見出し画像

妊活前に男女ともブライダルチェックを受けた方がいいよっていう話

2020年に第一子を出産した私に、結婚して2年ほど経った妹から質問があった。

「そろそろ子供を考えてるんだけど、何かしたほうがいいことってある?」

おお~、妹よ。互いに独立してからそこまで往来があったわけではないが、妹がもうそんな年になったかと思うと、姉ちゃんは目を回しそうだよ。それだけ自分が年くったってことだからな!
本当は、子供連れではなかなか行きにくい場所を旅行したり、妊娠中は禁忌のアルコールやら美食やらを存分に楽しんでほしいと伝えるところだが、それがやりにくいご時世となれば、オススメはあとひとつしかない。

「ぜーったい男女二人ともブライダルチェックやったほうがいいよ!!」

なんとなくブライダルチェックって、自分や相手に生殖能力があるのか、性病にかかっていないか、といった割と踏み込みにくい領域を検査するイメージがあるが(もちろん性病の検査はやるに越したことはない。パートナーだけでなく胎児にも感染する病気もある)、それでも受けてほしいと私は思う。

以下に、ブライダルチェックを受けた方がいいと思う理由を2つ挙げる。


(1)医師に相談したうえで、妊活の計画が立てられる

そろそろ妊娠、と考えてネットで調べようものなら、「20代後半の妊娠する確率は〇〇%、30代前半は……」とか、「自然に流産する確率は健康な妊婦でも15%もある」とか、「妊娠を焦ると男性はやる気をそがれる」とか、不安になる数字・エピソードのオンパレードである。ネット上の見ず知らずの誰かが書いた情報に踊らされてもやもやするのは、時間と精神疲労の無駄。ブライダルチェックを受ければ、産婦人科または不妊外来の医師に、きちんと自分や相手の年齢、体質、病気の有無をもとに、どう妊活を始めたらいいか具体的に相談できるのだ。ちなみに私のときは、「まずはタイミング法を試して6か月かけても妊娠しなかったら、不妊外来に相談してもいいかも。健康な男女が性生活を送って1年妊娠しなければ不妊症と言われるけど、6か月の時点で動いた方が時間に余裕があっていいから」とアドバイスを受けた。漠然と妊娠したいな~と思いながらイチャイチャするより、行動する指標と自力でがんばってみる期間を定められたのがよかった。なお可能であれば、医師により詳しく相談できるよう、ブライダルチェックの2~3か月くらい前から基礎体温をつけることをオススメする。

(2)【超重要!テストに出ます!!】男女二人の免疫の抗体不足が発見できる

これ!!まさにこれ!!

個人的には(1)よりももっと重要である。というのも、妊娠中に感染すると妊婦本人だけでなくおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす病気が世の中にはあって、しかも妊婦は無症状な場合がある病気とか存在する。代表的なものが風疹。

妊婦とくに、妊娠初期の女性が風疹にかかると、お腹の中の赤ちゃんが風疹ウイルスに感染してしまい、難聴、心疾患、白内障、緑内障、精神や身体の発達の遅れなどの障がいをもった赤ちゃんが生まれる頻度が高くなります。これらの障がいを先天性風疹症候群といいます。先天性風疹症候群がおこる頻度は、風疹にかかった妊娠の時期により違いがあります。先天性風疹症候群の頻度は妊娠週数が早いほど高く、妊娠4~6週では100%、7~12週では80%、13~16週では45から50%、17~20週では6%、20週以降では0%という報告があります。 <https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_26.html>

いや恐ろしすぎるわ、こんなん。女性はもとより、男性もパートナーにうつさないよう感染してはいけない。ブライダルチェックではこうした病気に対する免疫の抗体検査をしてくれ、抗体が不足している場合は自費診療にはなるが、予防接種を受けさせてくれる。それがパートナーを守ることにつながり、まだ宿らざる未来の命を守ることにつながる。

自分たちだけではない。2020年、日本では87万人がこの世に生を受けたというが、それはつまり、2020年、87万人以上の妊婦が街を歩いていたことを意味する(私もその一人だった)。たとえ親戚や友人に妊婦がいなくても、絶対にどこかですれ違っているはずなのだ。自分たちがちゃんと抗体を持てば、同じ街に生きる妊婦と赤ちゃんも守れるのだ!!もうこの(2)だけでブライダルチェックを受ける価値はありまくるんじゃないだろうか。


「なるほど……。まだすぐ妊娠したいわけじゃないんだけど、もう受けてもいいのかな」とは妹の弁。
「そう思っているうちに受けた方がいいよ。すぐ妊活を始められるとは限らないし」

というのも、抗体不足が判明し予防接種を受けた場合、抗体が作られるまで2~3か月は避妊するよう医師から忠告されるからだ。「よーし、今日から妊活やるぞー!赤ちゃんいつでもおいでー!」って心境になってから避妊を指示されると、ちょっとだけ出鼻をくじかれるかもしれない。実際、私たち夫婦はまさかの二人とも抗体不足だったため、予防接種して2か月避妊した。

もちろん、ブライダルチェックを受け、妊活の方針を決めて、体調を万全に整えても、想定通りに赤ちゃんが来ることはない。待ち望んでも全然来ないこともあるし、予想より早く来すぎて激しく動揺することだってある。(私は避妊期間明け=妊活開始直後に妊娠したため後者だった。動揺っぷりについては以下の記事に書いた)

https://note.com/hirato_nozomi/n/n167b9d5a4996

ともあれ、「そろそろ赤ちゃん考えようかな。何したらいいんだろう」という妹のような方がおられたら、私は男女でブライダルチェックを受けるといいよ!!と鼻息荒くオススメするのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?