【CL新潟Best8】一撃ルギアの構築と立ち回り
1.はじめに
皆さんこんにちは。初めましての方は初めまして。元は仙台で現在は三重で活動しているポケカプレイヤーのヒロと申します。早いものでnoteを執筆するのはこれで4つ目になります。いつも読んで頂いてる方は本当にありがとうございます。以下は過去に書いた記事になります。
さて今回は、CL新潟にて一撃ルギアを使用し、自身の最高成績であるBest8に入賞することができましたので毎度のことながら思考の整理も兼ねてnoteを書くことにしました。一部有料とはなりますが参考になる部分もあるかと思いますので読んで頂けると嬉しいです。
最後に自己紹介ついでに自分の過去の戦績を紹介します。
2.環境考察とデッキ選択
この章ではCL新潟における環境考察とデッキ選択の経緯についてまとめていきます。デッキ解説の方を早く見たいという方はこの章は読み飛ばしてしまっても結構です。
2.1 新弾のカードの影響
前回のCL宮城の時と比較して、新弾のスノーハザードとクレイバーストが発売したことにより大きく環境が変わりました。その中でも特に環境を変えたカードについて触れていきたいと思います。
・ナンジャモ
まずはこれだと思います。序盤は手札干渉をしつつ6枚ドローの安定したドロサポになり、終盤に相手の手札を1枚や2枚などにして逆転を防ぐ2つの役割が持てる強力なサポートです。今までは手札干渉と言えばジャッジマンやツツジでしたが、ジャッジマンは引ける枚数が4枚で比較的少ないため引きたいものが多い序盤には使いにくいこと、ツツジはそもそも相手のサイドが4枚以上の場面では使えず初手に来た場合に腐りがちなことがそれぞれデメリットとして挙げられました。しかし、ナンジャモであれば序盤から終盤までどこで使っても強いので今までジャッジマンやツツジが入っていた枠にナンジャモが入ってくるだろうと発表当時は予想していました。
しかし実際に使ってみると、終盤の手札干渉をしつつ欲しいカードを探したいといった場面で、自分の手札が少なくなってしまい、次の動きがかなり制限されてしまうことが懸念点として上がってきました。そのため、ナンジャモを無理なく入れることができるデッキタイプには、
・特性などでドローができ、ナンジャモが自分には影響し辛い
・盤面だけで戦うことができる
これらの2点が必要であることがわかりました。要するに、ナンジャモを入れられるデッキは自分自身にはほとんど影響しないことが条件として求められるということです。よって、ナンジャモは思っていたよりは万能なカードではないということがわかりましたが、どのデッキからも序盤から雑に飛んでくる可能性を考慮してプレイをしなければならないという点においては間違いなく環境を変えたカードだと思います。
・すごいつりざお
このカードのおかげ(せい)でロスト軸のデッキがかなり活き活きし始めました。ロスト軸に代表される主に非ルール主体のデッキでは、今までポケモンをトラッシュから回収する手段がクララくらいしかなく、サポート権を使わないとポケモンが回収できなかったため、ツツジ等の別のサポートと同時にポケモンを回収できず苦しい展開になる場面が多々ありました。ロストミラーにおいて、技を打てる状態のゲッコウガを用意しながらロストマインでマナフィを倒し、相手にツツジかクララの2択を押し付ける動きが非常に強力でしたが、このカードが登場してからはツツジを打ちつつポケモンを戻せるためそのような苦しい2択を迫られることもなくなりました。このように、すごいつりざおはロスト系統に代表される主に非ルールを中心としたデッキタイプに対してサポート権を使わずにポケモンを回収できるようになるグッズとしてかなり優秀です。
・勇気のおまもり
通称からあげとも呼ばれていますが、つけるだけでたねポケモンのHPが50増えます。これによりたねポケモンのexやV等がワンパンされにくくなります。HPラインが220のミライドンex等は耐久力も上がり更に強くなりました。また、サーナイトexデッキにおいてフワンテにつけることで、バルーンボムが300点まで出せるようになり(チャンピオンズフェスティバル込みで330)、非常に強力です。しかし、ポケモンの道具であることからこれを意識したツールジャマーやロストスイーパーを採用するデッキが増えることになりました。確かにかなり強い道具ではありますが、使い所は意識しないといけないです。
・リバーサルエネルギー
テキストが長くてややこしいですが、サイドが負けている時に進化ポケモンにつけると有色3エネ分としてはたらくエネルギーになります。これにより、非ルールの進化ポケモンをメインに使うデッキ(サーナイトexやゾロアークバレット等)が強化されました。特にサーナイトexデッキにおいては後攻2ターン目にアルカナシャインのサーナイトにつけることでとりあえず殴ることができ、280以上の打点も狙いやすくなります。序盤の攻撃が心許ないサーナイトexデッキにおいてはこれはかなり大きな強化です。また、同時に登場したレントラーと組み合わせることで、環境に多い雷弱点のルギアやそらをとぶピカチュウVmax等を対策する事もできるので、戦略の幅が広がった1枚です。
・イキリンコex
特性のイキリテイクが強力です。特に序盤に確実にしたい動きがあるデッキにおいて有効に使うことができます。1ターン目に確実に手張りをしなければならないアルセウス系統のデッキや、アーケオスをなるべく早くトラッシュに落としたいルギア系統等が挙げられます。更には、手札が詰まることを防ぐためにミュウVmaxのデッキに入ることもあります。初動事故を防いでくれるいいカードではありますが、場に出すのにボールが必要で、イキリンコにボールを使っているならメインのポケモンを出したいことと、HP160のサイド2枚のポケモンで大いなる負け筋となり得ること等から自分は採用には消極的です。
・パオジアンex、ディンルーex
スノーハザード、クレイバーストのパッケージポケモン達です。パッケージポケモンなだけあってきちんと強いです。
パオジアンexは特性のわななくれいきによって毎ターン水エネを山から2枚持ってくることができます。殴れるたっぷりバケツ。同時に登場したセグレイブと組み合わせることでヘイルブレードで毎ターン高火力を出していくことができるためかなり強力です。水タイプにはかがやくゲッコウガに代表されるように強力なアタッカーが多く、そのようなアタッカーを無理なく使えることも強力な点です。
ディンルーexは特性じゅばくのだいちによりバトル場にいる時に相手のポケモンにダメカンを乗せれば特性を止めることができます。(exは除く)←ここ重要
フライングエントリーのルチャブルやかがやくフーディンと合わせてダメカンをばら撒き、相手を止めながら戦います。幸いにも現環境には特性を持ったポケモンがわんさかいますので常に一定の活躍が見込めるポケモンです。やたら重いエネ要求を無視すればの話ですが。現在のディンルーデッキにはほぼ確実にエネ加速要因としてコライドンexが採用されており、序盤のエネ加速は解決できます。しかし、現環境ではHP240であれば1発で倒してくるデッキも少なくないため、後続の育成が間に合わずにそのまま負けてしまうパターンが多いように思います。エネ周りが解決すればもう少し使われるようになるかもしれません。
・ミカルゲ
最後にミカルゲです。場にいるだけでたねのポケモンVの特性が無くなります。主に該当するのはネオラントVやゲノセクトVでしょうか。何言ってんの?って感じですが、意外と入れられるデッキは限られてきます。アルセウス系統やロスト系統等、自身がVの特性を全く使わないデッキで有効です。これ一枚でミュウやルギアに対して多少有利になるため、無理なく採用できそうであれば採用したい1枚です。
新弾のカードについては以上となります。次は新カードの影響や直近のデッキ使用率等も踏まえ、自分が行った環境考察について触れていこうと思います。
2.2 環境考察
ここからは自分が行ったCL新潟における環境考察について話していこうと思います。自分の使用率予測に基づいたTier表が以下になります。主にTier1のデッキについて説明をしていこうと思います。
①サーナイトex
まず、直近で1番使用率が高いと考えられたのはサーナイトexのデッキです。シティリーグの結果を見ても、上位にはほぼ必ずと言っていいほどサーナイトexデッキがあり、CL新潟においても使用率は高いだろうと予想していました。ただ、サーナイトexデッキも日々形が変化しており、新弾発売初期はおまもりとフワンテを使った型が流行りましたが、それを受けて他の各デッキがツールジャマーやロストスイーパー等のおまもり対策を採用し始めました。その結果、CL新潟直前では従来のザシアンVを採用した型が増加しました。このように形は変化していますが、サーナイトが常に環境の中心でした。環境に悪タイプを使うデッキが少なかったのも影響していると思います。以下参考リストを掲載します。(ポケカブック様より引用)
最後にサーナイトの強みをまとめると、
・リファイン、アルカナシャインによる手札の安定性とそれに付随してナンジャモ等の手札干渉を自然と採用できること
・中盤からの非ルールの押し付けによるサイドレース優位性
・サーナイトexの高耐久、終盤のザシアンVの大火力等
となると思います。特に手札干渉がしやすいことと盤面が整ってしまえば非ルールで大火力が連発できることがこのデッキの強みです。
②ロストバレット
前述したように、環境は主にサーナイトを中心に回っていました。これに対して一定の勝率を担保できるデッキとしてロストバレットが挙げられます。ロストバレットのサーナイトに対する強みは以下になります。
・ウッウによる早い段階でのサイド獲得
・ヤミラミやかがやくゲッコウガによるサイド複数枚取り
これらの要因により、サーナイト側が少し遅れてしまうと盤面が整う前にサイドを取り切られてしまい負けてしまうことも多いです。また、ロスト系統の中でもとりわけ数が多かったのがロストカイオーガです。元々ロスト系統はギラティナ等を採用していない形だとルギアやアルセウス系統などの大物ばかりのデッキに対してかなり不利ですが、カイオーガを採用していればそれらのデッキに対してもアクアストームで勝ち切ることができます。ロストカイオーガの型には主に以下の2種類が存在します。それぞれのデッキタイプについて参考リストを上げながら説明します。
①非Vを軸にザマゼンタを採用した型
②カイリューV+ライコウVを採用した型
①の型は非Vのみで構成されておりサイドレースで遅れを取りにくいのが強みで、ザマゼンタにより大きな打点も出せるため幅広く戦えるのが特徴です。
②の型は元四天王のサイトウコウセイさんが使用したことで流行したデッキタイプで、カイリューVによる序盤からの高打点や森の封印石を採用して安定感を上げロストゾーンを貯めやすくできることが強みです。
③ルギアVstar
最後に先ほど紹介したロスト系統に強く、サーナイトにも互角に戦えるデッキタイプとして、ルギアVstarが挙げられます。ルギアのデッキタイプは主にカビゴン、アヤシシV等を採用した白ルギアと、バンギラスVやイシヘンジン等を採用した一撃ルギアがあります。
白ルギアに採用されているカビゴンは、特性へいきなしぼうによりワザの効果を受けないため、ロストマインを受けることがなくロスト対面においてかなり場持ちのいいアタッカーとして機能します。サイド1枚分でサイドを2枚取れる可能性が高く、サイドレースの面でかなり有利となります。
それに対して一撃ルギアに採用されているバンギラスVはワザのやまなだれでキュワワーやウッウを倒しながら相手の山札を上から2枚削れるため、必要札を落として要求を上げることができます。ロストはデッキの構成上必要札が多いので刺さる場面はかなりあります。ただこちらは白ルギアのカビゴンと比べると運要素が発生するため確実な対策とは言いにくいです。
このようにそれぞれの型のルギアにおいてロストに有利な面が存在しますが、共通して言える強みとしては、盤面がHPの高いポケモンのみで構成されているので倒されにくいことが大きく影響していると思います。CL新潟直前では、ロスト対面の方を重く見てかシェア率は白ルギアの方が多いなと感じました。体感 白:一撃=4:1くらいでしょうか。このことから、CLでの使用率としては白ルギアが多くなるだろうと考えていました。
さて、Tier1のデッキについて長々と解説してきましたが、それぞれのデッキの力関係をまとめると以下のようになります。
これらのデッキが三角関係を形成し、その他のデッキがここに入り込むような環境であると考え、この3つのデッキはそれぞれ15%程度の使用率だと予想しました。これを踏まえてデッキ選択を行いました。
2.3 デッキ選択
先ほどの環境考察を踏まえ、デッキ選択を行いました。デッキ選択で自分が重視したのは以下の2点です。
①サーナイトとロストに有利な要素がある
②プレイングに分岐が少なく、連戦向きである
この2点を満たすデッキとして、自分は一撃ルギアを選択しました。①と②のそれぞれについて一撃ルギアの強みを説明します。
①サーナイトとロストに有利な要素がある
まずはサーナイトに対してです。サーナイトは非ルールでVやVstarをワンパンしてくるため、こちらも非ルールでサーナイトexをワンパンできなければ有利にはなりません。そこで自分は一撃のイベルタルに着目しました。
アーケオスのプライマルターボを使えば一撃エネルギーを3枚つけることは容易であり、一撃エネルギーの加点込みで170点が出るため弱点込みでサーナイトexをワンパンできます。基本的にはルギア側がサイドを先行するため、途中でイベルタルを挟むことでサイドレースを巻き返される前に試合を終わらせることができます。バンギラスVも悪弱点を突くアタッカーとしては優秀ですが、ルギアVstarに比べHPが低いのでワンパンされやすく、サーナイト側に2-2-2のサイドプランを通されやすいのでイベルタルは必須だと考えています。このようにサーナイトに対し手軽に弱点をついていけるのが一撃ルギアの利点です。
続いてはロストに対してです。一撃ルギアがロストに対して有利を取れる点は以下の2点だと考えています。
・ナンジャモ等の手札干渉のしやすさ
・やまなだれの刺さりやすさ
まず手札干渉のしやすさですが、ルギアはポケモンさえ置けてしまえば後は山からエネルギーをつけることができるので盤面のみで戦いやすく、手札干渉は比較的しやすいです。中盤から手札干渉をしていくことで要求を上げ、勝ちやすくなります。
次にやまなだれの刺さりやすさです。環境考察の部分でも触れましたが、環境の多くはロストカイオーガです。ルギアは盤面の総HP量が高いためロストマインだけでは削りきれません。よって、カイオーガを使うことがメインプランになりますが、ロストカイオーガは性質上後半になるにつれて山と手札にカイオーガを決めるための必要札が残るようになります。よって手札干渉+やまなだれで相手の必要パーツを枯らすことで勝つことができます。多少運頼みにはなりますがこちらもかなり有効な手段です。
②プレイングに分岐が少なく、連戦向きである
こちらはいつもCLなどの長期戦の際に自分が重要視しているもので、ロストに代表されるような分岐が多いデッキはその分難しく、対面のデッキによってもプレイングが激しく変化します。以前ロストギラティナをCLで使って疲弊した経験もあり、このようなデッキは自分に向いてないなと感じました。一撃ルギアであれば、大まかな動きは一緒で対面によるプレイングの変化もそこまで大きくないので疲れることなくプレイできます。よって、連戦向きであることも踏まえて一撃ルギアを選択しました。
以上が一撃ルギアを選択した経緯になります。ルギア対面はミラーの練度にそこそこ自信があったため勝てるだろうと踏んでいました。練習してみたところ、環境内のデッキにはほぼ互角に戦えて勝率も高く、環境外のデッキに当たったとしても大抵はパワーでなんとかなることが多かったのでこのデッキに決定しました。次の章からはデッキリストと採用カードの解説について触れていこうと思います。
3.デッキリストと採用カード解説
早速ですが自分がCL新潟で使用したデッキリストがこちらになります。
ここまで読んで頂きありがとうございます。ここから先は有料部分となります。有料部分では、各採用カードの詳しい解説、ルギアのプレイングと各対面との戦い方について触れています。特にプレイングと各対面との戦い方は役に立つ部分も多いかと思いますので是非参考にして頂けると幸いです。
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