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膀胱の機能と構造


はじめに

 排泄器官が大腸につながる肛門と、膀胱につながる排尿器官に分かれているはなぜでしょうか。すなわち、大(便)と小(便)排出に分かれているのはなぜでしょうか。人により回数は異なると思いますが、大便は一日に1回ですむけど、小便は一日に数回行います。量と回数に関係するのでしょうか。

膀胱とは

 膀胱[1]は2つある腎臓につながっています。役割は2つです。蓄尿と排尿です。尿を貯めておくところがないと、排尿器官から毎時流れ出してしまいます。成人ではだいたい500ml位貯められるとのことです。毎時60ml位腎臓から尿が送られてきます。4/5位貯まると排尿を催すらしいのです。これらの値からすると排尿は5、6時間に1回でしょうか。ただ、ビールを飲むと排尿頻度が多くなります。

 膀胱の仕組みが不思議で、蓄尿のときは排尿筋を緩めて出口の尿道括約筋を収縮して排尿を防ぎます。排尿のときは排尿筋を収縮して出口の尿道括約筋を弛緩します。これらの筋肉は自律神経(交感神経、副交感神経)が制御しています。膀胱内の受容器が排尿筋の収縮を促して尿意を大脳と視床に伝え、尿道括約筋を随意制御して排尿します。

膀胱 (参考資料[3])交感神経は赤、副交感神経が青

 ヒトは2歳から3歳までの間に排尿調節(外尿道括約筋の随意調整)ができるようになります。それまでは大脳が発達していないため、随意調節ができないといいます[2]。

 人が人間らしく生きるためには大脳が、そして自律神経が働く必要であることが分ります。交感神経により尿道括約筋が随意制御できないと、尿が垂れ流されてしまいます。

コラム

・ビールが排尿を増進するのはなぜ。
 ビールのアルコールが、脳の下垂体から分泌される抗利尿ホルモンとも呼ばれるバソプレシンというホルモンを妨げてしまうためです。このホルモンの役割は体内の水分を保つことです。血液中の水分と無機塩のバランスを正しく保つことによって体内の水分を維持するように、腎臓に信号を送るのです。しかしアルコールは脳の動きを邪魔する一方で、下垂体の動きも妨げ、バソプレシンを作る動きも止めてしまいます。一定の体液を保つよう腎臓に信号が送れないと、体内で膀胱を通して全部の水分が出るようになってしまいます。脱水状態にならないためにも、ビールと同じ位の水を飲むことが推奨されています。また、適量のナトリウム、カリウムの摂取(枝豆の塩あえ、もろきゅうなど)が必要です。
https://logmi.jp/business/articles/150459

・排尿を随時するため大脳では何が起きているのでしょうか
 排尿反射の中枢は脊髄(せきずい)下部(仙髄)にありますが、大脳皮質や中脳など上位中枢によって常時抑制されています。
小児では、とくに夜間時にこの上位中枢からの抑制が十分でないため、夜尿をおこしやすいと言われています。
https://www.kao.co.jp/merries/babycare/toilet/basic_01/

参考資料

[1]膀胱 - Wikipedia
[2]尿の貯蔵と排泄 (visiblebody.com
[3]神経因性下部尿路機能障害 | ファーマスタイル | m3.com

変更履歴

Rev.1 2024.4.30 初版


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