-書評-地球の未来のために僕が決断したこと(ビル・ゲイツ)

普段環境関連の本はなかなか読まないのだが、今日だけで複数の環境関連のニュースもあり改めて読んでみた。一時のブームと考えられなくもないが、少なくともESG部門だけではなく、CFOやCEOのアジェンダとなってくるであろう。個人的には、J-SOXなどと同じようにまたコーポレートも事業部も定型的にやることが増えた・・ということにならなければいいと思うが・・
・NTTが3000億円の環境債を発行(→企業の資金調達動向に影響)
・CO2排出量・損失影響を3000者に開示義務(→排出量をどう測定する?という問題から、これをどう減らしていくか?/開示するのか?というテーマ)

さて、本題の書評。この手の本は退屈なものが多い印象だが、この本は読みやすい。構成が論理的でデータに基づいており、かつ語り口も平易で事例も多いことからだろう。

また、何せ著者(ビル・ゲイツ)が以前からこの問題に取り組んでおり、机上だけでなく、実際に投資するなどして実践的な知識が豊富であることもあるだろう。

以下、今後も役に立ちそうなことをメモ。

CO2排出の内訳 (全体510億トン/年)

全世界のCO2排出はざっくり以下の内訳で、単純にすべてを太陽光にしたからと言って全体の27%、すべてをEVにしても16%(厳密には電気を作るのにCO2を排出するとEVにしただけでゼロになるわけではないが)ということ。全体感を知ることは、議論する内容がどれくらいインパクトがあるのかを見るうえでとても重要だ

・電気を使う(27%)
・ものをつくる(31%)
・ものを育てる(19%)
・移動する(16%)
・冷やす・温める(7%)

※豆知識として、全世界の牛(10億頭)がゲップで排出するメタンは二酸化炭素換算すると20億トン/4%を占めるらしい。。この排出量削減のために品種改良やワクチンの開発も行われているらしい

CO2排出の関連性

電気を使って、移動する
電気を使って、冷やす
排出をやめる
消費量を減らす

すそ野が広い

この排出量削減のために品種改良やワクチンの開発も行われているらしい。また植物由来の肉や昆虫食などもこの流れではあるかも。

木を植えよう、というような思い付き対策のインパクト

1本の木が40年間で吸収できるのは4トンであり、あまり効率の良い方法ではないこと

私たちが日々の生活で意識すること

消費量を減らす。食べ物も乗り物も家電を使うのも、すべてその製造と利用がCO2排出と関連している。その意味で私たちが日々の生活で意識してできることも多い(影響は小さくても)。食べるだけ買う、移動は徒歩や自転車も意識する、電気の節約に心がける、など。

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