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父、はじめての家出

昨日から自分の日記を見て確認していたのだが、この事件があったのは入れ歯を壊した後でなく、その前であった。そしてこの夏、いろいろな事件が起こるのであった。父の家出は、2016年4月20日のことだった。この頃は、母の介護先も安定して、わたしも介護のため失職して間もない頃だった。

コロナ渦のいまなら出来なくなっているだろうが、その当時はできてしまったのだ、父の家出。その片棒を担いでしまったわたしではあったが、自分のなかではホッとしたような、それでもこれで良かったのかと考えることもあった。

きっと自分の建てた家を出ると言うのは、父としては忍びなかったような気もする。でもケアマネさんの配慮もあり、ショートケアだけども緊急で利用することができた。実家から程近く、わたしも通える距離であった。着替えもなく、何もなく身体ひとつで入所した父は、次の日、面会に行くと、以前の利用者さんの残していった着替えを借りていた。残していったと言うのは、遺されたと言うことだ。そのとき、わたしも違和感はあったが、仕方ないとしか思えず、父も気はしていないようだった。ほんの2日間その生活だっただからか、仕方ないと思っていたのだろうか。

ひとつの従来型の特養に2日間お世話になった。そしてその後、ユニット型の施設に入ることになった。ユニット型は、共同生活とは言え、父にとっては考える時間もでき、いろいろと思うところもあったのだと思う。ほぼ1週間を経たころ、我に返ったのであろうか?父は「家に帰りたい。」と言いだした。

予測はしていたのだ。「家に帰りたい。」と言い出すことを。

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