススメ:個人差があるのと目的が事なるので最終判断は自分で。例えば・・・眠くなってもイイからガッチリ効いて乗り物酔いを楽にしたい。>釣にならんので合ってない。帰路で運転できないのも困る。
◆薬の例
・SS製薬のアネロンニスキャップ
・センパアQT
◆筆者の対策例
・乗船前日は、なるべく6時間程の睡眠。
・寝付けない場合にはセンパアQTを1錠摂取
 すると寝付きが良くなります。
・当日の朝は乗船時間の2時間以上前に起床し、
 釣り場に向かう。
・乗船の1時間前にバナナを2本食べる。
・すぐにセンパアQTを1錠摂取。



釣り系Webマガジン曰く

◆下を向くと酔うのはなぜ?
・’耳の奥で揺れを感知→脳が揺れていると判断。
・目から入る情報は一点を見つめているので揺れない。
⇒二つの異なる情報によって脳がパニックする。
◆FAQ
・手首に酔わなくなるツボがあると聞きますが?
・酔ってからでも薬は効くの?
・食べ物が影響することは?
・寝不足はダメと聞きますが?
◆プラセボ(プラシーボ)効果



釣りハックによれば

船酔いしない・治す方法を3つ試してみた!
・リストバンド
・メガネ
・氷水



探偵ナイトスクープでは

クーラーボックスから冷えたペットボトルを取り出し、彼の背後からそっと忍び寄り、突然冷水を首筋にぶっかけ、さらに驚いている彼を押さえつけて股間にも冷水を浴びせかけた。



船酔い対策「メガネ」って?

乗り物酔いで目からの情報が脳をバグらせるのはいくつかの記事の通り。では目にも揺れている情報を分からせてやるというアプローチ。
Boarding Ring とかAnti- Motion Sickness Glassesと言う名前で売られている。フランスの自動車メーカー、シトロエンがSeetroenという名前で売り出して話題になった。レンズのブリッジ部分(鼻をまたぐところ)がシトロエン的デザインになっている。当時のお値段15,000円ほど。現在は類似品がAmazonで$20弱で買えます。

僕の自作事例は末尾に掲載



船酔い対策「桃缶」って?

あのダウザー秦拓馬も試してた。今のところ最も胡散臭い対策方法(笑)。どう考えても科学的根拠が無さそうなのに、動画でみると効果がありそうに見える。プラシーボ)効果だろうね。試してみたい。ちなみに俺は桃アレルギー(泣)。



Youtubeを探すと

・前日に酔い止め飲んで寝る。
・脂っこい食事は禁止。
・体調を整える(早く寝る)。
・乗船30分前に酔い止め薬。
・釣を楽しむ。

・睡眠をよくとる。
・酔い止めを飲む。
・空腹、満腹を避ける。
・遠方の動かない物を見る。
・進行方向に背も向けない。
・陸でできる事は陸でする。
・避けた方が良い食べ物
  乳製品、脂っこい物、柑橘類、コーヒー
・効果的な食べ物
  飴、グミ、梅干し、生姜、唐辛子

・睡眠をよくとる。
・酔い止めを飲む。
・前日の食事は早めに消化の良い物。
・当日の朝食は抜かない。(脂系はNG)
・水分はお茶か水。(柑橘系はNG)
・船の上でちょこちょこ食べて、空腹/満腹にしない。
・酔わないと思う事が大事。

・柑橘系飲料を飲まない。(前の晩も)
・水かお茶。
・炭酸飲料も避ける。
・食べない方が酔う。(胃酸のコントロールが大事)
・家出る前にサンドイッチ1個と酔い止め。
・船に乗ったらスナックスティックをちょっとずつ。
・頭の水平を保つ。
・あとは慣れ。

前振りは長いけど・・
・頭を水平に保つ
を細かく説明している。



「耳栓」のはなし

乗り物酔いと三半規管には関係が深いのは理解できるが、片方の耳に耳栓をするコトで、それが平衡感覚を麻痺させる(?)って理屈はどうも理解できない。むしろ平衡感覚を正しく脳内が処理しきれないのが乗り物酔いの本質のようだから、かえって逆効果という方が筋が通る気がした。



「ツボ」のはなし

乗り物酔いに効くとされるツボは複数あるみたいで、中でも手首の少し下にある「内関」を刺激する商品が「酔い止めバンド」。平衡感覚を正常にする働きがあると言われ、吐き気を低減させることから二日酔いにも効くらしい。大事なのはツボの位置で、手首にバンドをするのはちょっと間違っている。もう少し腕側が正解みたい。



「パッチ」のはなし

耳の後ろあたりのツボ「翳風(えいふう)」に貼るパッチもあるね。

少し薬っぽいのもあるらしい。薬事法が絡んでいるためか国によって状況が異なっていて、日本語で情報を探すのが難しかった。

◆スコポラミン経皮吸収型製剤(皮膚パッチ)
もともと乗り物酔いなどのムカムカを落ち着かせる方法にスコポラミンを染み込ませたものを皮膚に貼って吸収させる方法が存在した。欧米では長い間メジャーな方法で普通に販売されていたようだけど、過剰摂取や副作用などの問題点が分かってきて現在ではドクターの処方が無いと入手困難な様子。

◆ニュージーランドの例
ニュージーランドでは今でも普通入手可能っぽい。スコポラミン1.5mg/枚で72時間継続使用できる(染み込み続ける?)。耳の後ろに貼る(何故ソコなのかは分からなかった)。両方に貼るのはNG(片方でOK)。米国から注文しても発送されない。カナダでも入手できる説あり。

◆韓国の例:キミテ(기미테)
国内ではかなりメジャーな存在だったようだが、近年副作用が問題になって子供用だけは専門医薬品にカテゴライズされた様子。なによりもスコポラミン製剤である事が長い事明かされていなかったみたい。

◆スコポラミン化合物
余談だけど、日本の酔い止め薬にはスコポラミン臭化水素酸塩水和物が微量含まれている事が多い。アメリカの薬には入っていない。詳しくは薬の項の表参照。

◆アメリカの例
薬大国のアメリカですらスコポラミンパッチはドラッグストアでは買えなくなってて、同じ外観のパッチ製品が流通しているのが現状だと判明。クスリ成分は無く生姜やハーブが原料。なので安価。そして何故かレビューは高評価。良く効くって書いてある。



乗り物酔い止め「薬」のはなし

ある意味、本命。かつ効果大。

酔い止め薬の話①アメリカの薬

ようやく薬の話をします。まとめるのに時間が掛かりました。まずは米国。実質2強です。ジメンヒドリナート(Dimenhydrinate)のDramamine(オリジナル)。メクリジン(Meclizine)のBONINE。Dramamineはメクリジン版も出しているので注意。あとは各ドラッグストアが廉価版を自社ブランドで出しているだけで成分的にはこの2択。どちらも第一世代の抗ヒスタミン薬。パッケージの表記からするとジメンヒドリナートの方が眠気が強い。

酔い止め薬の話②日本の薬

薬の法律が関係しているのか米国とは全く違う成分が主体。とはいえ基本的には第一世代の抗ヒスタミン薬が主軸だが、それだけではなく感覚の混乱を抑える系の成分や、中には吐き気止めまで調合されている製品もある。繊細な設計思想を感じる。

アネロン(エスエス製薬)

釣り系のサイトでよく見る錠剤はエスエス製薬のアネロン「ニスキャップ」。要所各所をケアしてくれる感が素晴らしい。同様の成分の薬は米国には無い。現在、僕が最も信頼している薬。一時帰国で大人買い。

酔い止め薬の話③花粉症の薬は代用になるか?

リサーチした限りでは、近年の花粉症の薬は主に第2世代の抗ヒスタミン剤で作られていて、一方で酔い止め薬は相変わらず第1世代の抗ヒスタミン剤で作られているようです。そして一般に第1世代の方が眠気が強い傾向が高いと言われています。この傾向は日米で大きな違いはありませんでした。
下のリンク先のサイトの記事などから推論した自分の結論は、花粉症の抗ヒスタミン剤は鼻や眼などの末梢に効くように作られていて、酔い止めの抗ヒスタミン剤は吐き気や平衡感覚の混乱を起こしている脳のパニックを落ち着かせるために働くように作られていると感じました。
したがって、基本的には薬としての設計思想が合っていないので、代用の効果は期待でき無いと思っています。でも信じるのも大事で、プラセボ効果も馬鹿にできません。脳がだまされればイイだけの話ですからね。

ちなみにそのCOSTCOブランドのお薬「Kirkland Signature Aller-Tec」。Cetirizine HCL/Antihistamine 10 mg と書いてあるので第二世代抗ヒスタミン薬である「セチリジン塩酸塩」のジェネリック薬っぽいですね。ボクなんかは「ジルテック」という名前の方が聞き覚えがあります。(自分には)かなり眠くなるので、寝る前か症状が重い時にしか服用しないようにしてました。365錠で$14って馬鹿安ですな。

ボクは花粉症用には普段こっち「Kirkland Signature Aller-Fex Antihistamine」を服用してます。同じく第二世代抗ヒスタミン薬であるFexofenadine HCl 180 mg (フェキソフェナジン塩酸塩)のジェネリック薬。よく知られているのは「アレグラ」という名前です。効きも弱いけど眠気が格段に少ないです。(人によると思いますが)



「脳細胞」のはなし

コレはすげぇぞ。早く実用化しねぇかな。
要点は、従来の乗り物酔いの薬が「主に脳活動の一部を鈍くすることで乗り物酔いの軽減を狙ったモノ」であるのに対し、この新手法だと「乗り物酔いの経路を直接的にブロックする方法」だとか。



「メガネ」を自作するはなし

上述のようにこの商品はメガネの上から使えない。超絶的に干渉する。船上で基本的にReadingGlass(老眼鏡)を掛けている俺にはこのままでは使えないワケだ。という背景から追加工の試行錯誤をしてきた。

何よりも問題だったのは、メガネフレームの横幅が大きかったので、乗り物酔いメガネをワイドサイズ対応させる必要があった。そこで試作初号機では保護めがねに取り付ける手法でやってみた。幅はどうにかなったものの、カーブ具合がメガネと合わないという課題を残した。

そこで試作弐号機では、ステンレス棒でマウントフレームからスクラッチビルドする手法に変更(ステンレスの半田付けは別アイテムで習得済み)。コレが中々良さげな感じで収まった。



実際の俺の対策

  • 一番支配的なのは寝不足なので、晩酌なしで軽めの夕食でさっさと寝る。夜更かしして仕掛けとか作ってたらダメ。

  • 朝ご飯はマスト。空腹はダメ。柑橘類系は良くないらしいのでオレンジジュースは避ける。

  • 海に着くころにはイイ効き具合になるように、朝食後にアネロンを服薬。

  • 手首のツボ用のリストバンド着用

  • そしてこのメガネ。

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