超ヒラリズム4月の2

超ヒラリズム4月の2
 
超ヒラリズム1【キックバック議員】
 岸田サンは裏金問題で、ずいぶん頑張っている様に見えるけれども、これはあくまでも「様に見える」だけであって、本質は権力闘争で、党内調整しているだけだから、真相なんか解明されるはずもない。「説明責任」は言葉の綾で、説明も責任もナシ。もう総理大臣は国民投票にすべき時代だネ。
 
超ヒラリズム2【岡口判事】
 判事の岡口が罷免された。けっこうなことだ。彼の弁護士は屁理屈をいっているが、こういう変態には、いくら有能でも弁護のしようもない。私も変態だから、エスカレートする心理は解らんでもないが、弱き者をくじくやり方はイカン。こういう輩は必ず強き者を助ける。判事ではなく犯事ダ。
 
超ヒラリズム3【故・鈴木健二】
 四十年ほど前のこと、私の友人の鈴木健治は、飲み屋でお姉さまたちに笑われるので、本名をやめて美倉健治という筆名にした。それくらいあの頃、「気くばりの人」鈴木アナの人気と知名度は爆発していた。だからお姉さまたちの笑いは親密の笑いなのであったが、なにせ健治は照れ屋だった。
 
超ヒラリズム4【野間宏】
 野間宏を再読している。「第一次戦後派」とよばれる野間宏、武田泰淳、椎名麟三にはずいぶんと影響を受けた。そのエネルギーと存在感は圧倒的だった。私が大河評論『絶対文感』において、三者を貶したのは、あまりにも文章がお粗末だったからで、その文学の本質を批判したのではないヨ。
 
超ヒラリズム5【堀辰雄】
 乙女チックとか、純情ぶりっことか、フランスかぶれとか、どうにもそういう冠をつけたくなる作家で、『風立ちぬ』も『菜穂子』も、何度読んでも感心したことはなかったが、たまたま小林秀雄が『聖家族』を誉めているのを読んで、こんどは腰を据えて一行一行じっくり再読し、とても感心した。
 
超ヒラリズム6【堀辰雄(続)】
 
ちなみにこのタイトルは、ラファエロの『聖家族』から戴いたもので、主人公扁理が九鬼の葬儀で知った女性と、その娘との交情の有様(一種の三角関係・九鬼を含めれば四角関係)を、短編なのに実に微に入り細に入り描いている。小林秀雄ならずとも、へそ曲がりの私でも誉めるしかない傑作ダ。
 
超ヒラリズム7【堀辰雄(続々)】
 堀の短編『聖家族』のどこに感心したかというと、どこというわけではなく、作品全体の空気に感心したのだった。冒頭はかの有名な「死があたかも一つの季節を開いたかのようだった」で、芥川龍之介をモデルとした作家の死から始まる。この一行に象徴される、死の空気が、全体を蔽っている。
 
超ヒラリズム8【湯舟ヒノキ】
 私にたまにメールをくれる湯舟さんは、鮮やかなイラストを描くし、小説を書いても格別の才能がある。それなら絵と文を合体して漫画家になったらどうかと勧めたのは、実は私自身が漫画家になりたかったからである。漫画家になる一歩手前で失速したのは、芸術至上主義が邪魔をしたからダ。
 
超ヒラリズム9【故・石山健太郎】
 私はこの友人に沢山の影響と示唆を受けた。彼に教わったのは、埴谷雄高、花田清輝、渡辺京二、市川崑、グレン・グールド、ヘレン・メリル、ゴダール、ビュッフェ等々、枚挙にいとまがないくらい多くの貴重な存在を教えてくれた。結句私の厖大な作品の三割は、彼が関わっている感じがする。
 
超ヒラリズム10【タルコフスキー】
 今でも一番好きな映画監督は、タルコフスキーである。長生きしてほしかった映画監督もタルコフスキーである。それでも黒澤監督、市川監督、山田監督らの中年以降の作品を観ると、どうなのかなと思われるが、それでも天才の第一の条件は長寿であるから、『サクリファイス』の次を観たかった。
 
超ヒラリズム11【タルコフスキー(続)】
 タルコフスキーが正真の天才に成りえなかったのは、長生きしなかったからだ。黒澤明は長生きしたから天才になった。例えば梶井基次郎だって中島敦だって、志賀直哉や谷罪潤一郎ほどの天才には成りえなかった。夭折の天才というのは、夭折だが天才的という意味で、正真の天才ではないノダ。
 
超ヒラリズム12【井伏鱒二】
 名品『丹下氏邸』の冒頭に「折檻した」とあって、ドキリとしたけれど、下男が呑気に寝そべって煙草をすってばかりいるので、その仕種をずっとやらせたというのが折檻で、他愛のない折檻だった。児童虐待問題が頻繁に起こる昨今、「躾だ」なんていうなら、丹下氏を見習ってはどうかと思うネ。
 
超ヒラリズム13【井伏鱒二(続)】
 周りでは今更井伏かというけれども、いろいろ再読してみると、この作家は、太宰治が惚れて弟子入りしただけのことはある。タダモノではないのだ。太った作家は苦悩・苦闘が足りないと思われがちで、それだけであんまり人気がないのだが、苦悩・苦闘が脂肪になっちまうことだってあるんだヨ。
 
超ヒラリズム14【塩谷議員】
 世耕は潔かったが、塩谷は情ない。潔いにも裏があるだろうが、情ないにも裏があるだろう。だから裏金。政治家はもはや知らぬ存ぜぬは、いっちゃイカン。政治家の知らぬ存ぜぬは、そのことが罪悪だってことを、知らぬ存ぜぬのか。岸田だって同じ穴のムジナで、ムジナに追い出されて情ない。
 
超ヒラリズム15【猫クラゲ】
 多大な脱税ということで、ビックリしたのは、脱税をしたことではなく、多大な脱税ということは、その数倍の収入があったことだ。私らの若いころは、漫画家は貧乏人ばかりで、とても食えなくて、みんな餓死しそうな顔をしていたものだ。
それがカッコよくて、私も漫画家になりたかったもんだケド。
 
超ヒラリズム16【三浦監督VS立浪監督】
 今年のペナントレースを占ってみようか。専門家の下馬評では、セリーグは阪神、巨人あたりが優勝候補だが、こうチーム力が拮抗してくると、最後は監督の力量で決まるものだ。となると阪神の岡田監督は別格としても、三浦監督&立浪監督もあなどれないゼ。ズバリ、ベイスターズかドラゴンズ。
 
超ヒラリズム17【小久保監督VS新庄監督】
 それではパリーグはどうかというと、解説者の予想ではオリックスとソフトバンクかな。ソフトバンクは左打者ばかりだったのが、山川とウォーカーという右打者を入れたので確かに強い。それでも投手陣となると、日本ハムもかなりやるだろう。万波次第かな。ズバリ、ホークスかファイターズ。
 
超ヒラリズム18【ガザの難民】
 ウクライナの難民の状況をテレビやネットで観て、何もできない私はただ精神を痛くしていた。今のロシアは悪国として歴史に残さねばならぬ。またガザの難民の状況。精神がおかしくなるのは、精神がおかしい国イスラエルのせいにちがいない。否それを擁護するアメリカと黙視する日本のせい。
 
超ヒラリズム19【日本人】
 日本史を勉強すると、現代の日本人のひ弱さに唖然とする。例えば私があと五十歳若ければ、仲間を募って「義勇軍」としてウクライナに馳せ参じるにちがいない。あと五十歳若ければ、イスラエル武器輸出に対する国連決議に、「棄権」した政府首脳をぶん殴ったにちがいない。日本人よ恥を知れ。
 
超ヒラリズム20【日本人(続)】
 上記は私の強がりなんかではない。じっさい五十年前に私がやろうとした事実である。若い頃の私は、友人にいわせれば、ウヨクでヤクザでテロリストにしか見えなかったという。そんな肩書きは意味がなく、問題は憂国の念があるかないかであって、サヨクでクズでデロリンマンであってもイイ。
 
超ヒラリズム21【日本人(続々)】
 だが残念ながら恥ずかしながら、現在の私ときたら、足腰もペニスも男も立たず、老骨に鞭打たれたら、ミミズ脹れが死ぬまで治らないという体たらく。敵を討ち取りたくとも、パソコンのキーを打つのが精一杯。そこで何とか日々ポコポコと打ってはおるが、そのポコポコが木魚の音に聴こえる。

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