大台ヶ原備忘録 西大台編
ルート
お天気は心配していた沢の増水もなく歩きやすい曇り。午前中は時々晴れ間がのぞいて木漏れ日が見えました。
下記は案内を依頼したガイドさんの受け売りです。植物名等に聞き間違いもあるかもしれないので有識者の方はご指摘いただけると嬉しいです。
道中
今日も昨日に引き続き可愛らしい鳥の声があたりに響いていました。ガイドさんに鳴き声をあれこれ教えてもらいました。
あれはなんの鳥ですか?って聞いたらエゾハルゼミとのこと。セミかい。
されるがままの大人しいシュールなカエル
トリカブトといえばドラマの殺人事件で使われる猛毒というイメージがあるが、用法、容量を守れば薬になるとのことで。実際漢方にも含まれているとか。薬も過ぎればなんとやらです。
苔は全世界に約2万種、日本でも約1,700種ある。1つの木、石にも複数種類が集まっています。
中腹にミヤマシキミが群生していた。
この辺でふたたびニホンザルに遭遇
地元の人にはカボチャの木といわれて親しまれている。ミズナラの木についた菌が膨らんでこの形になったのではないかとのこと。
しかし他のはなってないのにこいつだけ膨らんだのはどうしてなんでしょうね。
神話や天皇家に縁深い植物にも出会えました。
イチイの木、別名アララギ。なんか聞いたことあるぞ?!と思ったら仁徳天皇が高官のの持つ正一位のシャクを作らせた木なんだとか。後で調べてみたら北海道の方言でオンコというらしい。
オンコって白秋の「老いしアイヌの歌」に出てくるあの?ナイフで削りやすく道具にしやすい材質だと歴史や作品に多く登場するんですね。
変形菌!かわいい!!幹の右上に写っているナメクジが通った痕を食べておりゆっくり移動中。動物界と植物界の中間に位置する生物。
苔の森へ
やがて今回の旅の目的、観光客に日本庭園と呼ばれている特に苔の密集したエリアに到着しました。
道中で撮った写真も含めて厳選して載せます。鬱蒼とした緑の原生林をご覧ください。
ポツポツと降り出した雨で苔がけぶり、幻想的な風景でした。
この辺でアナグマに遭遇
サンショウウオって写真でしかみたことなかったので衝撃です。実在するのか…
各種情報
興味を持った方へ事前に準備したことをまとめておきます
•3ヶ月前にインターネットで入山申請
申請ページ↓
インターネットで日付を指定して予約後、郵送で入山許可証が届きます。
•1ヶ月前に登録ガイドさんにメールで打診、スケジュール打ち合わせ
•登録ガイドさんを選ぶ
ガイドなしでも入山できますが、景観を守るために目印が最小限となっているため、遭難防止にも自信がなければ依頼しておくのが無難だと感じました。
•入山前日、直前
ビジターセンターにて、動画での事前レクチャー
入山許可証の裏に認定スタンプを押してもらう。
おわりに
大台ヶ原に興味を持ったきっかけは大学時代の研究概論で、大台ヶ原の地域研究をしたことだったので、当地を訪れることは10年越しの夢でした。
当時の私は木の幹を食い荒らす鹿たちを害獣とし駆除することも、人の手を入れないことこそが自然の姿だと割り切ることにも疑問を感じたのですが、実際に訪れてみて環境省、植林ボランティア、観光業従事者の方々、山の所有者の方々、研究者の方々熱心な活動を目の当たりにして、あれこれ言う前に人が手を入れる、100年後を目指して出来ることをやる、時代に託し繋ぐという姿勢が、何かをなすためには結局一番合理的な姿勢なのだな、と納得することができました。
どのみち異常気象や温暖化、戦争など、要素は複雑に絡み合いすぎて、100年後を正確に予想することなど不可能なのです。
ならば、人が手を入れることの是非を問う前に、出来る限りのことをする。コストをかけてでも何かを成したかったら、結局それしかないのです。
ともあれ、来られて本当によかったです。
実りの多い旅でした。
ここまで読んでくださった方はありがとう。
1日目東大台編もあるよ
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