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人口推計補論:子供が増えればバラ色か?

もし、突然今年から急に出生率が倍になったとします。まあ、社会増で子供が急に増えるとかでも似たようなものなのですが、そうなった場合、2050年の平塚はどうなっているか。

人口 22.4万人

実態年少人口(0~17歳※)4.2万人
実態生産年齢人口(18~64歳※)10.9万人
老年人口(65歳~)7.2万人

(※通常は年少人口は~14歳、生産年齢人口は15歳~)

生産年齢人口:従属年齢人口
=0.95:1

2050年時点では、子供が増えることでますます生産年齢人口に対する負担が強まります。1:1どころか、少ない生産年齢人口で多い従属年齢人口を支えるという、物理的に無理じゃないかみたいな状態になります。もちろん2100年までみたいな長期で見れば、この状態は解消していきますが、ある一定期間、生産年齢人口には今以上の負荷がかかりますので、やっぱり社会の維持は困難なように思いますし、少なくとも混乱は避けられないように思います。

生産年齢人口は2050年に現状推計で9.5万、出生率倍で10.9万と+1.4万にしかなりません。

これは子供が生産年齢人口に達するには20年近くかかるためです。その間はむしろ生産年齢人口へ負荷がかかり続けることになります。

なので、子供が増えればバラ色というわけでもないのです。

人口バランスは一度崩れると、健全な比率になるのにかなりの時間を要します。

これが手遅れとなってしまっている要因です。すでに対策をとるべき時期を逸しており、ノーリターンポイントを超えてしまっているのではないでしょうか。

今、政府がやっている少子化対策と称するものの効果自体が疑わしいのに加え、仮に成功したとて、混乱期は避けられない可能性が高いわけです。

ましてや、この混乱期に突入する時期までを想定した公共事業がいかに無謀かということも考えなければいけないでしょう。

希望的観測、根拠なき楽観論、無関心は確実に『失敗』を呼び込むので、まぁ眺めるしかないのかなあと思ったりします。

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