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PICO Motion Trackerを他のフルトラとVRChatで比較!よい点悪い点をまとめてみた!今後フルトラの勢力が変わる革命デバイス!!(その1)

PICO Motion Trackerとは?

 PICO Motion Trackerは、PICO 4 UltraとPICO 4、PICO 4 PRO、PICO Neo 3ユーザーの一部Picoシリーズでのみ使用可能なフルトラデバイスです。9軸IMU方式と赤外線方式を併用したタイプとなっております。当然ながら、PICO専用のため、Questシリーズは、Meta社のデバイスのため、使えません。

pico motion tracker(両足分)

フルトラって何?最大の特徴は?

 最大の特徴は、足首にトラッカーを2つつければ、ヘッドマウント単体ではできなかった、体全身を使ってアバターを操作する技術、通称「フルトラ」が可能になる点です。従来までのIMU方式(磁気慣性方式)でのフルトラでは、腰のトラッカーをつけなければ、うまく追従できなかったのですが、今回、それが必要がなく、AIによる推定等で対応している点が最大の特徴です。
 フルトラやIMU方式の詳細や特徴は、下記記事をご確認ください。

 今回、PICO Motion Trackerを自腹で買って、4個(2セット)入手しましたので、2個の場合と、3個の場合の感想を簡単にまとめたいと思います。


PICO Motion Trackerの重量やスペック

ベルト込みで39gです。台座込みの本体は、Unimotionより小さいように見えますが、実際は少し大きく、重さもそこそこあります。ただ、ベルト込みの重さなので、ベルト含めると他よりも圧倒的に軽いです。右と下に記載されている目盛は1センチです。

各トラッカーの重量

PICO Motion Tracker自体は、9軸IMU方式と赤外線方式を併用したタイプですが、赤外線はHMDから検出するためのものなので、主に9軸IMU方式であるUnimotionやHaritoraXワイヤレス(以下ハリトラワイヤレス)と比較するものとします

PICO Motion Trackerの設定

設定についての詳細は、以下の記事で書いていますのでご確認ください

従来のIMU方式のフルトラデバイスと比べ、セッティングが非常に簡単で、HMDの設定をのぞけば、5分位で完了します。

PICO Motion TrackerでのVRChat上の動きの一例

まず、動きの一例を紹介します。こちらです。従来のIMU方式には、必ず発生していた横滑りする現象(ドリフト)が少ないのが特徴です

他のフルトラデバイスと比較した場合

対して、他のフルトラデバイスの動きを紹介します。左から3番目のVIVEトラッカーの動きが実際の動きとほぼ同じなのですが、他IMU方式はずれたりしていることがわかります。VIVEトラッカーと他IMU方式の動きの誤差は大体5倍~10倍くらいで、この誤差は没入感や利用者のメンタルに大きな影響をあたえます。

UniSlimeやViveTrackerと比較してみた

動きだけ見ると他のIMU方式(UniSlime:UnimotionのSlimeVR版で公式非サポートのため注意)と比べて、ドリフトなどが全くないので素晴らしいと思いがちです。しかし、膝などが追従していませんし、腰が若干遅延しています。トラッカーがないところに関しての追従は甘いです

また、IMU方式特有のズレがリアルと5センチほどあるのですが、置いといて、いくつか弱点もあるので、それを踏まえて、今回のデバイスの良い点、悪い点を紹介します

PICO Motion Trackerのここがいい

・11000円で足の動きを再現できるのは安い。
・とにかく楽に初期設定ができ、キャリブレーションも非常に楽にできる
 ➡キャリブレーションは、正面を数秒見たのち、下のトラッカーを見るだ   
  けです。
・足首に二つ巻くだけで長時間(メーカー25時間)使える
・足に関しては、キャリブレーション1回で、基本決まった位置に来る。
・足と手、頭以外はAIとカメラやトラッカーからの赤外線等を利用して
 位置を取得しているのでトラッカーをつける必要がない
・Pico単機起動➡PCVR➡Pico単機起動となっても、キャリブレーションや設定が不要。そのため、Pico単機起動のフルトラには最適で設定も楽
・座った状態、胸のひねりといった表現も再現できており、没入感を主に
 味わいたい人に向いている

・10分間ほど毛布を掛けてVR睡眠しても、ほぼ同じ位置をキープしている


PICO Motion Trackerのここがダメ

・ハリトラワイヤレスやユニモーションと比べると、動きの再現性はまだ低い。
・膝を使った表現に弱い。特に膝を上げる動作の表現が弱く、トビ膝蹴りといった腰上の膝表現が再現できない。膝はひざより下に来る動きは再現できている。
下の動画は、リアルで膝蹴りで胸ぐらいに置いたコントローラを実際に蹴っているのですが、反動で手が動いているにも関わらず、腰より上の足の動きが再現できていない様子を表しています。武道の膝蹴りといった表現をしたい方には現状向いていないと思います。


・椅子に座る系の腰の追従はできるが、地面にぺたんと座ったり、何かにななめによりかかったときの腰の追従が全般的に甘い。
・HMD側から見て、膝で足が隠れた状態の時、膝が上がるのを認識しずらい。下の動画の30秒以降は、膝や太ももで足が隠れた状態のまま、足を上げています。本来腰上より上げているのですが、上がっていません。

・HMDを外したあとの挙動が怖い

・腰の追従が若干遅れる。
・HMDはPicoの一部シリーズのみ対応。Questは当然ながら非対応です。

おすすめポイント

初心者さんだけでなく、ドリフトや設定のわずらわしさから解放されたい人にお勧めです。

 現時点では3点しかトラッキングポイントがないため、動きの再現度はどうしても、ハリトラワイヤレスやユニモーションには及ばないところがあります。それでも、IMU方式のフルトラデバイスをやめる最大の要因である、キャリブレーションや設定の手間、ドリフトなどがかなり少ないため、おすすめできます。

フルトラデバイスの価格と動きの再現度の比較表

今回、トラブルの少ない&動きの再現度は、動きの再現度を優先して、Picoは下にしているがトラブルの少なさは圧倒的にUnimotion及びハリトラワイヤレスを超えるので、トラブルの少なさを優先させる人にはお勧めです

その他3点をつけた動作や、PICO単機起動のフルトラの動作はこちらをご確認ください

PICO Motion Trackerは現状3点まで、腰を追加でつけることができます。
3個つけると寝た時の姿勢や膝周りの動きなどが大幅に改善しております。

3個使った場合の動き、単機で起動したときの詳しい動きの実例や詳細は、以下の記事で書いています。

また、フルトラの何がおすすめでどうやってはじめればよいかを紹介している記事がこちらになります

続き(その2)はこちら