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はじめの一鉢。「しのぶれど」との出会い

最近、家の庭で植物を育て始めました。

たまたまホームセンターで薔薇を発見し、それがずっと惹かれていた薄紫色の薔薇で、4000円ほどで高かったのですが買ってしまいました。

他人の庭で、たまに見かけては別世界のものと憧れていたあの花。しかし、商品としての苗木を目の前にして、決して手の届かない高嶺の花ではなく、買いさえすれば私の家でも花を咲かせることができる!と気づいたのです。

また、品種名が「しのぶれど」という点にも惹かれました。スマホで調べてみると繊細な花びらがたおやかに身を開き、美しい八重咲きの花でした。周囲に置かれた他の苗木の品種名はほとんどがカタカナ。そんな中、ひとりぽつねんと古風な名を響かせてひっそりと佇むその苗木が、スマホで見た画像のイメージと共鳴して、とてつもなく魅了されてしまったのです。

とは言っても4000円。まさか薔薇がこんなにするとは。ひとまずは心に留め、この気持ちを一晩寝かせてから判断しようとその日は退散しました。


翌朝。やはり買うことに決めて午前中のうちに再びホームセンターへ。商品を目の前にしてしばし逡巡したものの、後ろに人が控えていたのでついに「しのぶれど」を手に取りました!

しかし、私が「しのぶれど」を手にした途端、後ろに控えていた女性がその場から立ち去ったのです。

もしかして、あの女性もこれが目当てだった?真っ直ぐにここへ来たから、彼女も迷った末に決意して再び足を運んだのかもしれない。もしそうだとしたら申し訳ない気持ちで胸が少し痛みましたが、同時にこの一株との運命も強く感じました。

たまたま見かけ、たちまちに惹きつけられ、ついには購入するに至った薔薇「しのぶれど」。これも一期一会の出逢い。大切に育てようと心に決めました。


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