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AI絵師は絵師である

以下の掘り下げ

“AIでイラストを出力する過程には、その人間の技量や作家性が介在する余地が十二分にある
「描く」と言う行為ではないものの、「絵を生み出している」と言う意味では絵師と呼んでも差し支えないんじゃないかと思う”

注:タイトルの「AI絵師」は「画像生成AIを用いて絵を描く(作る)人」を指しており、「イラストを生成するAIロボ概念」の事ではない(新しい言葉故に定義が人によって異なったりするので念のため補足)

「絵を描く」とは何なのか

僕は「脳内を表現するための1手段」だと考えている
己の脳内にある主張・発想・知識・感情・妄想・性癖・好き嫌いetc…それらを脳の外へ出して他者が認識出来るカタチを持たせる事で、自分の脳内を他人と共有する、その為に人は絵を描くのだと思う
(そういう意味では、こうして自分の考えをnoteに書く事と絵を描く事に本質的な違いは無いように思う)

AIが生成したイラストはAIの脳内ではない

よく「AIが描いた絵」と言われているが、この言葉は正確ではない
仮に画像生成AIが、AI自身でプロンプトを考え、出力結果からより良い絵を吟味し、「私は黒髪ストレート縦セタ巨乳高身長お姉さんが好きです」と言いながらそれが描かれたイラストを出してきたのであれば、それは紛れもなく「AIが描いた絵」と呼べるだろう。

しかし(少なくとも今現在の)実態はそうではない
AIはあくまでも「入力された命令に従って、今まで学習した内容から導き出される適切そうな回答を出す」という道具でしかない
何をどう描くかを決めるのも、その回答で満足かを決めるのも、AIを使用する人間であり、それによって生成されるイラストが表現しているのは「その人間の脳内」である

「AIが描いた絵」は、正しくは「AIという道具を用いて人間が描いた絵」であり、絵を描いたのであればその人間は絵師である

「絵を描いたから絵師」以上の定義(例えば技量の多寡や絵のクオリティ等)を求め始めると、AIを使わずに描いている人間にも飛び火するので注意したい。
少なくとも僕は「ヘタクソは絵師じゃねぇ」を意味するような言葉を他人に投げかけたくはないし、手軽になった趣味に新規参入してきた層を見下すような真似をしたくはないよ

記事執筆時のコーヒー代などなります。