タダの遊び

【可愛く幼い子供や孫が「ぴゃあぴゃあ」叫んで喜ぶタダの遊びベスト10】             陽羅義光
 
1【いまぞゆく】
 おちびさんの背中の下から右手をまわし、腰の上から左手をまわし、「いまぞゆく」を連呼しつつ、揺らしながら突進する。その先は押し入れの中にたたんである蒲団でもいいし、開いたクローゼットの衣類でもいいし、やわらかなママのからだでもいい。おちびさんのアタマを軽くぶつけてやって、オシマイ。必ず「もういっかい」とせがまれるから、これを息がきれるまで何度でもやってあげる。
2【宇宙投げ】
 おちびさんの背中から脇をもちあげ、「宇宙投げじゃあ」と叫びながら、くるくると回してあげる。そのためにはこちらがくるくる回転しなければならないから、おちびさんより先にこっちの目が回ったらオシマイ。必ず「もういっかい」とせがまれるから、これを息がきれるまで、腕や腰がつらくなるまで、吐き気がするまで何度でもやってあげる。
3【ライオンジャンプ】
 おちびさんを背中に乗せて、「いくぞいくぞ」とおどかしながら、「ライオンじゃあ」と叫びつつ、蒲団やベッドの上にジャンプし、腹ばいになる。もちろんお腹が痛いが、そのためには腹筋をきたえておく必要がある。そして気を付けないと、背中のおちびさんが吹っ飛んで壁にぶつかったりするから、加減が大切。必ず「もういっかい」とせがまれるから、これをこちらがぐうの音も出なくなるまで何度でもやってあげる。
4【人間マウンテン】
 いわゆる仁王立ちして、両手をバンザイし、両足はガニマタにする。「山にのぼれ」と号令をかけ、おちびさんを背中側からのぼらせる。おちびさんが二人いたら、お腹側と背中側から、同時にのぼらせる。そのとき山は動いてはならない。こちらの肩にのって腕にぶらさがれば、登頂成功。必ず「もういっかい」とせがまれるから、こちらがバテルまで何度でもやってあげる。
5【人間鉄棒】
 まずは腰をおろし、両腕あるいは両肩に、おちびさんをつかまらせ、ヨイショと持ち上げる。おちびさんの足は床からはなれる。それから「1・2・3」と数え始め、100数えるまでガマンできたら合格。必ず「もういっかい」とか「こんどは200」とせがまれるから、あとで肩をたたいてもらう約束をしてから、おちびさんではなく、こちらがガマンできなくなるまで何度でもやってあげる。
6【ヘッドスライディング】
 おちびさんを床に仰向きに寝かせ、三メートル以上先から、「ヘッドスライディングじゃあ」と叫びながら、両手をのばして、おちびさんの上に飛び込む。もちろんおちびさんが、スルリと上手に逃げられる余裕を持って。必ず「もういっかい」とせがまれるから、こちらが気絶するまで何度でもやってあげる。
7【タオルボクシング】
 おちびさんの両手をバスタオルでグルグル巻いて、ハチマキでしばっておく。こちらも同じようにやって、「ゴング」と叫ぶ。ポカポカ殴り合い、もちろんこちらは殴られっぱなしで倒れ、「ダウン」と叫ぶ。必ず「もういっかい」とせがまれるから、こちらが本当にダウンするまで何度でもやってあげる。
8【ハンデ相撲】
 公園などで土俵の線を描き、おちびさんとスモウをとるのだが、こちらはポケットに両手をつっこんだまま相手をする。押し出されないように土俵内を逃げ回るが、うっちゃりもできず、そのうちだいたい、足などをとられてひっくり返ることになっている。必ず「もういっかい」とせがまれるから、おちびさんが勝つたびに小結・関脇・大関・横綱と昇進、横綱になるまで何度でもやってあげる。
9【ミイラごっこ】
 包帯でおちびさんの顔をぐるぐる巻きにする。鼻と口は出すが目は出さない。こちらも同じようにして、大小ミイラのできあがり。どちらが先に相手の包帯を取り去るか、競争となる。部屋中を逃げ回るので、危ないモノはあらかじめ取り除いておく。必ず「もういっかい」とせがまれるから、包帯がこんがらかるまで何度でもやってあげる。
10【人間竹馬】
 これはやってあげた人も多かろうが、こちらの足の甲に、おちびさんの足の裏を載せてあげて、リズムよく歩き回るものだ。一緒に歌を歌いながらやるといい。滑りやすければハチマキで縛っておく。必ず「もういっかい」とせがまれるから、足の甲がすりむけるまでやってあげる。
 

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