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ネックレス 子虎

2022年が始まりました。
ひらしまゆかです。本年もよろしくお願いいたします。

ピックアップギャラリーではヨメ目線で作品のお話をしています。
今日は夫・平島鉄也の新作をご紹介いたします。

◆本日のピックアップギャラリー

ネックレス「子虎」2022年制作
平島鉄也

平島鉄也 ネックレス「子虎」(925銀)

子虎の大きさ
31×11×13(mm)
革紐:牛革 フリーサイズ 
革紐の色:黒、肌、茶、焦げ茶

夫、初めて「干支を意識して制作」したそうです。展覧会で人気のMiniオブジェシリーズの中に干支の動物も多々いるので、干支の動物を探されるお客さまもしばしばおられ、聞かれるのです。その度に「干支は意識して作っていないんです^^;」と正直にお答えするしかなく。干支が揃っていたら喜ぶお客さまも多いだろうなぁと私もリクエストはしていたのですが、展覧会テーマや他の進行中の作品などの都合で、なかなか手をつけられずにいました。
ところが昨年、長年制作を中断しながら作っていた別の作品(また別の機会にご紹介いたします)が完成し、展覧会もひと段落。作るか、干支!となったようです。手始めに今年の干支のトラです。(あ、手始めにと申しましたが、干支シリーズが完結に向けまた制作されるかどうかは神の御心のみぞ知るところかと。気まぐれな作家をかたじけなく思います。)

写真をいくつかご覧ください。(クリックすると大きく表示されます。)

真鍮と925銀の2タイプあります。
真鍮の子虎
後ろ姿(925銀)
情けなさが愛らしい(真鍮)
正面(真鍮)

・・・このように、たいへんかわゆい子虎となっております。母虎に首根っこをくわえられたイメージのポーズをしています。ちょっぴり情けない表情と母虎に運ばれるままのだらんとした姿勢がたまりません。ネックレスとしてつけると、しっぽが出ているので子虎の顔はつけている人に寄り添うようなカタチになり、なんだかより一層うなだれているような・・・甘えん坊の子虎、でしょうか。

制作技法はロストワックスキャスティング。脱蝋鋳造です。まず、原型をハードワックスと呼ばれる彫刻のできるワックスで作ります。パソコンのある生活をしていると、虎さんを「大きく作って縮小」できたらいいな、なんて思いますが、もちろん虎の柄模様や顔の表情なども原寸で彫刻しています。夫は器用か、と問われれば、超絶器用だと思います、ヨメ。(本人は、僕よりすごい人なんてたくさんいる、というお考えです。)ハードワックスは色がついているので、カタチが見えにくいとのことで、今回は仕上がったワックス原型に白い粉末の顔料をまぶしてカタチの確認をしていました。微調整を経て完成したワックス原型を鋳造します。
鋳造(キャスト)は鋳造屋さんにお願いしています。ざっくりと鋳造ってどんな作業かをお話します。ワックス原型を耐火石膏という火に強い石膏に埋没して、窯で石膏を焼くと、ワックスは溶けて流れ出たり蒸発します。すると、石膏の中に原型のカタチの空洞ができ、そこへ溶けた金属を流し込むと、ワックス原型が金属に置き換わるという感じです。鋳物、ですね。

小さな子虎さん、真鍮と銀で鋳造しました。銀はホワイトタイガーといったところでしょうか。アタマからしっぽまで3.1センチ。背中には刻印が入っています。今回は虎の柄模様になじむようにと大きい刻印を選んで打ったようです。

1年の始まりに小さな試みをと思い、直販サイトを立ち上げました。2022年1月14日現在、子虎の販売はコチラの直販サイトと工房にて対面販売のみとなっております。一度ご覧いただけますと幸いです。

今日は新作・子虎のネックレスについてお話しました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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