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こういうのでいいんだよ――長柄高校馬事文化研究部活動記録51

璃子「概要:競馬学校騎手過程を舞台に、未来のトップジョッキーを目指して奮闘する少年少女たちの青春群像劇。
登場人物
主人公:プロ野球選手を目指し野球に打ち込んでいたが、中三の大会で敗れ夢を断たれた少年。目標を失い、失意の中にいたが、恩師の勧めで騎手を目指すことになる。負けず嫌いで直情型。運動神経に優れる一方、座学は苦手。競馬学校入学まで乗馬経験はなく、競馬の知識も皆無。群馬県出身。母子家庭。
主人公の同期①:父は往年の名ジョッキーで調教師としても関西の大御所、兄も現役のトップジョッキーという競馬一家に生まれた少女。みずからも騎手を志すも、競馬学校への受験には一度不合格となり、一年間の高校生活の末、再受験で合格を果たす。負けん気が強く高飛車な態度を取るが、実は精神的にもろい面がある。ややブラコン気味。競馬の「素人」である主人公とはなにかとぶつかりがちだが……? 容姿端麗な女性騎手候補生でマスコミからも注目を浴びる存在である一方、「親の七光り」「コネ入学」などと陰口を叩かれることもあり、内心傷ついている。滋賀県出身。普段は標準語だが、気が高ぶると開催弁が出てしまう。
主人公の同期②:実家は北海道で競走馬生産牧場を営む。ジョッキーベイビーズで優勝経験があり、入学時点で騎乗技術は同期のなかでも抜きんでている。ストイックな性格で、周囲との馴れ合いをよしとしない。自分にも他人にも厳しく、一部の同期生からは疎んじられている。主人公も最初は気が合わないと感じている。実は体格の問題で体重調整に苦しんでいる。
主人公の同期③:東京都出身。かなりの競馬オタクで愛読書は競馬四季報。小学生にしてJRAの全現役馬の成績をそらんじることができた。競馬学校は記念のつもりで受験したがなぜか合格してしまった。柔和で優しい性格。周囲に気づかいができる反面、気弱な性格が騎手に向かないのではないかと教官から心配もされている。乗馬未経験者で訓練で主人公と一緒になることが多く、親友となる。座学では学年トップの成績を誇り、主人公に勉強を教えたりもする。
盛り込みたいエピソード
・中三の夏、野球の試合で負けた主人公。失意の底にいたとき、恩師から騎手の道を勧められる。最初はあまり乗り気ではなかったが、恩師とともに訪れた競馬場でレースを観戦、その迫力に圧倒され、騎手を目指す決意をする。興奮のあまりメインレースに勝った天才ジョッキーに対し大声で宣戦布告。楽しみにしているとスマートに返され、周囲のおっちゃんたちからは暖かく揶揄される(第1話)
・競馬学校の受験当日。試験会場までの道のりや、学科試験・身体機能検査の様子がリアルに描かれる。のちに同期となるキャラクターたちの姿も見える。学科試験の手応えが悪く、愕然とする主人公だったが、なんとか合格。母親に送り出され、競馬学校の門をくぐる(第2話)
・入学式。取材も入ることに驚く。授業が始まる。乗馬未経験でどのようなカリキュラムが組まれているのか、授業や競馬学校での生活がリアルに描かれる。
・茶道の授業がある。がさつな主人公は辟易。
・乗馬初心者のため落馬を繰り返す主人公。無意識に馬を怖がっていると指摘され、ショックを受ける。しかし周囲からのアドバイスを受け(変に解釈し)、馬との信頼関係を築き、困難を克服する。
・厳しい体重制限。甘い物目当てにこっそり寮を抜け出し、近所のコンビニへ入ると、自分たちの顔写真が指名手配犯のように貼られている。
・厩舎実習。ブラコンを発揮する同期、有名馬や騎手、調教師、はては新聞記者にまで目を輝かせる競馬オタクの同期。主人公はトラブルを起こさないか心配されていたが、野球をやっていたため礼儀はしっかりしている。プロの仕事の凄さを見せつけられる。
・模擬レース。参加が予定していた若手騎手が直前の怪我で乗れなくなり、かわりになんとあの天才ジョッキーが……?
というわけで、これが私たちが見たい『群〇のファ〇ファーレ』企画案でした」
恵麻「こういうのでいいんだよね」

【POG指名馬回顧】
全部J〇Aのせいだ。

姫「あんたたちはまた、J〇Aを敵に回すようなことを長々と……」
璃子「だってさあ、J〇Aさんが関わる競馬エンタメ、いっつも絶妙にハズしてくるんだもん。『元国民的アイドルが一念発起して騎手を目指す』とか、いったい誰の胸を打つ設定なの? っていう……」
恵麻「日本でこの設定に自己投影できる人、元SM〇Pの森くんくらいのもんだよね」
姫「J〇Aさん側にもいろいろあってああいう設定になったんでしょうよ。いや、J〇Aさんのせいなのかもわからないけど……」
璃子「ま、先週POG指名馬が勝てなかったのと、ダービーデーの指名席の抽選に外れた腹いせってことで。微力ながらこうして競馬の普及に精を出している私たちに対してこの仕打ち……そりゃJ〇Aさん、咬みつかれますよ!」
姫「そういうことを言ってるから当たらないのでは……」
ハヤタ「えと……これ以上放っておくと危なそうだし、とりあえず回顧に入っちゃったほうがいいんじゃ……」
姫「そうね……。まずは5/14中京4R未勝利戦フォーブス。1番人気に推されるも、直線では伸びあぐねて4着まで」
ハヤタ「大外枠だったし、重馬場になって少し走りづらそうだった。軽い馬場なら巻き返せると思うけど……」
璃子「例年どおり京都開催だったらなあ。J〇Aさんが改修工事とかするから……」
姫「……5/15東京1R未勝利戦フレイムジョーカーも10着と振るわなかったわ。出たなりの競馬をした感じだったけど、結局追走で手一杯になって直線ではジリジリになってしまったみたいね」
ハヤタ「1400mだと少し忙しいんじゃないかということで、また距離を延ばすことも検討しているみたいだね。うーん、なかなか適性が見えてこない」
恵麻「そうだよねえ。J〇Aさんが1500mとか絶妙な距離のレースを用意しないから……」
ハヤタ「えーと……5/15東京5R1勝クラスレッドランメルトは2着! これは頑張ってくれたよね!」
璃子「とはいえ7頭立ての2着だしねえ。平場だし、勝たなきゃ。道中3番手からなんとか折り合って進めたけど、途中でハナを奪ったエピファニーに押し切られた。レーン騎手の好判断だよ。J〇Aさんが短期免許を出したばっかりに……」
姫「……5/15新潟9Rはやぶさ賞バーニングアイズは今回も果敢に先手を奪いにいったけれど、早々に息切れしてしまってずるずると後退。結局最下位でのゴールとなってしまったわ……」
ハヤタ「懸念していた馬体重がマイナス2キロ。デビュー以来もっとも少ない馬体重で、見た目にも腹線がギリギリだった。今回はエネルギー切れという感じだったよね」
姫「直線1000mも意外と合わなかった印象だわ。テンのダッシュがあるといっても、この馬にはコーナーで息を入れられるコースのほうが合っているのかもしれない」
璃子「新潟なんて栗東から遠い土地に競馬場作られちゃったら、そりゃ輸送で馬体重も減るってもんだよ」
恵麻「しかも千直とかいかにもな甘い罠まで用意してねえ……ホント」
璃子・恵麻「全部J〇Aのせいだ」
姫「ホントそろそろ怒られるわよ、あんたたち……」

【5/22東京1R未勝利戦展望】
短期免許を出した責任をだね……

姫「……ったく、バカなことばっかり言ってないで、今週のPOG出走馬を見ていくわよ。5/22東京1Rクルールデュヴァンが出走するわね」
璃子「これはさすがにチャンスでしょ! 前走は相手が強すぎただけ。同じ牝馬限定のダート1400mなら今回は問題なく差し切れるメンバーなはず」
恵麻「レーン騎手が継続騎乗だしね。今回は結果で応えてくれるでしょう」
璃子「むしろ勝たなかったらレーンのせい」
ハヤタ「まだ言ってる……」

【5/22東京11Rオークス(GⅠ)展望】
3歳牝馬の頂上決戦!

璃子「さて、それではお待ちかね! オークスの展望にいってみよう。今週はいよいよオークスかあ」
姫「東京競馬場芝2400mでおこなわれる、牝馬限定のGⅠレース。言うまでもなくこの世代の『樫の女王』を決する一戦よ。ほとんどの馬にとって初めてとなる2400mの長丁場を克服できるかどうかが各馬の明暗を分けそうね」
恵麻「私たちのPOG指名馬の出走は……残念ながらなし。というわけで今回は、有力馬を何頭か取り上げてハヤタ君に馬体面の解説をお願いしようか」
璃子「つまりこれで外れたら全部ハヤタのせい……?」
ハヤタ「変なプレッシャーかけるのやめてもらっていいかな……」
姫「まあ気楽にやりなさい。まずは桜花賞を勝って2冠を狙うスターズオンアースからかしら」
ハヤタ「そうだね……背中が短く、胴もやや詰まり気味。首差しの長さを見ても、2400mがぴったりとはあまり思えないかな」
恵麻「おおっと、いきなり辛口だねえ。となると、今回は厳しい競馬になりそうなのかな?」
ハヤタ「楽に勝てるというわけではないのはたしかだろうね。ただ胸が深くて心肺能力が高そうだし、同世代の牝馬同士ならぎりぎり距離はしのげるかもしれない。それとお尻のかたちが平尻に近い面もあって、瞬発力と持続力を兼ね備えていそう。直線の長い東京コースはぴったりなんじゃないかな。仕掛けどころを間違わなければ好勝負になっても驚けない」
姫「ドゥラメンテ産駒は大舞台に強いイメージもあるしね。あとはルメール騎手が大外枠をどう克服するか」
璃子「桜花賞馬が絶対でないとすると、桜花賞で敗れた組にもチャンスがある。いちばんの注目はやっぱり、その桜花賞で1番人気に推されながら10着にやぶれたナミュールかな」
ハヤタ「この馬は一見、スターズオンアースとも似た体型だけど、あちらよりも肩の角度が寝てる。そのぶん、距離の融通はより利きそうな気がするんだよね。420キロ台と小柄な体格だけど、1週前の立ち写真を見るかぎり、毛ヅヤや体のハリがよくなって、皮膚感は薄いのにふっくら見せる点も好印象。当然、有力候補の1頭じゃないかな」
姫「血統的には母父ダイワメジャーというのが距離面で不安でもあるけれど……巻き返してきておかしくないということね。ほかに桜花賞組で距離延長を味方にできそうな馬はいるかしら?」
恵麻「サークルオブライフは外せないよね。桜花賞は4着も、もともとオークス向きと言われていたし」
ハヤタ「うん。胴伸びがあって、力強さも十分。2400mでタフな競馬になればここでは他を圧倒してもおかしくない。反面、超スローペースで極端に上がりの早い決着になると、他馬に遅れをとるかもしれない。そういう勝負で巻き返してきそうな筆頭がプレサージュリフトかな」
璃子「前走の桜花賞は11着と敗れ、連勝が途切れた。GⅠの壁にぶつかったという見方もできるけど……」
ハヤタ「たしかにその点は心配だね。ただこの馬も肩が寝ていてストライドが大きそうだし、皮膚も薄くて切れ味はこのメンバーでも上位だと思うんだよね」
璃子「2戦2勝の東京コースに戻って一発を期待といったところか。前走2着のウォーターナビレラ以下、ほかの桜花賞組は距離面で不安が大きそうだよね……となると別路線組に目が行く」
恵麻「トライアルのフローラSを勝ったエリカヴィータとか?」
ハヤタ「うん。この馬は無駄肉のないシャープな馬体で、距離延長も心配なさそうだよね。あまり細くなりすぎるのも嫌だけど、背中の短い瞬発力タイプだし、好位からスパッと抜け出すイメージは十分湧いてくる
璃子「あとは今回はなぜか田邊騎手から福永騎手に乗り替わりになってる点をどう考えるだけど……さて、吉と出るか凶と出るか」
姫「別路線組では忘れな草賞を勝ったアートハウスも注目を集めているようね。新馬戦では阪神の2000mで牡馬の評判馬を破って快勝。デビュー時から一貫して2000m戦を使われてきていることからも、最初からオークスを狙っていたことはあきらか」
ハヤタ「脚が長くて、首差しや胴も短すぎない。たしかに中距離向きの馬体だよね。腹袋もあってお尻も平尻気味の面があるから、持続力がありそう。ペースが流れてスタミナを問われる展開になると強みが活きそうだよ」
姫「なるほど。ペースの鍵を握りそうなのは、パーソナルハイニシノラブウインクあたりかしら。パーソナルハイは矢作厩舎と吉田豊騎手のタッグで、いかにも大逃げでアッと言わせる展開を狙っていそう」
ハヤタ「ニシノラブウインクも胴長で持続力がありそう。能力的にはほかの有力馬に譲りそうだけど、前に行って粘りに粘るかたちをつくれれば、しぶとく上位に残っていても不思議じゃない」
璃子「ふむふむ。決戦の構図は見えてきたね。王道の瞬発力勝負となれば桜花賞馬スターズオンアースが迎え打つ立場も、ナミュールプレサージュリフトが逆襲を企てる。距離延長に勝機を見出しそうなのはサークルオブライフ。別路線組のエリカヴィータアートハウスも虎視眈々と王座を狙う。パーソナルハイニシノラブインクの残り目にも警戒が必要……。いずれにせよ、2022年6月8日のブルーレイ・DVD第1巻の発売を待つまでもなく、ターフでは乙女たちの熱いドラマを見せてくれそうだ」
恵麻「ホント、こういうのでいいんだよね」
ハヤタ「申し訳程度のパッケージ宣伝……」

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