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悟りを開けば馬券は当たる――長柄高校馬事文化研究部活動記録㊼

【4/17皐月賞(GⅠ)回顧】
名騎乗を見せてくれたのは……

璃子「馬券って、欲を捨てた瞬間に当たるもんなんだねえ……」
恵麻「開いてるねえ、悟り。先週の皐月賞の話だよね」
姫「群雄割拠、多士済々の戦況と見て、私たちはなかばやけくそで5頭に絞って取り上げたわけだけど、なんとその5頭のうち4頭で上位を独占。まさに望外の好結果になったわ」
ハヤタ「でもさ、6月からずっと2歳戦、3歳戦を見てきてこれは! って5頭を挙げた結果なわけだから、ちょっとは誇っていいんじゃないかと思う」
璃子「うんうん、そうだよねえ。勝ったジオグリフなんて新馬戦でひと目ぼれした馬だし、こうやって大舞台を制してくれたのは嬉しいよ」
姫「手綱をとった福永騎手の騎乗も見事だったわね。スタートを決めて好位。しかも前のイクイノックス、内のダノンベルーガを見られる絶好のポジションで脚を溜められた。4コーナーもスムーズに外に進路を取って、目標にしたイクイノックスをゴール前できっちりとらえた。完璧な騎乗だったわよね」
ハヤタ「今回のジオグリフ、前走までよりちょっと頭の位置が高いフォームで走っているんだよね。一見フットワークが小さくなりそうだけど、小回りの中山コースではかえって走りのリズムが取りやすくなっていたようにも見えた。この乗り方は福永騎手の工夫だったんじゃないかな」
恵麻「おお……これはなんか、GCで佐藤哲三さんに上半期の名騎乗として取り上げられること確実だね」
姫「哲三さんは現役時代、母のアロマティコの手綱をとっていたこともあって、ジオグリフには注目してるって言ってたしね」
璃子「それにしてもなあ、福永も立派になったもんだよ。福永は初めてのダービーでキングヘイローに乗ってブルってた、って言っても、若い子は誰も信じてくれないんだろうなあ」
ハヤタ「若い子って……僕らも高校生なんだけど」
姫「キングヘイローといえば2着のイクイノックス
恵麻「母の父がキングヘイローだね」
姫「5ヵ月ぶりの出走で大外枠、初の中山コースと決して楽な条件ではなかったけれど、直線では力強く抜け出してきて残り100mまでは先頭。あらためて力を示したわ」
ハヤタ「馬体重はプラス10キロだったけど太め感はなく仕上がってた。最後差されたのも枠順や展開の差だと思うし、決して力負けではないよ」
璃子「語弊を恐れず言えばこの馬ははじめからダービーが本命って感じだったし、ルメールも言ってたとおり『次のレースでは勝てる』でしょ」
恵麻「3着は1番人気のドウデゥース。上がり3ハロン33秒8の脚を使って直線ではよく追い込んできたけど、結果的に位置取りが後ろすぎたかな」
ハヤタ「一部では武豊騎手の騎乗を批判する声もあるみたいだけど……レースのなかでいろいろ状況もあっただろうし、一概に悪くも言えないんじゃないかな」
姫「まあ、ある意味でいちばんダービーにつながる競馬をできたのはこの馬だったとは言えるわね。4着のダノンベルーガも次を意識できるレースだった」
ハヤタ「懸念された中山コースもそつなくこなして、あらためて力のあるところを見せたもんね。とはいえ最内枠でちょっと走りが窮屈そうなところもあったし、やっぱり東京でのびのびと走らせたいなって思った。今回もパドックでの歩様は惚れ惚れするものだったし、ダービーではこの馬がいちばん有力なんじゃないかな」
璃子「おお……! 負けてなお強し、ってことか。あとは体調管理が難しい馬だけに、なんとかダービーまで好調を維持してほしいね。イクイノックスもそうだけど」
姫「当然ジオグリフも2冠を狙えるのよね?」
ハヤタ「もちろん力的には資格は十分にあるよ。ただ2400mとなると体型的に少し長い感じはするかな。福永騎手も言っていたけど、距離をどう克服するかが鍵になるね」
璃子「ジオグリフイクイノックスドウデゥース、そしてダノンベルーガ。1冠目が終わって、そんな四強の構図もおぼろげながらに見えてきた感じだねえ」
恵麻「ちなみに私たちが注目してたもう1頭、デシエルトは残念ながら16着と大敗しちゃったけど……」
姫「スタートでつまずいちゃったのが痛かったわね。前の位置をとるまでに脚を使った感じだし、最後の直線ではもう抵抗する力が残っていなかったようね」
璃子「うーん、これがネットで噂の粗〇の呪いかあ……」
ハヤタ「あはは……。まあ強いメンバーとレースをできたのはいい経験になっただろうし、巻き返しに期待しよう。能力は重賞でも十分に通用すると思うよ」

【4/16中山1R、4/16山藤賞、4/17福島2R回顧】
POGポイントゲットだぜ!

恵麻「先週はありがたいことに、POG指名馬も軒並み好走してくれたんだよね」
姫「まず4/16中山1Rルナエルモッサが2着。ハイペースになって序盤は少し追走に苦労してたようだけど、なんとか好位でついていって直線はしぶとく伸びて2着を死守。期待した馬体重の増加こそなかったものの、脚抜きの良いダートの馬場は合ったようね」
璃子「同じ4/16の中山では9R山藤賞レッドランメルトが2着。折り合い面では苦労もあったみたいだけど、じりじりと伸びてきて2着に押し上げた。先に動いて勝ったローシャムパークとは現状での力差を見せつけられた感じだし、まあ仕方ないかな」
恵麻「そして4/17福島2Rではクリノマジンが待望の初勝利をあげてくれたました! 抜群のスタートから前々でレースを引っ張り、直線でもゆうゆうと2馬身半差をつける快勝。2着は初出走馬で低調なメンバー構成だったから、チャンスをきっちりものにしたね」
ハヤタ「1200mでもスピードを見せられたし、得意の1400mに戻ればクラスが上がってもペースに対応できそうだね。ソエがおさまって本格化すればまだまだやれそう。POG期間が終了しても追いかけてみたい1頭だね」

【4/16阪神11Rアーリントンカップ(GⅢ)回顧】
いよいよ素質開花か

恵麻「先週の3歳戦注目のレースといえばあとは、アーリントンカップかな。ここはダノンスコーピオンが1番人気に応えて差し切った」
ハヤタ「馬体重こそ大きな変動はないもののデビュー当時より体が締まってきた印象で、ロードカナロア産駒らしい筋肉の繊細さやバネが目立ってきた。道中、馬群のなかで我慢もできたし、こういう経験値は大きなレースでも力になると思う」
姫「着実な成長を感じさせるというわけね。もともと素質を高く評価されていた馬だけど、前哨戦の勝利で名実ともにNHKマイルカップを狙える位置にきたと言えるわね」

【4/24東京11RフローラS(GⅡ)展望】
東上最終切符を狙う2頭

恵麻「桜花賞、皐月賞と大一番が続いて、今週はGⅠもひと休み。とはいえ4/24には東京でオークストライアルのGⅡフローラステークスがおこなわれる。私たちのPOG指名馬、マイシンフォニーも出走するよ」
姫「未勝利脱出までに4戦を要し、前走は桜花賞出走を狙ってフィリーズレビューに格上挑戦したものの追い込み届かず4着。ここは再度格上挑戦でオークスへの『東上最終切符』を狙うわ」
ハヤタ「体型を見ると肩が少し寝ていて胴にも伸びがある。1600m以上は欲しい印象で、前走の1400mからの距離延長は歓迎だと思うな」
璃子「ただ反面、この馬はかかり癖があるから、折り合い面では距離が延びて心配もあるよ」
恵麻「1400mから一気の距離延長にもなるから余計にね。厩舎や武豊騎手もそのあたりは分かってるから対策はしてくるとは思うけど、こればっかりはレースが始まってみないとわからないかも」
姫「左回りに関してはどうなのかしら? いちおう東京と中京でともに4着だけど」
ハヤタ「特に回りの不安は聞こえてこないから、それほど心配はしなくていいんじゃないかな」
恵麻「あとは馬場状態だね。切れ味が武器の馬だけに良馬場でやりたい。未勝利脱出が遅れたのも雨にたたられた面が多分にあるからね……」
璃子「ここを突破できればオークスでも楽しみがありそうな馬だけど、もろもろの戦況を考えると半信半疑ってところか。期待度としては75%くらいかな?」
姫「そうね。そして今回、最大のライバルになりそうで、私たちも注目している馬がラスールよ」
恵麻「阪神大賞典を制したシャケトラの妹で、父は新種牡馬のキタサンブラック。血統的にも注目されている1頭だよね。ここまで3戦2勝。デビュー2戦目で挑んだシンザン記念では7着と結果が出なかったけど、前走は牡馬混合の1勝クラス戦を勝ちあがって、今回はあらためての重賞挑戦となる」
璃子「勇退した藤沢和雄厩舎から宮田敬介厩舎への転厩初戦ってことでも注目されてるよね。転厩早々で重賞制覇なるか」
ハヤタ「可能性は十分だと思うよ。柔軟性に富んだ筋肉でバネがある肩の角度も良くてストライドを伸ばせる体型だし、東京コースも合うと思う」
姫「今回は鍵は距離になりそうね。デビュー以来ここ3戦はすべて1600m戦で、今回は初の2000m戦となる。シンザン記念のパドックではチャカつく素振りも見せていたし、この馬も折り合い面では心配がありそう」
璃子「距離延長は大歓迎とは言えなそうだね。ただこの馬だって勝ち方次第ではオークスでの有力候補に躍り出る。期待度はマイシンフォニーと同じく75%くらいだね」

【4/17福島9R雪うさぎ賞展望】
残り目くらいなら

恵麻「来週はもう1頭、POG指名馬の出走があるね」
姫「4/17福島9R雪うさぎ賞に出走するバーニングアイズね」
璃子「下校時刻も迫ってるし、見解は簡単にいこうか。1勝クラスに上がってから17着、10着と振るわない結果が続いてるけど、今回はどうなの?」
ハヤタ「ローカル戦なら1勝クラスでも通用してきそうな雰囲気はあるけどね。前走あたりは相手も強かったし仕方のない面もある」
璃子「福島芝1200mは未勝利勝ちした舞台。逃げが身上の馬だし、今回もうまく先手をとれれば残り目くらいは期待できるかも……? 期待度は、うーん、50%!」
姫「まさに半信半疑ね。POGも佳境だし、すこしでも上位に残ってポイントを加算してほしいところだわ」

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