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セーフティマネジャー(機能安全マネジャー)とは


はじめに

セーフティマネージャはシステムや製品の安全に関わる責任を持つ人物です。その役割、責任、権限、資格をご説明します。システムや製品の安全は開発スケジュールに優先するため、プロジェクトを進行するプロジェクトマネージャとは異なる人物がよいとされています。また、最近はプロセス改善推進組織すなわちEPG (Engineering Process Group)のリーダを兼務することがあります。

役割

機能安全要件の策定と管理:機能安全要件を定義し、製品やシステムの開発プロセス全体でこれらの要件を管理します。
機能安全プロセスの確立と維持:適切な機能安全プロセスを策定し、開発プロジェクト全体でこれらのプロセスを適用し続ける役割を担います。
ハザード分析とリスク評価:製品やシステムのハザード分析とリスク評価を実施し、適切な対策を提案します。
機能安全文書の作成と管理:機能安全関連の文書(安全計画書、安全要求仕様書、機能安全関連の設計書、検証報告書、確証報告書など)を作成または、作成をリードし、適切に管理、運用します。
プロセスの監視と報告:機能安全プロセスを用いた製品またはシステム進捗状況を監視し、適切な報告を行います。

責任

機能安全規格の遵守と評価:機能安全規格や要件に従って開発プロセスを管理し、機能安全性を評価します。
リスク管理と問題解決:機能安全に関連するリスクを管理し、安全に関わる問題が発生した場合には適切な対応策を立案し、問題を解決します。
チームのサポートと指導:機能安全に関わるチームメンバーをサポートし、必要な指導やトレーニングを提供します。
監査と報告:機能安全プロセスや文書の監査を実施し、結果を報告します。また、関連する規制や基準に対する適合性を確認します。

権限

機能安全戦略の策定と承認:機能安全戦略を立案し、利害関係者や上級管理職との協議を経て承認を得る権限を持ちます。
機能安全に関わるリソースの確保と調整:必要なリソース(人員、ツール、予算など)を確保し、利害関係者との調整を行います。
機能安全プロセスの改善と変更:機能安全プロセスの改善や変更を提案し、関係者との合意を得る権限を持ちます。

資格

機能安全知識と経験:機能安全に関する知識や経験が必要です。例えば、ISO 26262(自動車関連)やIEC 61508(産業制御システムほか)の機能安全関連規格に精通していることが求められます。
システム工学やソフトウェア工学の知識:システムやソフトウェアとハードウェアの開発に関する基本的な知識も必要です。
開発プロセスの知識:要件策定から設計、実装、検証、試験、リリース、保守などのプロセスの知識が必要です。
コミュニケーション能力:セーフティマネージャは、関係者との効果的なコミュニケーションを図る能力が求められます。これには、プロジェクトメンバー、上級管理職、顧客、および関連部門との円滑なコミュニケーションが含まれます。

まとめ

以上が一般的な機能安全マネージャの役割、責任、権限、資格の概要です。ただし、具体的な役割や責任は企業や業界によって異なる場合があります。上述した資格については、スキルを保持していることを証明する資格は大切で、第3者認証機関が行っている機能安全エンジニア、機能安全シニアエンジニア、監督者(アセッサ)育成コースがありますので、受講をお勧めします。

セーフティマネージャの責務は「安全に限られる」ということで、その製品の「主機能」の要件、仕様については熟知していない、責任がないという方がいました。ただ、主機能に対して故障が発生した時のリスクを下げるのが安全機能(安全機構)ですので、主機能についても十分理解していることが必要です。

機能安全資格が取得可能な機関

自動車トップ|DNV Business Assurance,Japan KK
IEC 61508 機能安全 資格取得 研修・セミナー| テュフ ズード | TÜV SÜD Japan (tuvsud.com)
SGS-TUEV認定 機能安全トレーニング<AFSP> | SGSジャパン株式会社 (sgsjapan-portal.jp)

機械の機能安全については
セーフティアセッサ | 資格認証試験 | 日本認証株式会社 (japan-certification.com)


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