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お前のためのひとり株式会社設立マニュアル late 2014

名著「インターネットを活用した、ひきこもりのための株式会社の創り方」を読みつつ会社の手続きを進めたわけですが、何かの因果でまた会社を作るようなことがあったら困るので3年後の自分のためにメモる。

一部でも自分でやるか、全部任せるかを決めろ

世の中には全部任せられるようなサービスもある。「会社設立 代行」とかで検索すればたくさん出てくるな。代行サービスに任せるとハンコから作ってくれたりもする。今回はハンコを買うところから全てを始めたから、気づいたら代行で進める道を自ら絶っていたな。ハンコ2つもいらないからな。あとで書くが、会社の法律とも言える定款(ていかん)を公証役場で電子認証してもらうときは税理士さんの協力が必要だから、知人に紹介してもらうんだぞ。

会社を作る上で会社のハンコを作る必要があるが、困ったら3点セットと呼ばれているものを買えばいい。社名を決めてない?それなら自分の思い入れのある名前をいくつか持ってきて、その名前を背負うなら頑張れるモノに決めろ。

今回は渋谷ガード下の渋谷ハンコ堂で自分の実印も含めて買ったな。¥11,060だった。事前にネットで決済して店に行ったらハンコ堂なんて全然書いてなくて焦ったが、だいじょうぶだ。そこで合ってる。領収書も忘れずもらえよ。

え、なぜ自分の実印も買ったって?会社設立には自分の印鑑証明が必要になるが、その辺で買えるハンコだと印鑑証明用に使えなかったり、そもそも偽造されたりと危険だからフルネームのものを作ったんだぞ。

印鑑証明、実は区役所じゃなくて支所でもできるから近所に合ったら調べておけ。そしていつも言っているがカードを作れ。役所に行ったらカードだ。あと、印鑑証明カードは実は住民票カードの上位互換なので、住民票カードを持っているならきちんと持っていけ。自動発行できるぞ。そして2通だ。ここで取っておくべき印鑑証明は2通だからな。

とにかく拠点を確保しろ

会社を作るには登記する場所が必要だ。自宅にすれば家賃と…なんて話もあるが、そもそも全部の物件が事務所として利用できるわけじゃない。住居専用となっている物件を勝手に登記はできないぞ。大家さんへの相談が必要になる。新たな物件を借りる場合も事務所利用の旨を伝えるべきだ。当面は一人だから、というような時は登記できるコワーキングスペースを探すのもいいぞ。

とにかく登記先が決まらないとなんの書類も作れないから気をつけろ!

定款を作りながら事業の絵を描いていけ

今回はゆるふわに独立を進めてしまったから定款は苦労したな。「事業の目的 定款」で検索すればある程度例は出てくるが、お前が将来何をしたいかをカバーできていないと後々お金を出して定款を修正することになるぞ。だからと言ってあれもこれも書いてしまうと何の会社なのかわからなくなり、信用を落とすので気をつけろ。そして定款を書いたら税理士さんにチェックしてもらえ。そもそも何を書いたらいいのかわからん場合、税理士さんが雛型やチェックシーを持っていることが多いから聞いてみろ。Eコマースやるかも?とちょっとでも思ったら書いておくといい。新サービスつくってキャラクターグッズ売るとかあれば、それはEコマースだ。

…ん?自社株価の設定?困ったら1株5万くらいにしておけ。発行可能株数は将来融資を受けるときに影響してくるから、いくら位くらい受けるのかも合わせて考えろ。そうは言っても必要ならその時に定款を変えればいいからあんまり重くは考えるな。今は内部的な扱いで使うだけだし、お前しか持ってないからな。

そうそう、決算を電子公告(Web上での掲示)済ませると安くなるが、URLは定款に記載する必要がある。定款を作るときには会社のドメインも取っておく必要があるのだ。特にco.jpは6ヶ月仮押さえ、登記完了後に申請して1年になるから気をつけろ。.meとかでいい人は特に気にしなくてよろしい。メールアドレスのドメインにもなるから、なるべく覚えやすいものにするんだ。

ドメインを取得したらサーバを確保しろ。最低限会社のホームページがないとお客さんが困るぞ。独自ドメインが使えるところかどうかは確認しろ。今回はさくらのレンタルサーバスタンダードにしたな。WordPressが使えるが手動インストールしないとルートで取れないぞ。http://example.com/wp/とか、ちょっと使いにくいから気をつけろ。あとテーマ、公式サイト向けにいくつか売っているから買ってしまえ。良いものは5000円くらいするが、お前が6時間くらいかけて作るものより絶対品質は上だし、自分の時給換算したら元は取れる。今時間をかけるべきはそこじゃないんだ。分かるな。

あとさくらVPSだとrootが取れるからあれこれ自由だが、スタンダードはそうもいかないからとりあえずRailsのアプリを動かすのは諦めろ。dbのdumpファイルがEUCだったりする罠もあるからWordPressのバックアップには気をつけろ。

資本金の謎の手続きを経験しろ

貯金をおろしてまた入金する手続きがある。個人の通帳で大丈夫だ。これのコピーを提出して、資本金の存在を証明するのだ。

資本金レベルになるとATMでは下ろせないから、営業時間内に銀行の窓口に行くんだ。身分証明書や銀行印も忘れずに持って行けよ。窓口の人に伝えれば分かってもらえるはずだ。証明のために下ろしてすぐ入金したいんですと。

公証役場と法務局で必要なもの

定款の準備ができたらいよいよ登記申請だ。

個人の印鑑証明はそれぞれで提出するから2枚必要だ。事前にとっておけ。そいて公証役場での電子認証は¥51,940、法務局での印紙代は¥150,000かかるな。公証役場はアポなしでは行けないから、税理士さんにアポを取っておいてもらえ。あと、今回公証役場にはCD−Rを渡す必要がなかった。渋谷だけかもしれないが覚えておけ。

登記後は3,4日で終わる。予定日は法務局でもらえるが、登記情報確認サービスで最終的に確認できる。検索は無料だが詳細内容のpdfを確認するのは有料だ。一時利用だと最初のログイン時にしか検索できないから気をつけろ。2回目に見ればいいやと思っていると検索ができず、そもそもの情報確認さえできない。1回目にお金をしっかり払ってpdfをダウンロードしておけ。

登記が終わっても手続きはまだ半ば

co.jpドメイン、今回は取ったか?取ったなら申請をしておけ。これで仮申請の身からおさらばだ。

税金の手続きは税理士さんにお任せするとまるっとやってもらえる。国と都道府県の2種類あるから気をつけろ。いわゆる開業届というのがこれだ。税の手続きをしていないとこの先銀行口座開設で困ったり、青色申告の対処にならなかったり酷い目にあうから忘れるな。また、この時に登記簿のコピーが必要だ。登記完了後に法務局に行くと印鑑カードを取得できるから、この時に会社の印鑑証明と合わせて取得しておけ。

印鑑カードがあると書類の申請手続きが一気に楽になるが、書類自体を自動発行できるわけではないので気をつけろ。なお、法務局の書類は窓口に手書きの書類を書いて提出するのが一番高い。インターネットで請求して郵送受け取りすると¥100割引の¥500で郵送してもらえる。窓口受け取りにするとさらに安い¥480だ。

一通り終わったら銀行口座の開設だが、これも2週間近くかかるし断られることもある。とりあえずは拠点の近くの銀行へ行き、窓口で法人口座を作りたいことを伝えろ。必要書類は銀行のホームページに記載があるが、大体は個人の身分証明書、会社の登記簿、会社の印鑑証明、会社の簡単な説明あたりだ。

銀行口座がないと仕事ができないように思えるが、最初の頃は個人の口座を代替できるから安心しろ。現金でもらった場合は入金伝票を自分で書いて発行しておくといい。

社会保険と役員報酬の関係

今回は役員報酬0にしたな。社会保険(従業員がいないなら厚生年金と健康保険)は報酬額によって保険料が変動するから、その時の予想利益など鑑みて調整しろ。この辺も税理士さんに相談できるぞ。なお、退職してから起業までに1日でも間が空くならば国民年金への手続きが必要だ。厚生年金と二重取りにはならないから安心しろ。この手続きには離職票が必要だから、もし退職後に会社から受け取っていなかったら問い合わせてみろ。一部免除の手続きもできるぞ。

アルバイトも含め、もしすぐに誰かを雇用する予定があるなら雇用保険、労災保険のも手続きも必要だ。税金の手続きの時にもそのあたりの記載が求められるからな。困ったら管轄窓口の人に聞いてみろ。ちゃんと優しく教えてもらえるし、必要書類も貰えるぞ。

ひと段落ついたら開業費をまとめろ

起業のためにかかったお金はすべて開業費として後々計上できる。パソコンとかモニタとか買ったな。それも含められるぞ。純粋に手続きにかかるお金(税理士さん+電子公証+登記+ハンコ+ドメイン+サーバ+名刺)は25万弱くらいだ。

この辺から日々の出納を記録する習慣が生まれているはずだ。交通費もしっかり覚えておけ。めんどくさかったら会社用のSuicaを作っておいて、履歴を見ればいい。駅のチャージ機でもアプリでも履歴は確認できるが、移動した目的は忘れずメモっておけ。法人、この辺の書類は10年保存するルールがあるからな。10年も経ったら記憶なんて曖昧なものだぞ。

最後にまとめるが、社名を決め、ハンコを買って拠点を決め、自分の印鑑証明を取り、税理士さんに相談しつつ定款を作って公証役場と法務局に行き、登記が終わったら税金と保険の手続きをすればコンプだ。事業目的や株など、日頃あまり触れないものについて考えるから、定款を作るのが一番大変かもしれないな。

会社ができたらやっとスタートだ

いいか。会社の登記はただの手続きだ。この先何の事業をやるのかはお前次第。直近食べられるように受託に勤しむのか、自分で作りたいサービスを開発するために貯金を切り崩して暮らしていくのか。

とりあえず一人で悩むな。一人じゃ何にもできない。かつて一緒に働いていた人とふんわり話すのもいいだろう。また、今まで顔を出していなかったような場に行ったり、話題を見聞きしたりもしろ。先輩に話を聞け。お前が営業しなければ誰も営業してくれないんだ。

ただ、これは忘れるな。お前がなぜ起業しようとしたのかを。何かを作りたかったのであれば、その何かを作ることを頑張れ。過去の貯金で外向きの話をしようかとか、とりあえず顔だけ売ることにリソースを割いたりしたところでそれは一時的なものだ。ものを作って、それで評価された方が面白いじゃない。

追記:事前申請すべき補助金…あったってよ

登記前に法人等設立事前届出すると、創業にかかった費用について起業後に補助金がもらえるんだよ!

http://www.isekicompany.jp/joseikin.html

お前は今回忘れたけどな!!

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