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『共働き、配偶者の万一に備え』


遺族年金、夫婦で金額に違い

「夫か私に万一のことがあったときの備えは十分だろうか」。
収入で重要なのが遺族年金。
夫婦のどちらかが死亡した際、残された家族の生活を保障する公的制度だ。給付する年金は「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがある。

遺族基礎年金
 国民年金加入者が亡くなった場合、18歳未満の子がいる配偶者または子供が受け取れる。
 受給期間は
  子が18歳になるまで。
 受給額は
  年795,000円の基本額(23年度)+228,700円(子供1人当たりの年額/第2子まで。3人目以降は76,200円)

遺族厚生年金
 故人が会社員や公務員などで厚生年金に加入していたら、さらに遺族厚生年金を受給できる。
 対象は妻、子のほか妻が死亡したときに55歳以上の夫など。
 夫が55歳未満なら子に支給される。
受給期間 
 妻  終身
 子  18歳になるまで
受給額
 故人の老齢厚生年金(比例報酬部分)に3/4を掛けた額。
※遺族基礎年金、遺族厚生年金とも遺族の年収がが850万円以上の場合は支給対象から外れる。

①夫が死亡すると

前提として、同い年の会社員夫婦のどちらかが35歳で亡くなるケースで試算
夫:35歳 年収/560万円
妻:35歳 年収/310万円
子:3歳

妻は遺族基礎年金と遺族厚生年金で月/133,000円を受け取れる。
 遺族基礎年金は子が18歳になったあとは支給されないが、遺族厚生年金に
「中高齢寡婦加算」が上乗せされる。妻は65歳になるまで49,000円を受給できる。

②妻が死亡すると

遺族基礎年金は夫が死亡した場合と同じ月/85,000円。遺族厚生年金は妻の死亡時に夫は35歳のため、受取ることができない。代わりに子に月/26,000円が支給されるが、子が18歳になると終了する。

③それぞれのケースで遺族が受取る総額

 妻は65歳までに4,168万円
 夫は65歳までに2,016万円

 結果・・「妻が亡くなる場合の保障は薄い」

支出の見込み額を出す際に注意すべき点は

①毎月の生活費は子が独立するまで現在の7割程度で計算するのが目安

 夫婦のどちらかが亡くなっても、食費や水道高熱費などが半分になるわけではない。
 教育費は子の進路によってはケース・バイ・ケース。
  小学校から大学まですべて国公立なら1人当たり約1000万円。
  中学校から大学まで私立なら2000万円弱が必要となる。

 住居費も賃貸なら現在の家賃を基に試算する。
 マイホームは住宅ローンを組む時に団体信用生命保険(団信)に原則加入する。ただし夫婦それぞれが借りる「ペアローン」の場合、団信の対象になるのは故人の債務のみ。

②配偶者の死亡に備える保障額の考え方の例

収入の見込み額

  • 遺族年金

  • 企業年金

  • 死亡退職金

  • 貯蓄・金融資産


支出の見込み額

  • 生活費

  • 教育費

  • 住居費

  • 葬儀・予備費

『収入の見込み額』-『支出の見込み額』=赤字【必要な補償額】

③必要な補償額を生命保険で

 死亡保障を厚くするひつようがあるなら、生命保険が一案になる。
 
 定期保険
 保障の期間が10年や20年などと決まっており、期間を過ぎても生きていれば保険金は出ない。保険料も掛け捨てになるのが一般的。

 終身保険
 保障が生涯続き、途中で解約しても解約返戻金を受け取れる。保険料は定期保険に比べて高い。

 収入保障保険
 最近利用者が増えている。契約の満期まで毎月定額の保険金を給付する。被保険者が死亡するのが早ければ保険金の総額は多く、満期に近いほど少なくなる。その分保険料は抑えられるのが特徴。

結論

収入保障保険があれば、月々の就労収入と遺族年金にプラスして生活を支える収入が増える。支出を上回る分を老後資金の貯蓄などに充てるのがいいのではないか。



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