超ヒラリズム【3月】

超ヒラリズム【3月】
 
超ヒラリズム1【危険運転致死加害者】
 私は70才で運転免許を返上した。少年が運転免許をとれないのだから、80才くらいになったら運転免許を取り上げればいい。そうでなければこういう事故は相変わらず起こる。それにメーカーも、自動運転なんかに力を入れずに、ブレー
キとアクセルを踏み間違えない構造を考えるべきだヨ。
 
超ヒラリズム2【危険運転致死加害者(追加)】
 暴走事故を起こしたドライバー、特に高齢者のドライバーは大半、ブレーキとアクセルを踏み間違えたというが、それは本質ではない。要するに踏み間違えるほど神経が弱化しているという事であり、それを今更気づいたのでは遅い。運転免許返上は一年でも早い方がいい。交通事故は地獄に繋がる。
 
超ヒラリズム3【高齢者ドライバー】
 ドライブが趣味であるだけの高齢者ドライバーは論外として、仕事で必ず必要だとか、買物にどうしても必要だとか、そういう立場の高齢者ドライバーもいる。尤も現在の社会状況が上記ならば、そういう事は政治家が解決しなければならない。交通事故の根柢には政治家の怠慢がある事を忘れるナ。
 
超ヒラリズム4【岸田首相】
 岸田さんが総理大臣になった時、自民党にしてはまあまあかと何となく感じたものだったが、ここ数ヶ月の様子をテレビなどで観ていると、いったいこの人はどうしちゃったのかと、心配になるやら呆れるやらで、終いには怒りがこみあげてきた。結局あれもこれも口八丁で逃げまくっているだけヨ。
 
超ヒラリズム5【岸田首相(再)】
 何というか最早コトバもないけれども、岸田さんが動けば動くほど真相や核心が薄まっていく。政倫審なんてものはそれこそ言葉の綾であって、今の政治に倫理は期待できない。裏金問題に関する国民へのアンケートで、説明責任があるが65%ないが25%。ないの意味は期待してないという事。
 
超ヒラリズム6【宮部みゆき】
 私は熱烈な読者には及ばずながら、宮部さんの小説の愛読者である。だから宮部みゆきセレクションの文庫まで読んでいるけど、これはいただけない。その小説ほどの冴えがない。人気作家で読書家だからこういう本が出来るのだろうが、僭越ながら私なら彼女の百倍は上手なセレクションができる。
 
超ヒラリズム7【宮部みゆき(追加)】
 宮部さんには一度会ったことがある。会ったというより見かけたに近いか。大林宣彦監督が宮部さんの『理由』を映画化して、大林さんと親しかった私は試写会に招待されたが、指定された隣の席が宮部さんだった。ちょっと喋ったが、とても謙虚で、あんな凄い小説を書く作家とは思われなかった。
 
超ヒラリズム8【ダルビッシュ投手】
 ダルビッシュのファンではないが、先日彼の母親と弟がテレビに出て来た。弟の闘病生活に於て、それを支える母親の苦難に於て、ダルビッシュの存在が大きいと知って、ダルビッシュ投手を応援したいと思ったものだ。他人の生活はなかなか解らないものだが、その一端でも垣間見られたからネ。
 
超ヒラリズム9【ダルビッシュ投手(追加)】
 コメンテイターなどもいってはいるが、WBCにおけるダルビッシュの存在は小さくはなかった。そのことはドキュメントを観た視聴者なら誰でも解る。大谷選手にばかり光が当てられ、それはそれで至極当然なのだが、スポーツに限らず、どんな世界にも、いわゆる蔭の立役者というものは在るゾ。
 
超ヒラリズム10【有吉佐和子】
 有吉弘行が大物になった昨今であるが、私にとっての有吉は有吉佐和子である。多くの傑作を残したが、53歳の死は唐突だったし、早すぎた感がある。というのは『恍惚の人』『複合汚染』など現代的問題をいち早く作品化したその手腕で、より最先端の問題を書いてほしかった。惜しむべき作家。
 
超ヒラリズム11【笠置シズ子】
 朝ドラの趣里の歌で『買物ブギ』を聴いたが、素晴らしいのひとことだった。それで想い出したのだが、私は小さいころ「わてほんまによいわんわー」とよく歌っていたものだ。当時周りで流行っていたのは、アチャコの「むちゃくちゃでござりまする」と笠置シズ子だったなあ。稀有な歌手だった。
 
超ヒラリズム12【エノケン】
 私はエノケンの晩年しか知らないが、特別ファンではなかったものの、その印象は強く残っている。あのクシャクシャな顔、あのダミ声、あの小さな身体、それだけでインパクトがあるのに、笑いのなかに哀愁があった。まさに日本のチャップリンであった。今のへっぽこお笑い芸人は見習うべし。
 
超ヒラリズム13【水木しげる】
 誰も知らないが私は厖大な「オバケ」を書いている。その数たるや水木先生に匹敵するにちがいない。もちろんオバケとくれば水木先生に影響を受けねばならない。オバケの先生水木さんは、人生の先生でもある。だから何度もここに登場するのであるが、水木さんは仏陀の生まれ変わりかもしれぬ。
 
超ヒラリズム14【玉ノ井さん】
 アメリカから褒賞されたそうだが、私は国民栄誉賞がいいと考える。自衛隊という霧の中の組織、男性中心の組織の闇に光をそそいだ。想えばジャニーズという男性のみの組織にも大きな闇があった。私も幼いころ、キレイな女の先生にずいぶんセクハラしたから、大きなことはいえないのだがねえ。
 
超ヒラリズム15【岸田首相(再々)】
 やっぱり政倫審はひどいものだった。政治の世界に長くいると、ここまで保身にはしるのか。それほど甘い汁を吸える世界なのだ。屑どもめ。ネットで「確定申告ボイコット」を発信している人たちがいるそうだが、そりゃあボイコットすべきだネ。連中を裁くのはもはや国民しかいないのだから。
 
超ヒラリズム16【貧乏神】
 朝ドラの『ゲゲゲの女房』の再放送を観ていたら、本当に貧乏神が出て来た。水木さんや奥さんの後ろに現れる、貧乏神はまるで「うらめしや」の幽霊だ。私は本物の貧乏神は水木さんと奥さんなのであって、幽霊なんかではないと思う。然し貧乏神は金持神に変身するのだ。神は変身上手なのだ。
 
超ヒラリズム17【変面芸人】
 変身上手で想い出したが、中国の変面ショーがいつから始まったのか。浅学のため知らないが、きっと歴史は長いんだろうナ。あの芸は、あるいは術は、ハンパではない。私は変面ショーが大々好きで、何度でも観たいショーは、南京玉すだれと変面ショーくらいなもんだ。ああ変面芸人になりたい。
 
超ヒラリズム18【小林秀雄】
 何度再読してきただろう。十回にはなる筈だ。日本の文芸評論のみならず日本の文学は、小林秀雄がいたからレベルがあがったと思わざるを得ない。あの人がいなかったらと思うとゾッとするくらいのもので。今から考えれば随分と勝手なことをいっている。だが文学の本質は勝手にしやがれナノダ。
 
超ヒラリズム19【山崎正和】
 小林秀雄という評論家は懐かしい人だ。江藤淳も懐かしい。磯田光一も懐かしい。それと山崎正和も懐かしい。思想というか本質的には相容れない人たちではあっても、その筆法は懐かしいとしかいいようがない。傑作『鴎外・闘う家長』はいつの間にか書棚から消えていたが、是非再読したいものだ。
 
超ヒラリズム20【車寅次郎】
 寅さんの映画を観るのは、200回を超えるに違いない。シリーズ48作だから驚く数字でもあるまい。若い頃は笑いころげていたが、歳を重ねるたびに笑えなくなった。寅さんはアホであるとともに哲学者である。私は何よりも「男の中の男」を感受する。強い者に媚びず弱い者に同情する好漢だ。
 
超ヒラリズム21【車寅次郎(追加)】
 寅さんの中には、本名タドコロヤスオと芸名アツミキヨシと役名クルマトラジロウとが渾然一体となっている。しかも意識化されている。これは凄いと同時に恐ろしいことなのだ。従って寅さんは他の誰にも演じることができない。世界映画史上かつてない、そしてこれからもあらわれない恐竜デアル。
 
超ヒラリズム22【笠置シズ子(続)】
 朝ドラの趣里のパフォーマンスで、笠置シズ子の凄さを思わざるを得なかった。当時はワイヤレスマイクも況や口パクもない。バックは高らかな生演奏、観客も大騒ぎ。なのに舞台で動き踊り演じ、むろん歌う。これは余程のパワーがなければ不可能な事だ。今の歌手に爪の垢を煎じて飲ませたい。
 
超ヒラリズム23【ホラン千秋】
 ホランちゃんがもてはやされる理由は、彼女がМCをやっている番組を一回観ただけで解る。とにかく頭がいい、頭の回転が早い、頭が切れる。とはいっても決して頭でっかちではない。アンミカもそうだが、どうしたらああいう賢い女性が生まれるのか、その秘密を知りたいものだが、無理だね。
 
超ヒラリズム24【正宗白鳥】
 小林秀雄がどんな文学者を高く評価していたのか。これは私にとって小さな事ではない。外国ならドストエフスキー、ランボー、プルーストなど。国内なら志賀直哉、谷崎潤一郎、横光利一などが並ぶが、極めつけは正宗白鳥ではないかと私は考えている。そう考えたから意を決して白鳥論を書いた。
 
超ヒラリズム25【ルナ容疑者】
 前代稀に見る、少なくとも私の知る範囲で稀に見る、猟奇殺人事件である。ホテルで殺害し被害者の首を持ち帰ったなんてことは理解不能であるが、更に両親も加担していたとあっては更に理解不能で、これは江戸川乱歩か横溝正史にでも聞かないと。ただ理解不能は世の中に在る事実ナノダ。
 
超ヒラリズム26【嘱託殺人医師】
 難病の患者を安楽死させたとして懲役授八年は重すぎる。そう感じるのは私だけであろうか。。確かに人命軽視の感覚がある医師ではある。私とは考えが違うが、彼は彼なりに思想というものがあったはずだ。金銭を受け取る受け取らないはその場の成り行きとして。人間には死ぬより辛い事もある。
 
超ヒラリズム27【トム・ハンクス&デンゼル・ワシントン】
 トムの映画で唯一観ていなかった『フィラデルフィア』を観た。トムはエイズになった弁護士で、彼を解雇した事務所を訴える。弁護を依頼されたのは、同性愛者が大嫌いと公言するデンゼルで、そういいながら立派な弁護をするところが感動ものだった。プロの仕事とはそういうものなんだよな。
 
超ヒラリズム28【森鴎外】
 山崎正和の『鴎外・闘う家長』を再読した。以前読んだときは若かったとしかいいようがない。この歳になって読み返すと、口惜しいくらいビンビンくる。格別面白いのは厖大な鴎外作品の中でもあまり高く評価されていない作品、例えば『青年』とか『栗山大膳』などに多く言及されていることだ。
 
超ヒラリズム29【森鴎外(続)】
 谷崎潤一郎を「大谷崎」と呼ぶのは、「大」だからという説と弟と区別するためという説がある。森鴎外を「テエべス百門の大都」と呼ぶのは正しく「大」だからで、夏目漱石もエライが森鴎外のエライところは、その厖大な量によるところが大きい。となると私もエライことになる。エライこっちゃ。
 
超ヒラリズム30【清原&桑田】
 清原と桑田の夢を見た。二人とも現役のプロ野球選手としてではなく、現在の姿で登場した。それぞれ私とラーメンを食べている夢だ。稀に見るリアルな夢で、その夢によると、二人ともなかなかの人格者であった。各々大なり小なり問題を起こした事があったが、何かふっきれた明るさであった。
 
超ヒラリズム31【安藤サクラ】
 今年の日本アカデミー賞が発表され、最優秀主演女優賞でも最優秀助演女優賞でも、サクラ咲くであった。サクラの演技は凄くて、監督もサクラ使えばマチガイなし。今日本で一番上手い女優ナノダ。当然の結果といえばそれまでだが、反面サプライズがなくてつまらないアカデミー賞ではあった。
 
超ヒラリズム32【鳥山明】
 私たちの世代は『DR・スランプ』のアラレちゃんに驚き、今の世代は『ドラゴンボール』の悟空で驚き、その意味でも凄い漫画家だった。アラレちゃんの奇想天外の行動が、悟空の冒険へと繋がっている。まだまだ愛読者を楽しみにしてくれると思っていたが残念。世の中残念な事が多すぎるヨ。
 
超ヒラリズム33【トケマッチ元代表】
 いやはや詐欺が多すぎる。最近は金に目が眩む人々がターゲットにされる。トケマッチ事件は象徴的で、もちろん加害者は最初から詐欺目的でやっとるケシカラン奴で、被害者は気の毒だが、さほど冷静に考えなくとも、高級腕時計のレンタルなんか、はじめっから成り立たない事が解る。情ない。
 
超ヒラリズム34【ゴジラ】
 ゴジラ君も映画に登場するたびに進歩してきて、映像技術や照明・録音技術はもちろん、はたまた監督の演出力と出演者の演技力も進歩してきているのだ。さらにシナリオも。だいたいにおいて獣は進歩よりも退歩が見られるのだが、ゴジラ君は怪獣と呼ばれてはいても、「獣」よりも「怪」ナノダ。
 
超ヒラリズム35【玉置浩二】
 安全地帯のころから、つまりデビューの時から、凄い歌手だと思っていたが、これほど上手い男性歌手はなかなかいないんじゃないかと。大袈裟にいうなら美空ひばりの男性版か。女性歌手は上手い人が多く、島倉千代子も中森明菜も宇多田ヒカルも上手いが、男性歌手は上手い人が少ないからナ。
 
超ヒラリズム36【マ・ドンスク】
 彼の暴力デカ映画は、韓国では人気があるらしい。あれくらいボカスカ殴ると、日本でも人気があるはずだ。最近のデカものはカーチェイスもしくはパソコン捜査が多くて、ああいうアナログは日本ならチャンバラ映画だ。ハリウッドでは決して作らないから、マニアックな人気が出るんだろうナ。
 
超ヒラリズム37【トランプ】
 小林秀雄は批評は誉めるものだと言っている。尊敬する小林先生がいうならと、私めもそう努めてはいるけれど、政治家だけは誉めるわけにはいかない。トランプなど最悪だと考えるが、更に考えれば日本のへなちょこ政治家と較べてしまうと、あの個性は敵ながらあっぱれという感じなんだネエ。
 
超ヒラリズム38【オッペンハイマー】
 「原爆の父」と呼ばれた科学者の一生は、ある意味で波乱に満ちたものであった。広島・長崎の原爆被害の状況を知って、平然としていられる者は人間じゃない。今回のアカデミー賞受賞(作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞)をタイムリーとして、反核運動が盛んになる事を大いに望む。
 
超ヒラリズム39【TARAKO】
 ちびまる子ちゃんのタラコさんが亡くなった。まるでちびまる子ちゃんが亡くなった淋しさだ。彼女は声優の他にもいろんな活動をしていたが、ちびまる子ちゃんの声は絶品だった。あの声でなくてはならないところがあった。原作者も亡くなっているし、残念でもあの番組は終了で文句はないナ。
 
超ヒラリズム40【村山藍子(再)】
 藍子さんのダンスをまた観た。今度は独演なのでその素晴らしさが一層解った。パーフェクト感がハンパない。もはやダンスの天使。僭越ながら、今後は期待をこめて、クラシックを基本に、ヒップホップ、ブレーキン、ハワイアン、フラメンコなど他のダンスを吸収して、鬼に金棒、天使に衣サ。
 
超ヒラリズム41【魚住勉】
 魚住は私より一歳下だったが、私は彼の弟子としてコピーライターをスタートさせ、そのうちクリエイティブディレクターとなったが、コピーライターはバブルに咲いたアダ花だった。それでもそれで数十年食っていけたのだから、魚住にも又コピーライターになれと勧めた実母にも感謝している。
 
超ヒラリズム42【魚住勉(続)】
 私は師である魚住のいうことを全くきかなかった。彼はリッチをポリシーとし有名女優を妻にしたが、私はリッチという言葉すら嫌いで、有名女優を妻にする俗物性を持ち合わせなかった。それでもコピーライターとして師よりも多少長持ちしたのは、コトバたらしであり人たらしだったからだヨ。
 
超ヒラリズム43【大類秀志】
 魚住がコピーの師という意味では、小説の師は大類さんだった。けれどこっちも師のいうことを全くきかなかった。大類さんはいわゆる自然主義作家で地味な作風の人だったが、私は自然主義も地味な小説を書くのも嫌いだった。とにかく師というものは弟子にとって鰯の頭ですらない存在ナノダ。
 
超ヒラリズム44【〇〇先生】
 私はかつて誰に対しても「先生」と呼んだことはなく、当然「先生」と呼ばれて悦に入っている連中を蔑んでいたが、医師と教授・教師とスポーツや芸術の指導者に対しては、仕方なく「先生」と呼んでいる。これは便宜上・都合上そう呼ぶだけである。敬愛して「先生」と呼ぶのは数名に限られる。
 
超ヒラリズム45【孔雀の殺し屋】
 なんてタイトルで掌編を書いた。モデルは孔雀に似た恰好の新聞配達。身体中に色とりどりの羽根をたくわえ、いろんなキャラクターのぬいぐるみを背負っている。タイガーマスクっぽいお面を付けているから年齢不詳だが、私が書いたのは三十年前だ。その彼に先日新宿で出くわした。感動した。
 
超ヒラリズム46【クソ野郎】
 当然ながら私は汚いコトバは使わない人間なのだが、自民党議員はどいつもこいつもクソ野郎だ。歌を作ったので、例のお月さまの歌の節に合わせて「♪出た出たクソが、なーがいなーがいクソ長い、ウナギのようなクソが♪」はいよくできました。国民の皆さん国会中継の際はテレビの前でどうぞ。
 
超ヒラリズム47【芥川龍之介及びクソ野郎(再)】
 「万人に共通する悲劇は、排泄作用を行うことである」と芥川はいっている。私は若い頃「ヒラさんの文学もクソを書ければ一流だ」と先輩作家にいわれた。私は当然無視したから、まだ一流にはなれていない。そしてクソを悲劇とも思っていない。それは喜劇である。国会中継を見れば解るヨ。
 
超ヒラリズム48【尊富士】
 凄い力士が現われた。十両のときから注目はしていたし、これくらいやるとは考えていたが、それでもやはり凄いと思わざるを得ない。なぜ注目していたかというと、若き日の北勝海(現在の八角理事長)に体格と取り口が似ているからだ。人種差別じゃないがモンゴル勢中心の大相撲も面白くなった。
 
超ヒラリズム49【東野圭吾】
 超人気作家の長編も面白く読むが、私の好みは彼の短編である。なかには笑い転げてしまうユーモア小説もあるし、機知に富んだマニアックな小説もある。例えば『超・殺人事件』の短編群をお勧めしたい。むろん手前味噌であるが、『超ヒラリズム』くらい面白い。短編でこそ作家の才能がよく解る。
 
超ヒラリズム50【水原一平】
 大谷選手を支えつづけた一平サンの不祥事は、大谷ファン一平ファンならずとも青天の霹靂であり、重大事件だった。何よりもこういう事件によって、大谷選手のプレーに何らかの支障が出ることを心配する人もあろう。その意味でも一平サンには、大谷選手以上にストイックであってほしかったヨ。
 
超ヒラリズム51【水原一平(続)】
 私もギャンブル依存症なので偉そうなことはいえないが、暴力団やマフィアを儲けさせるギャンブルは慎んだほうがいい。というか、人生は賭けだから、ギャンブルは勝たなければいけない。然しギャンブル依存症ともなると、けっこう自虐的になり、果てはやけのやんぱちになってしまうモンダ。
 
超ヒラリズム52【薄田善明】
 立派な国文学者だった善明が、敗戦直後に軍の上官を射殺し自分も自殺した事件は、三島由紀夫にとっては大きなものだったにちがいない。私は浪漫主義でも愛国主義でもないが、善明の心情は解るつもりだ。敗戦後に限らない。時局に便乗した変節漢は現代でも沢山いる。殺す値打ちもない輩が。
 
超ヒラリズム52【薄田善明(続)】
 私は善明が殺した上官は、善明にとって変節漢の象徴だったと考える様にしている。でなければ、ゴマンといる変節漢を片っぱしから殺さにゃならんから。私らは仕事上「変化に対応」なんて合言葉でやってきたが、くだらん標語だったね。三島も変節漢だから、あの世で善明に叱られているはずだ。
 
超ヒラリズム53【伊東静雄】
 善明の敬愛する詩人は、善明の死を聞いて「ひとりで死にゃぁいいのに」といった。冷たい言い方だと善明ファンはいうが、私でも伊東と同じ言い方をする。三島もそうだが、他人を巻き込んで自殺する人間は、大凡ナルシストであり寂しがり屋である。孤高の詩人にとっては許しがたい愚挙ナノダ。
 
超ヒラリズム54【保田與重郎】
 戦後民主主義の信奉者にとっては、薄田善明も保田與重郎も浪漫主義とか愛国主義とかいう以上に、右翼反動ということになろうが、私はそういう無意味なレッテルは剥がすべきだと考えている。戦争に負けたから戦争犯罪人で、戦争に勝ったから英雄だなぞという、くだらぬレッテルと一緒に。
 
超ヒラリズム55【高村智恵子】
 絵画はまず色と形。そこに画家の思想(視想)が現われる。天才が見える。ルノアールしかり、ゴッホしかり。さて『智恵子抄』の智恵子である。私は久しぶりに智恵子の紙絵のあれこれを観た。そして山下清の天才を想った。夫の光太郎は「立派な芸術品」と呼んでいる。できれば陋屋に飾りたい。
 
超ヒラリズム56【中島みゆき】
 最近みゆきの全作詞集を読んだ。そして不思議な体験をした。いわゆる人口に膾炙した「世情」や「時代」などには感心せず、あんまり一般に知られていない(つまりヒットしなかった)ものに、魅力を感じ衝撃も受けた。歌というものは、作詞・作曲・歌唱の三位一体から成立する、コレ常識か。
 
超ヒラリズム57【尊富士】
 大相撲の予想がよく当たるのは、若いころ新聞社で大相撲関連の仕事をしていたからだ。怪我を我慢し尊富士が優勝した。大の里もインタビューを聞くと、しっかりしているしイケメンだ。人気が沸騰するにちがいない。遠からず「大尊時代」が到来するはずだ。大損しないよう賭けはほどほどに。
 
超ヒラリズム58【紫式部】
 NHKの大河ドラマの影響もあって、紫式部に更なる関心を寄せている。与謝野晶子訳の『源氏物語』も『紫式部日記』も解りやすくていい。他の文学者の訳も少なからず出てはいるが、与謝野がトップだと確信している。今まで清少納言の方が好きだったが、読めば読むほど紫式部は好きになるネ。
 
超ヒラリズム59【小林秀雄】
 今月の〆はやはりこの人だな。木田元の『なにもかも小林秀雄に教わった』を読んだが、なにもかもは大袈裟としても、文学・哲学・美術・音楽と、多岐にわたる示唆の見事さを木田は云々している。実際その意味で小林の右に出るものは未だに登場していない。考えてみれば私も木田と同じだった。

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