超ヒラリズム2024

超ヒラリズム【2024・1月~】
 
超ヒラリズム1【役所広司】
 話題の『PERFECT DAYS』を観た。掃除夫の一人としてあえていうなら、あんなカッコのいい、すくなくともあんな立派な顔をしたトイレ掃除夫は現実にはいない。だからリアリティに欠ける。ちっともヨボヨボでないから、哀感が出ない。哀感のないこのテーマはありえない。残念。
 
超ヒラリズム2【篠山紀信】
 一世を風靡した、紀信が亡くなった。紀信を想うと『平家物語』を想う。まさに諸行無常。カメラマンというものの絶頂期のプロ中のプロであった。だからこそ南沙織と結婚できた。そののちデジタルの時代にうつり、一億カメラマンの時代が来て、どこからどこまでがプロなのか不明になった。
 
超ヒラリズム3【ル・クレジオ】
 私たちが大学生だったころ、クレジオの登場はひとつの驚異であり、興奮であり、光であり、闇であった。遂に彼は『物質的恍惚』において、宇宙の真実に迫ったといえる。自分が死んだら無だと考えている者が多いが、生まれる前にも宇宙は在り、死んだのちも宇宙が在ると多種多様の単語で書く。
 
超ヒラリズム4【吉幾三】
 久しぶりに吉幾三をテレビで聴いた。やっぱりいい。男性演歌歌手では北島三郎、五木ひろしに匹敵する歌声であるが、作詞作曲でも天下一品だから、演歌界一番の才能かもしれない。またこの人は人間性も優れている。おもしろおかしくて尚且つ情の人である。さあみんな、吉幾三を聴こうぜ。
 
超ヒラリズム5【日航機長・海保機長】
 私の義兄が機長だったからいうわけじゃないが、空港での事故はどんな理由があれ、機長の責任ではない。安全システムが完璧ではない、その結果だ。日航の機長は乗客とスタッフ優先で動いた。海保の機長もそうしたかったができなかったから、詫びているのであって、私らもカンチガイはだめ。
 
超ヒラリズム6【中村メイコ】
 日本文芸大賞の授賞式のときに(同じ受賞者として)会ったが、気さくに声をかけてくれて、硬さがほぐれたのをよく覚えている。気づかいの人だったんだなあと、懐かしく想い出す。マルチの人だったから何をしていたのか思いつかないが、才能はあふれていた。起用貧乏だがお金持ちだった。
 
超ヒラリズム7【八代亜紀】
 昨年は歌手にとって受難の年だったなア。彼女まで亡くなっているとは。八代亜紀が登場したころ、(歌手になりたかった時代があった)私は、これこそ歌手になるために生れて来た声だと感じて、羨ましかった記憶がある。彼女には永遠的な『舟唄』と『雨の慕情』があるから、まだ慰めになる。
 
超ヒラリズム8【松本人志】
 松ちゃんにかぎらないが、お笑い芸人がテレビ界でも一般でも余計な力を持ち過ぎた。タモリ・たけし・さんまあたりからなのか、それともすでにエノケン・ラッパ・アチャコからなのか。松ちゃんを六本木のサウナで見かけたが、興味がないので声はかけなかった。驕れる者は久しからずだナ。
 
 
超ヒラリズム9【お笑い芸人たち】
 笑いをメジャーにしたのはチャップリンだが、その笑いにはいつもペーソスが伴っていた。そこが日本のお笑い芸人と大きく違うところで、ばかばかしい番組のМCや仕切りなんかやって、羽振りのいいエラそうなお笑い芸人は肝に銘じるべきだ。もういちどいう。君たちはチャップリンではない。
 
超ヒラリズム10【NHK紅白歌合戦制作者】
 一応観ることは観るが、ここ十年ばかりの紅白歌合戦のひどさには呆れるばかりだ。年寄りの特権で「昔は良かった」なんていうつもりはないけれど、どういう基準で歌手を選んでいるのか、さっぱり解らない。おそらく何か「しかけ」をやりたくて、そのしかけに見合った歌手を選ぶのだろう。
 
超ヒラリズム11【NHK紅白歌合戦制作者(追加)】
 もはや「歌合戦」なんてタイトルは変えて、「ダンス歌合戦」とか「バカ祭り」「歌手(カス)だらけ」とかにすべきだ。こんな有様だから、プライドの高い歌手たちは益々出たくなくなる。むろんミーシャとかあいみょんとか歌だけで勝負した歌手はいるんだが、そのうち出なくなるんだろうナ。
 
超ヒラリズム12【光源氏】
 本や映画で『源氏物語』に触れ、自分は光源氏の生まれ変わりではないかと思う御仁がいると思われるが、実は私もその御仁なのである。しかし残念ながら光源氏は架空の人物だから、生まれ変われるわけがない。『源氏物語』はいわば煩悩多きフリーセックスの世界を描いていて、大文学ではない。
 
超ヒラリズム13【光源氏(追加)】
 映画やテレビドラマでは、光源氏をだれがやるかで必ず話題になるが、市川雷蔵や天海祐希がやったときは、みなさん納得だったが、他は首をかしげたものだ。けれども現実にはとびきりの二枚目がもてるという保証はどこにもなく、あんがいとびきりの三枚目がもてたりするので、ややこしや。
 
超ヒラリズム14【岡田准一&二宮和也】
 ジャニーズがこんなことになって、オカダとニノはさっさと辞めたが、ヒガシとはえらい違いで、なんともこすっからい気がする。かつて日本が戦争に負けたとき、まっさきにアメリカに尻尾を振った文化人を想う。こういう非常時にこそジタバタしないのが男で、もうオカダとニノの映画は観ない。
 
超ヒラリズム15【杉下右京】
 キャラクターが俳優と渾然一体になったケースはいくつかある。たとえば金八先生と武田鉄矢、座頭市と勝新太郎などなど。極めつけは杉下右京と水谷豊ではないか。水谷の名前を忘れても『相棒』の右京さんといえば、顔が浮かんでくる。これは単に長くやっていればそうなるわけでもないヨ。
 
超ヒラリズム16【穂村弘】
 短歌界にかぎらず大変な人気だそうで、穂村以前・穂村以後ともいわれる。けれども私にいわせれば、男俵万智だな。つまり今日的な用語も散りばめ、ちょいと気の利いた言葉づかいや言い回しを駆使して作る。嫌いではないが、文学的な本質的な哲学的な芸術的なものが稀薄であるナ。甘い。
 
超ヒラリズム17【中村錦之助】
 昨今美容整形ばやりで韓国人は全部、日本の芸能人も男女問わず半分くらい。私も鼻を一センチ高く整形してたら大スターになれたはず。でも鼻が低くて大スターになった俳優が三人いる。中村錦之助、石原裕次郎、渥美清だ。錦之助はその抜群の演技力で鼻の低さをものともしなかった。エライ。
 
超ヒラリズム18【山本周五郎】
 未だに人気のある周五郎が、生活のため大衆雑誌に書きはじめたとき、彼の奥さんは「私は大衆作家と結婚したのではない」と激怒した。周五郎の直木賞辞退にはいろんな説があるが、私は奥さんの顔色を窺ったためだと考えている。今みたいに大衆作家がもてはやされる時代ではなかったノダ。
 
超ヒラリズム19【能登の人びと】
 この世界にはいくらがんばってもどうしようもないことがあって、そういう人たちに向かって「ガンバレ」と叫ぶのは、いささか酷な気がする。今回の地震でビルが横倒しになったことで一般に解ったのは、あの地は地震が多いのに地盤がひどくゆるく、人が住むには適していないことナノダ。
 
超ヒラリズム20【能登の人びと(追加)】
 若いころ私にとって(もしかすると私たちにとって)佐渡や能登は憧れと怖れの地であった。都心には決して無い何かがある。それは黄金かもしれないし地獄かもしれない。しかしこういう大地震があると、後者ばかりがきわだって迫って来る。観光ということは、愉しいことばかりではナイ。
 
超ヒラリズム21【能登の人びと(再)】
 復興復興、支援支援と唱える前に、地元の人びとの声なき声をいかにどれだけ集められるか、そこが本質ではないか。復興復興で業者は儲かる。支援支援で芸能人は名を挙げる。
政治家も自衛隊もテレビ局も腕の見せどころだ。被災者が哀れな食いものになる文化はいいかげんやめたほうがいい。
 
超ヒラリズム22【能登の人びと(再々)】
 能登半島大地震で私なりにまず感じたのは、政治家の防災意識が相変わらず低いことだ。お金持ちがいくら献金したからといっても、それはあくまでも気持の問題で、大きな問題ではない。莫大な防衛費を「防災・防衛費」とするくらいの英断がなければ、先が見えてこない。いまこそ政治の出番ダ。
 
超ヒラリズム23【東野圭吾】
 相変わらず東野の小説を読んでいるが、相変わらず無駄が多い。私なら半分の枚数で書くにちがいない。無駄をはぶくということが、作家のやるべきことと考えている世代だからなのか。ただ東野の作品はその無駄が面白い。だから無駄を面白がる読者もいる。読者も変わってきていると思われる。
 
超ヒラリズム24【司馬遼太郎】
 とても長生きした印象だが、亡くなったのは今の私より五歳下である。『竜馬がゆく』『燃えよ剣』など、未だに読まれている長編がある。けれどもライフワークはどれかとなると、もっと生きるつもりだったのだろう、まだ書いていない。作家は毎作ライフワークのつもりで書かなければいけないヨ。
 
超ヒラリズム25【松本清張】
 清張も『点と線』『砂の器』など未だに読まれている長編が多いが、司馬と同じでやはりライフワークがない。最近私は清張と東野圭吾を代わる代わる読んでいるが、東野もうかうかしているとライフワークを書き損ねるにちがいない。かくいう私か。ワイフワークは書いたが、読まれないだけサ。
 
超ヒラリズム26【若元春】
 私の応援している若元春が初めての金星。以前から初代若乃花に容姿が似ていると思っていた。若乃花も三十歳からめっぽう強くなったから、三役を落ちたけれども期待はしている。弟の若隆景が怪我で幕下まで下がったので、その分も頑張ってほしい。頑張るという言葉は嫌いだが、ガンバレ。
 
超ヒラリズム27【谷崎潤一郎】
 ほとんどの作品は読んでいるが名作『猫と庄造と二人のをんな』だけはまだだったので読んでみた。だいたい私は動物を描いた小説と、心理を描いた小説は好まないのだ。それでもさすがに谷崎はうまい。猫の生態を細かく描きながら、男女の機微も細かく描いている。けれどもそれだけであるナ。
 
超ヒラリズム28【波瑠】
 その透明感その小顔。まるで妖精を想わせる。彼女がまだほとんど無名だったころ、なんでこんな女優が脚光を浴びないのか不思議だった。おそらく人柄が奥ゆかしいためであろう。なんて誉めることしかいえないが、私が彼女のファンかというとそうではない。私は色っぽい女優が好きなんだナ。
 
超ヒラリズム29【エスパー伊東】
 変態顔だし、たいした芸ではなかったが、好きだったなァ。なによりも哀感があった。むかしの芸人には哀感のあるひとが多かったが、いまの芸人はなぜか優越感とか傲慢感を感じる。たかが芸人されど芸人の時代で、エスパーは時代遅れだったのだろう。もはや芸人の時代は終わりにすべきだナ。
 
超ヒラリズム30【朝乃山】
 どうも判官贔屓というのかなんというのか。照ノ富士も幕下に落ちてから応援していた。もう横綱になったから応援しなくてもいいかなと。それでこんどは、やっぱり幕下まで落ちた朝乃山に大関復帰してほしくて応援している。私だけのことではなくて、そういうファンは多いにちがいない。日本人の美徳というよりも、悪癖かもしれない。それでいい。
 
超ヒラリズム31【九段理江】
 芥川賞作品がAIを使って書かれたということで、物議をかもしているが、それに対する選考委員の反応がひどい。いいんじゃないのって感じだが、これが常態化すると、作家自身の首を締めることになることを認識すべきだ。私は使いたい人は使えばいいと思うが、その作家の姿勢は侮辱する。
 
超ヒラリズム32【倉田真由美】
 櫻井よしこの「あなたは祖国のために戦えますか」の発言を受け、倉田さんが「若者を戦場に行かせる者とこそ戦うべきである」といったのは立派。私ならそれ以前に「祖国」とは何ぞやと問いたい。もし腐れ政治家どもが仕切る国家が「祖国」なら、笑止千万。糞野郎どものために戦えるものか。
 
超ヒラリズム33【チェ・ジウ】
 あの「冬ソナ」の再放送を観た。やっぱり泣ける。ヨン様が日本では脚光を浴びたが、あのドラマは、ドライでシビアな性格のはずの、ヒロインの(私はふだんこんな言葉は使わないのだが)「純愛」が、すべてといってもいい。ジウの表情だけでも観る価値がある。田中美里の声も抜群だった。
 
超ヒラリズム34【チェ・ジウ(追加)】
 日本のメロドラマもうんざりするくらい放映されているけれど、ジウを超える女優は、残念ながらまだ出ていない。どこがどうちがうのか。ひとことでいって、涙の質だ。芦田愛菜ちゃんがもっと大人になったら、ジウに匹敵する演技ができるかもしれない。それまでなんとか生きていよう。
 
超ヒラリズム35【中野京子】
 ごぞんじ『怖い絵』の作者である。いまや美術評論にかけては、トップランナーであろう。私が美術評論をずっとつづけていても、中野さんくらいになれた見込みはないが、まあいい。中野さんとは三十年ほど前、或るレストランで向かい合わせに坐りあれこれ語りあったが、実に頭のいい人だった。
 
超ヒラリズム36【安井かずみ】
 いまの若い男性は、どんな女性に憧れるのだろう。やっぱり、はるか、ガッキー、芽衣、すず、あるいはあいみょんかりらか。私の若いころは安井かずみだった。単にトッポイだけでなく才能があった。私はある意味ファッション関係の仕事をしていたが、周りにああいうタイプはまだいなかった。
 
超ヒラリズム37【青葉被告】
 裁判では「責任能力」とか「心神喪失」なんてことが有罪・無罪の重要なポイントになるが、じつにアホらしいことで、私にいわせればそんなの関係ない。犯罪者はみんな無能力で喪失者なのだ。関係があるのは36人を殺したという事実であって、その事実を前に何が「責任能力」だ「心神喪失」だ。
 
超ヒラリズム38【桐島容疑者】
 本名で死にたいなんてほざいたらしいが、その前にいうべきことがあるんじゃないか。単にそこを通りかかった人たちも死んでいるわけだし。企業なんか爆破したって、そんなものは企業の思う壺で、保険はかかっているし、同情心はあおれるし、まあ効果はマイナスだナ。テロにプラスなんかない。
 
超ヒラリズム39【松下奈緒&向井理】
 再放送の『ゲゲゲの女房』を観ているが、何度観てもいい。はじめ水木しげるがどうしてイケメンの向井なんだろうと訝ったが結果オーライで、芝居はうまいし片腕でもマイナーなイメージが少ない。ノッポの松下に合せたのだろうが、ふたりのノッポぶりもいい。それに松下も実に感じがいいなァ。
 
超ヒラリズム40【ヒゲの伊之助】
 昔人気があった行司だが、自分があげた団扇が差し違えとなって大いに不服だった。今はビデオ判定があるから、文句をいってもはじまらない。呼び出しも行司も形式ばかりになってあまり必要を感じないが、野球の主審もそうだ。そろそろAI判定にしないと、主審によってゾーンが違いすぎる。
 
超ヒラリズム41【武者小路実篤】
 武者小路は歴史小説はとてもいいんだが、現代小説はあまりよくない。『友情』なんかも誉める人も多いけど、甘すぎて再読に値しない。三角関係の若い男女を扱っているが、あんなもんじゃ納得できない。立派すぎるんだ。小説は現実でなくてもいいが、理想主義が勝つとリアリティが喪われる。
 
超ヒラリズム42【セクシー田中さん】
 このドラマの原作漫画家が自殺した。これは不可解な自殺であると共に、自殺した場所のイメージもあり、なにかとても悲惨で哀れな感じが否めない。実母に自殺された私は、自殺の原因は一つではないという持論を持っているが、だれかがいっていたように、これは第三者委員会を設ける事案だ。
 
超ヒラリズム43【白石麻衣】
 美人タレントは多いが、なかでも現時点で一番は白石だといっても、あまり文句は出ないだろう。しかも彼女には美容整形の痕跡が感じられない。これほどの美人でありながら、人気が爆発しないのは、タレントや女優はキレイだけでは足りなくて、何か強いキャラクター性が必要という証拠だ。   
 
超ヒラリズム44【特定少年】
 甲府の二人殺害・放火事件は加害者の死刑で幕がおろされた。PTSDだと弁護人はいうがそんなの関係ないヨ。ただこの死刑囚に何とか救いの道はなかったのか。恋愛(特に失恋)がからむと男は凶暴になる。これは動物的本能というもので、けれどもそういうものは歳を重ねるごとに薄くなる。
 
超ヒラリズム45【小澤征爾】
 音楽の天才であることは確かなんだが、指揮者という立場は素人には解りにくい。映画やサッカーなどもそうだが、監督やコーチよりも俳優や選手にスポットライトが当たるのは、やむをえないというか何というか。ともかくも音楽の世界観を広げた世界の小澤さんに、おつかれさまといいたい。
 
超ヒラリズム46【大谷翔平】
 スポーツの人気はスーパースターが決めると今は考えているが、長嶋・王の時代は、あるいはそれ以前の力道山の時代、若乃花の時代は、それが当たり前だと考えていた。けれども大谷選手が引退したら、メジャーへの興味も廃れると考えられる。いまここ、いまが花である。いまを満喫しよう。
 
超ヒラリズム47【北島&羽生】
 北島&羽生の引退は、競泳やフィギュアスケートの人気をかなり落とした。逆にどんな分野でも、スーパースター登場によって、人気沸騰も有り得るということである。阿部兄妹の柔道、張本兄妹の卓球がいまは面白いが、個人的には大相撲と芸術(特に文学)の世界にスーパースターの登場を望む。
 
超ヒラリズム48【水木しげる】
 少年時代から貸本屋で『墓場鬼太郎』を読んではいたが、その作者には関心がなかった。けれど朝ドラの『ゲゲゲの女房』を観てから、水木サンという人間に興味を持ち始めた。戦争で片腕を喪って、それでも漫画一筋。特にオバケに執着したその執念。それでも楽しそうだった生涯。貴重な人物だ。
 
超ヒラリズム49【ドストエフスキー】
 数えきれないくらい再読してきているが、何度読んでもロシア名には慣れない。トルストイでもチェーホフでも同じだが、ドストエフスキーは格別登場人物が多いので、誰が誰だか解らなくなることも。せっかく翻訳するのだから、名前も日本語に出来ないものか。せめてもっともっとシンプルに。
 
超ヒラリズム50【グレゴリー・ペック】
 ゲーリー・クーパーの次に好きなハリウッドスター、ペックといえば『ローマの休日』だが、最近テレビで『アラバマ物語』をやっていて、私としては珍しく初見だった。傑作だったが、邦題が実によくない。クーパーの『昼下がりの情事』よりよくない。これなら原題を使ったほうがマシだな。
 
超ヒラリズム51【ポール・ニューマン】
 少年時代はマーロン・ブランドとごっちゃになっていたが、ポールはペックと同じくらい好きだったな。いかにもヤンキーという言葉が似合うスターだったが、トム・クルーズやトム・ハンクスにその輝きを繋いだ。主役ばりばりというよりも、ちょっと引立て役っぽいのををやると見事だったナ。
 
超ヒラリズム52【リーアム・ニーソン】
 傑作『シンドラーのリスト』での登場にはビックリしたが、それ以後リーアムが出て来ると知ると、やっぱり観たくなる。それはクリント・イーストウッドやジャン・レノの映画に惹き付けられるのと似ているが、もっと苦い感じがあってそこがいい。ジョン・ウエインからずっと大男が好きなんだ。
 
超ヒラリズム53【メグ・ライアン】
 たぶんホモじゃないから、ハリウッド男優ばかりではなく女優も。ヘップバーンは別格として、ジュリア・ロバーツとナタリー・ポートマンとメグ・ライアンは必ず観たが、メグはラブコメの女王のカラを外したかったのか、『イン・ザ・カット』はメグの映画じゃなかったナ。哀れだったヨ。
 
超ヒラリズム54【ニコール・キッドマン】
 これはおそらく父母に対する思慕に近いんだろう、大男と小女が好きなんだナ。ニコールがもっと小柄だったらもっと贔屓だったはず。映画通の小林信彦の本を開くと、推しのニコールの登場が多い。たしかにキレイでウマくて傑作に出るという、三拍子揃った女優だが、それ以上ではないんだナ。
 
超ヒラリズム55【成瀬監督】
 日本映画の三大監督は黒澤・小津・溝口というのが常識だが、そこに成瀬を入れて四天王にしたい。木下・野村・鈴木・山田、最近の是枝・石井なども入れたいがキリがない。成瀬の『浮雲』はさすがの小津も脱帽したといわれるくらいだから、凄いものだ。人間通という意味では小説家も敵わない。
 
超ヒラリズム56【SNS企業トップたち】
 SNSにおける被害者に関して、企業トップはあまりにも鈍感すぎる。大金獲得のみならず、時代をリードし、世界を牛耳ろうとし、開発したものが、人間を駄目にし、破壊し、地獄へと導くことに目を瞑っている。性被害者や自殺者のみならず、倍賞責任を果たすことによって自ら抑制セヨ。
 
超ヒラリズム57【中東リーダーたち】
 彼らの節操の欠如は、SNS企業トップたちによく似ている。たしかに歴史的問題、宗教的問題はハンパではないが、リーダーたるもの、それら問題を顕在化させるでもなく隠蔽化させるでもなく、他愛の精神的歩み寄りがいまこそ必要になる。ひたすらの他愛、それのみが紛争解決の姿勢である。
 
超ヒラリズム58【吉永小百合】
 ブルーリボンの女優賞をもらったのは、大変嬉しかった筈と吉永さんの胸の内を思いつつ、共に喜んでいる。『キューポラのある街』を女優吉永さんの出発と考えている私は、あの映画で同賞をもらったことに意義を感じているからだ。それでも日本アカデミー賞となると、強敵が多くてどうかナ。
 
超ヒラリズム59【吉永小百合(追加)】
 『こんにちは母さん』は、大泉洋の印象(尤も存在感ではない)ばかり強くて、吉永さんがどこにいたのか思い出せないくらい。寺尾聡との淡い大人の恋も常識的で、いい映画とは思われない。むろん吉永さんにたくさん映画賞をとってもらいたいが、今年の映画賞は例年になく割れる気がする。
 
超ヒラリズム60【再び能登の人びと】
 総てにおいて余裕がないから、ボランティアはできないが、ボランティアをやる人たちの気持ちはよく解るつもり。どんな状況でも数の力は大切で、それこそチリも積もれば何とやらだ。ボランティアをチリとは呼べないが、本人はチリだと思ってやらないと。何故なら復興の基本は政治であるからだ。
 
超ヒラリズム61【ロバート秋山】
 お笑い芸人としてもCМタレントとしても、ずっと前から凄い演技力と変態的なパワーで呆れるほどだったが、やっぱり俳優としてもこれはイケル。いずれアカデミー賞とれる逸材が現われたという感じか。ただのイケメンばかりで新鮮な俳優の登場が少ない今日、貴重なキャラクターではある。
 
超ヒラリズム62【トルストイ&ドストエフスキー】
 あちこちで書いていて、またあちこちで書くことが一部変化したりもしているが、本質的には変わりなく、私は小説は『3М』だと考えている。すなわち『物語』『ものおもいORもののあはれORもののけ』『問題意識』である。となると結句、ロシアの両文豪しかいないということになるゾ。
 
超ヒラリズム63【テイラー・スイフト】
 いまをときめく歌姫で、かつてこれほど人気と実力を兼ね備えた女性歌手はいなかったのではないか。マドンナやビヨンセもすごかったが、それを上回る美貌だから、天は二物も三物も与えたことになる。特筆したいのは、ジョン・レノンばりの政治発言政治参加で、日本のスターもこうありたい。
 
超ヒラリズム64【芦田愛菜】
 私の周りで、いま一番輝いている女優は誰かという話題になって、当然定番たる綾瀬はるかとガッキーと北川景子などの名があがる。それを脅かす存在として広瀬すず、永野芽衣、浜辺美波などの名があがるが、もっとスケールの大きさがほしいなら、芦田愛菜ちゃんの数年後を待つしかないナ。
 
超ヒラリズム65【自民党議員】
 もはや末期症状だな。自民党は一旦解体して一から出直したほうがいい。連中のやっていることは国民に対する裏切りであって、しかしその元凶は国民の側にある。国民が駄目だから政権与党が駄目なので、国民一人一人が自戒しなければならない。いくら野党がだらしないといっても、アカン。
 
超ヒラリズム66【カフカ】
 好きな作家はと問われ、数人の作家を挙げ、その上位に常にいたのがカフカである。カフカは何度読んでも魅了される。ところが既に十回も再読すると、何となく見えてくるものがあって、それを一言でいうなら、被害妄想である。カフカの文学の本質が、もし私が見えてきたソレなら些か失望だネ。
 
超ヒラリズム67【馬瓜エブリン】
 やはり彼女の力は圧倒的だった。彼女抜きにパリ・オリンピック出場はなかった。それにしても何故1年間の休養期間をとったのだろう。表向きはどうあれ、男子バスケットで彼女が解説しているのを聞いて何となく解ったのは、彼女のバスケット理解は、監督・コーチ以上ではないかということだ。
 
超ヒラリズム68【阿部詩&張本美和】
 詩と美和には魅入ってしまう。強いのみならず愛くるしいからだ。このふたりを観つづけていると、ある言葉が浮かぶ。かつて「〇〇力」なんて言い方が流行ったことがあったが、いまこそ「妹力」という言葉に注目してほしい。もちろん「兄力」でここまで来たふたりだが、それも含めて「妹力」ヨ。
 
超ヒラリズム69【ハン・ガン】
 私はハングルが読めないから、翻訳のためかもしれないのだが、ハン・ガンさんの文章を読むと、どの文章でも、その一行一行が哀しい。露骨に哀しいのではなく、そこはかとなく哀しいのだ。こういうものには滅多にお目に掛れないが、これはいったいどうしたわけなのかと思わずにいられない。
 
超ヒラリズム70【ナワリヌイ氏】
 反プーチンのリーダーが死んだ。何がどうあれ殺されたのだ。まったくプーチンの独裁ぶりというか、悪裁ぶりというか、もう末期症状だ。自民党をのさばらせる日本国民もダメだが、プーチンをのさばらせるロシア国民もダメだな。プーチンはナチスを罵倒しているが、おまえがナチスなんだヨ。
 
超ヒラリズム71【殺されたこどもたち】
 ウクライナに殺されたこどもたち、鬼畜両親に殺されたこどもたち。私は昔から発言しているが、どこの国だれの子であれ、「こどもは世界の子」なのだ。そういう教育をしなければいけないし、児童相談所のみならず世界の大人たちは、すべからくそういう気持で子どもに接しなければいけない。
 
超ヒラリズム72【ペプチドナイル】
 これは競馬馬だ。私はこれまでずっとこの馬を買ってきたが、一度も儲けたことがない。さすがに我慢もこれまでと、今回のGⅠレースでは買わなかったが、するときちまった。150万馬券を演出しちまった。いやはや惚れた女もそうだが、惚れた馬を裏切るとこういうことになるという見本ダ。
 
超ヒラリズム73【宮崎駿】
 私はいまこそ解った。突発的に解ったのだ。『君たちはどう生きるか』は宮崎の自伝であり遺書なのだ。有名なこの表題に促がされて、彼は「僕はどう生きたか」を問いたかった、残したかった。私はこの作品に辛い点を与えたが、自伝であり遺書である作品に甘いも辛いもない。ただ低頭するのみだ。
 
超ヒラリズム74【鈴木泰介&贄田麗帆】
 私の本名は佐藤だ。多い姓だから筆名を使った。娘もたぶん意識的に珍しい姓の男性と結婚した。よくある姓の鈴木さんと珍しい姓の贄田さんは、ダンスの先生でありパートナーであり私生活でも夫婦らしい。らしいというのは、失礼で聞けないからだ。私は贄田という姓を格別良いと思っている。
 
超ヒラリズム75【鈴木泰介&贄田麗帆(続)】
 姓の話に終始したが、このお二人はダンサーである。芸術家である。私はその舞台をまだ一度しか観ていないが、凄いものだと感じた。何が凄いかとあえていうなら、ダンスにそそぐ情熱であり修練であり、さらに向上力であり集中力である。〇〇一途とか〇〇一筋という言葉があるが、見習いたい。
 
超ヒラリズム76【鈴木泰介&贄田麗帆(続々)】
 鈴木さん贄田さんの芸術について、かつて(些かながらも)音楽評論家であり美術評論家であり文芸評論家であった者としてもっと詳しくできれば具体的に述べたい気持は山々なれど、いまは圧倒されるばかりで言葉にならない。例えれば初めてバッハの『パッション』を聴いたときに似ている。
 
超ヒラリズム77【村山藍子】
 彼女はおそらく(当たっていなかったらスマン)鈴木先生と贄田先生の一番弟子である。彼女はまず立姿が素敵なのである。すっと立っているだけで絵になる。ドラマを感受する。立姿からしてダンスなのだ。その上くるくる回転までするのだから眩暈がする感覚になる。将来が楽しみな逸材である。
 

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