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【産後】まじで風呂上がりに化粧水を塗る時間がない

出産する前、先輩パパ・ママから「お風呂のあと化粧水を塗る時間もないんだよー」とは聞いていた。

いやあ、そんなわけないでしょ。だって、化粧水をコットンにしみこませて丹念にパッティングするとか意識高い系ならまだしも、バシャバシャ手に出して顔に塗るなんて、ものの十数秒じゃないか。そのあと乳液を塗るのと合わせても1分もかかるはずがない。塗れないわけが……。

そう考えていた時期が、私にもありました。

産後。まじで風呂上がりに化粧水を塗る時間がない。

そこにびしょびしょで転がっている赤ちゃんがいるからである。

赤ちゃんはひとりでお風呂に入れない。だからパパ・ママが赤ちゃんを抱えて、一緒にお風呂に入る。先に親が自分の身体を洗い、次に座らせるか寝かせていた赤ちゃんを洗う。赤ちゃんがご機嫌な日はいい。ご機嫌じゃない日は、ずっと「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん」と大号泣している赤ちゃんをなだめながら、パパ・ママは自分の身体を特急で洗い、赤ちゃんに取り掛からなければならない。

いや、ご機嫌でも不機嫌でも、赤ちゃんがその場に踏みとどまってくれているなら、まだいい。赤ちゃんは待っている間、暇なのである。暇だから遊びたいのである。やおら前屈して床のタイルを触りに行く。シャワーをつかむ。排水溝に指を突っ込もうとする。椅子をなめる。ドアもなめる。泡のついたパパ・ママの足に触って、泡まみれの手を自分の口に持っていく。だんだん風呂場が温かいので気持ちよくなってくる。ほかほか。すると何やらむずむずしてくる。立ち上る湯気と臭気……。「ぎゃーーー!うんちしてるーーーー!!おしっこもしたーーー!!」

1度だけ、うちの子は床を触ろうとしてベビーチェアから転げ落ち、頭を打った。事件まで1、2秒。自分のシャンプーを流していた私は止められなかった。子供がいなかった頃、「親が目を離している隙に子供が〇〇をしていた」という話を聞くたびに、「目を離さなきゃよかったじゃん」と思っていた。

土下座したい。

シャワーで髪を流している間、どうやって目をかっぴらいて見ろっちゅーねん。毎日毎時間毎分毎秒、わが子から目を離さないでいるなんて無理だ。

転落事件以降、私は泡だらけの自分の足をベビーチェアの前にどーんと置いて、うちの子が乗り出さないようにしている。それでもはみ出そうとしてくるときは、自分の身体を洗いながら腕で阻止している。洗いにくかろうが、足や腕をなめられようが、転倒されるよりいい。毎日そんな感じ。しっかり湯船に浸かって、なんなら本をゆったり読んでいた妊娠前のあの日々は、もはや幻想のようだ。

さて、怒涛の入浴を経て脱衣所。目の前にびしょびしょの赤ちゃんが転がっている。

泣いているかもしれない(実話)。動き出して脱衣所のごみ箱をひっくり返すかもしれない(実話)。おしっこするかもしれない(実話)。うんちするかもしれない(実話)。

何より、自分で身体を拭けない、この世界一かわくて温かい小さな赤ちゃんが風邪を引くかもしれない!!
「寒い」「なんか風邪引きそう」「熱あるかも」なんてしゃべれない、大切な宝物ちゃんが!!

赤ちゃんの身体を大急ぎで拭いて、オムツを履かせて、保湿して、耳と鼻掃除して、服を着せて、泣いていたら抱っこして、水分補給させて、ごみ箱に突撃しようとしていたら阻止して。そしてようやく自分の身体を拭くターンになる。

果たして、化粧水を塗る時間はあるだろうか。

いや、ない(反語)

自分をおろそかにしたいわけじゃない。自分をケアする時間とツールに制約がありすぎるのだ。

化粧品メーカーさーーーーん!!!
お願いだから、「たった1つで保湿、美白、エイジングケア、その他なんでもできて、ぺぺぺって塗ったら終わるオールインワンジェル(乾燥肌、混合肌、脂性肌、敏感肌別)」を開発して発売してくださーーーーい!!!!ポンプ式で(マスト)!!!!できれば癒されるようなほっこりするいい感じのテクスチャと香りでお願いしまーーーす!!!無香料バージョンもお願いしまーーーーす!!!化粧水、美容液、乳液なんてばらけさずに1つにまとめてお願いしまーーーーす!!!

入浴後に化粧水を塗る時間がないことで悩んでるのって、大体20~50代くらいだろうから、こういうハイパー高機能オールインワンジェルがあったら絶対売れると思うんだけどなあ。本当に発売してくれないかなあ。男性でも買う人いると思うんだけどなあ。と、明らかに乾燥した自分の肌と、8Kにも余裕で対応できる0歳児のハリツヤしかない肌とを見比べながら、日々思うのである。

あー今日もお風呂だぁ。みなさん今日もお疲れ様です。

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