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「壊れを出してナーフする」がビジネスモデルと化していませんか


まえがき

筆者はTCG・DCGは遊ぶけどシャドウバース(以下シャドバ)には手を出してません。完全なる外野なのですが、それでもフォロワーから流れてきたナーフのお知らせを見て、1カードゲーマーとして「流石にどうなのよ」と思ったので僕なりの考えを書き連ねます。ただの僕の邪な妄想だったらいいなという思いを込めて。

(シャドバのシステム周り等断片的な知識を基に書いているため、間違っていたらご指摘ください)


今回シャドバで何が起きたか


要約すると

新カードがぶっ壊れだったのでリリースから2日でナーフ(下方修正)が発表された。


ナーフそれ自体はもはやDCGプレイヤーにとっては特段珍しい出来事ではないかと思います。
が、世に放たれて2日という早さはあまりにも異例でしょう。
そんなレベルの壊れは内部テストで洗い出されて然るべきであって、
そうならずに世に放たれたのはよっぽどの理由があるか、何か運営側の思惑があるのではと邪推してしまいます。


シャドバのカード入手システム


本題へ入る前に、シャドバのカード入手システム周りをざっくり見てみましょう。
知ってる人は飛ばしてOK。

シャドバにおいて、ユーザーがカードを入手する方法は大きく分けて

1.パックを開封する
2.レッドエーテル(以下エーテル)で任意のカードを生成する

の2通りがあり、これは他DCGと比べても特段珍しい形式ではないかと思います。

1は現実のカードゲームとおよそ同じ。
お金を払ってカードパックを購入し、出たカードに一喜一憂する。DCGにおけるメインの課金要素。
(パックの現金以外での入手手段、例えばゲーム内通貨での購入やコンテンツ報酬など、もあるかと思いますが現金購入に比べれば微々たるものなのでここでは割愛)

2はDCG特有のシステム、現実ではシングルカードの売買に近いかもしれません。
不要なカード(使わないorデッキに入る上限枚数を超えたカード)を分解するとエーテルというポイントが得られ、貯まったエーテルを使って任意のカードを生成する事が出来るというもの。

パックから出るカードはランダムですが、分解してエーテルに変換すればいずれ欲しいカードを生成出来る、というガチャで言うところの天井のようなシステム。

分解で得られるエーテル量&生成に必要なエーテル量は、レアリティが高いほど多い。
また、生成に必要なエーテル量は、同レアリティの分解で得られるエーテル量より多い。(シャドバの場合ざっくり3倍強)
なのですが、ナーフが実施されたカードは保障策として、ナーフ後一定期間「分解で得られるエーテル量=そのレアリティの生成に必要なエーテル量」となります。


以上を鑑みての邪推


何が言いたいかを先に言ってしまえば、
「ぶっ壊れカードを出すことでユーザーから現金巻き上げて、エーテル(自コンテンツ専用ポイント)に変換してない?」
と言うことです。


新カードセットがリリースされ、その中のあるカードがぶっ壊れていたとします。
仮にこのぶっ壊れクソつよカードの名前を「D」としましょう。

みんな口をそろえてDを壊れ壊れと言っているし自分もそう思う。
Dを持っていれば他の有象無象デッキを蹂躙できるだろうし、持っていなければこのまま蹂躙される側に回ることになる。

そんな事態に直面した時、勝つためにDをどうしても入手したいユーザーが取れる行動は、先述の通りパックを買うかエーテルで生成するかの2択。
手持ちのエーテルが不足しているなら課金してパックを買う1択です。
パックからDが出れば儲けもの、最悪出なくてもエーテルは一定量手に入るのでそれで生成すればOK。


ところが数日後、Dはナーフされてしまいました。ゲームバランスを崩壊させていたせいです。あーあ。
Dを入手していた人への保障として、Dを分解すれば、生成に必要な分と同量のエーテルが得られるようになるそうです。
Dの生成に使ってしまったエーテルを払い戻して別カードを作るもよし、エーテルを貯めておくもよし。(もちろん分解せずに調整後のDを使ってもよし)
ゲームバランスも適正に調整され、めでたしめでたし。。。

そんなわけあるかい
ここで注目したいのは、ユーザーは「ナーフ前の壊れたD」を手に入れるために(現金を払って)パックを買い、
最終的に手元に残ったのはエーテル( orナーフ後のD )であるということです。

エーテルとは、シャドウバースというゲーム内でのみ使えるポイントであり、言い換えれば「シャドウバースに使われる事が確定している資産」です。
一時的にユーザーが貯蓄する事こそあれ、いずれは必ずゲーム内で使用されます。(あるいは貯めたままゲームから離脱して消滅する)

シャドバ運営はぶっ壊れカードを餌にする事で、ユーザーの「現金」を「自コンテンツにのみ使えるポイント」へ、
更にネガティブな言い方をするならば、「ぶっ壊れカードを手に入れるために支払った、他に使い道があったかもしれない現金」を、「最初に求めたカードではない、他のカードの入手にしか使えないポイント」へ変換したわけです。

壊れカードさえなければ、そのお金はシャドバ以外に使われていたのかもしれません。


おわりに


今回僕が"妄想"したお金の動きが現実にどこまで成り立っているのかは分かりませんし、
仮に成り立っていたとしてそれが偶然なのか運営の思惑通りなのかも定かではありません。(定かになることは無いでしょう)

ある程度以上の競技性があるカードゲームなら基本的に強いカードが売れるでしょうし、
紙と違ってデジタルなら今回のように後から券面に修正を加えるのも難しくはありません。
それ故にここまで明確な思惑ではなくとも「ちょっと強めに作っておいて、やり過ぎてたら後から修正すればいいや。そのほうが売れるし。」くらいの軽い心理があったりするのかもしれません。
今回がたまたま「ちょっと強め」で収まっていなかっただけで。

商売である以上は当然利益を求めるべきですが、だからと言ってユーザーへの真摯さを蔑ろにしていいわけはありません。。
あこぎな商売をしていれば痛い目を見るのが世の常ですし、場合によっては痛い目見る時に周囲を巻き込んでしまったりもしますし。

今回の件がただの「ちょっとしたやらかし案件」であり、この記事がただの僕の妄想だと笑い飛ばされることを願います。

記事執筆時のコーヒー代などなります。