【クリニック・エステは要確認】医師法違反・美容師法違反の事例をまとめた。

「きれいになりたい」という願いの叶え方は1つではありません。
化粧品などの物を使って叶えることもできるし、
美容医療やエステを使って叶えることもできます。

薬機法という物を縛る法律だけを気にしていると目に入りにくいですが、「誰かをきれいにする事業」と考えたときには溢れかえるほどの商品があり、サービスがあります。


私も普段、薬機法専門行政書士として化粧品メーカーやメディアに向けて広告のアドバイスを行っていますが、美容クリニックやエステといった施術領域からもご相談を受けています。


今回は医師法違反・美容師法違反の事例を取り上げ、資格なしにできない事業について解説していきます。

記事を読むのがおすすめなのはこんな方!


・クリニックやエステの広告に関わっている

・薬機法はわかるが医療法など他の法律は“?”

・複数の商品を扱う企業内の薬事担当者として基礎からしっかり理解したい




免許は何のためにある?

まずは免許の意味を押さえておくと事例の理解が楽チンです。


そもそも免許って何?当たり前になっていますが、じっくり考えたことがあるという人は少ないのではないでしょうか?

【免許】とは、
本来してはいけない行為をやってもいいですよ!と許したことの証明です。
(ざっくり)

一番の代表例、生活に関わる免許

免許の代表的な例としては【自動車の運転免許】が一番身近かと思います。
自動車の運転というのは、危険が伴います。
ルールを知らない人や、運転技術の無い人がおこなってしまうと事故に繋がり被害が出る可能性があります。

だから、公道における自動車の運転は運転する技術と知識のあることが証明された免許を持つ人にしか許されていません。

会社の事業に関わる免許

会社に対しても免許を与える場合があります。
例えば、化粧品というのは人に肌に直接つける物であり、無責任に誰でも作ることができるとすると人体に被害が出てしまうような危険な商品が世の中に出回ってしまう可能性があります。

だから、会社が事業として行う化粧品の製造は安全に商品を製造できる設備と人材を備えたことが証明された免許(許可)をもった会社にしか許されていません。

(※個人でも化粧品許可取得はできますが、主題から逸れるので企業とだけ書いています)


職業に関わる免許

免許が職業に関わる場合もあります。国家資格という呼び方もありますね。

医師・看護師といった医療に関わるもの
弁護士に代表される法律に関わるもの
学校の先生・介護施設の職員といった教育や福祉に関わるもの

どれも免許が必要な職業です。

例えば医師になりたいとすれば、「今日から私お医者さんになります!」と言って医療行為ができるわけではありません。

医師を名乗ることができるのは、医療行為を行うに足る知識と技術があることを証明する免許がある人だけです。

では、無免許で医師にしかできないはずのことをしてしまうとどうなるのでしょうか?ここからは事例を見ていきます。

無許可でヒアルロン酸注射を行った疑いで逮捕

無免許で医療行為を行った疑い ベトナム人逮捕

医師免許がないのに美容施術としてヒアルロン酸を注射する医療行為を行ったとして、32歳のベトナム人が逮捕されました。

逮捕されたのは三重県桑名市の会社員でベトナム国籍のファム・ティ・ハット容疑者(32)です。

警察によりますと去年9月、医師免許がないのに富山県上市町で県内に住む30代のベトナム人の女性に対し美容施術としてヒアルロン酸を注射する医療行為を行ったとして、医師法違反の疑いがもたれています。

調べに対し、容疑を認めているということです。

SNSに注射している動画を掲載し、「安い値段でヒアルロン酸の注射ができる」とベトナム語で客を集めていたということで、警察はほかにも同様の施術を繰り返していなかったかなど詳しく調べています。

2024年2月7日 富山NEWS WEB

 

医師免許なく医療行為を行うことは医師法違反となります。
この件では医師免許を持たない方が医療行為である注射をしたことが問題となり、逮捕されました。


エステティシャンに医療脱毛をさせた疑いで逮捕

同じく医師法違反の事例ですが、今度は使った機器に問題がありました。

ニュースより引用


腕や顔にやけどした患者も…エステティシャンにレーザー脱毛させたか 医師ら3人逮捕 静岡・島田警察署

医師ではないエステティシャンらに医療脱毛をさせていたとして、静岡県島田市の美容クリニックの院長ら3人が逮捕されました。
 医師法違反の疑いで逮捕されたのは、島田市のクリニック院長の男(59)と元従業員の女2人です。クリニック院長の男は2021年4月ごろから去年1月ごろまでの間、医師ではないエステティシャンの女2人に医療行為となるレーザー脱毛をさせた疑いが持たれています。
 警察によりますと、クリニックでは2010年から医療脱毛を行っていて、これまでにおよそ1200人が施術を受けたということです。院長は事前の問診などをせず、エステティシャンに脱毛を任せていたとみられ、患者の中には腕や顔にやけどをした人もいるということです。
 警察は院長らが容疑を認めているかどうか明らかにしていません。

2024年1月10日 静岡朝日テレビ

ニュースの文面からすべて読み取れるものではないため、予測を含めますが、【医療脱毛を行った】としているため使用した脱毛用の機械が医療機器だったものと考えられます。
医療機器の使用についても無免許で行うことができない施術となっているため施術したエステティシャン・管理している医師、どちらも逮捕されることになりました。

(疑問)看護師は医療脱毛してもいいの?
看護師の場合には、医師の指示のもと施術することが可能です。

美容師法違反事例

美容師法違反で逮捕された事例を確認すると、まつげエクステの施術によるトラブルが多く見つかります。

美容師でなければできない施術:まつげエクステ

まつげエクステについても美容行為に該当するため美容師免許が必要となります。
まつげエクステについては美容師免許を持たずに施術し危害が起こる事例が多発したことから厚生労働省が通達を出し、2008年以降明確に美容師免許がいることになりました。

まつげエクステの他にも、美容師でなければできない施術はたくさんあります。

美容師でなければできない行為:シャンプー

シャンプー等の美容行為は、必要な衛生措置を適切に講じるための知識を修得した美容師が行う必要があるとされ、無資格者である学生が美容行為を行えることとすることは、できないとの見解が厚生労働省から出ています。

美容師でなくてもできる行為:ドライヘッドスパ

洗髪行為を含まない、ドライヘッドスパについては【リラクゼーション】に属するものとして美容師免許を持たない者の施術が認められています。

美容師でなければできない行為:ヘアセット・メイクアップ

ハサミを使用しなヘアセットであっても美容行為に該当するため美容師免許が必要となります。
またメイクアップについても、美容師免許が必要です。

(疑問)美容部員もメイクしているような?
人の容姿を美しくするための施術(美容行為)に該当するかどうかがポイントになりますが、美容部員がお客様に対し商品を使ってメイクすることは販売が目的となるため美容行為に該当せず、美容師免許が不要とされています。

まとめ

今回は美容施術に関わる免許のお話しと、【医師法違反・美容師法違反の事例の事例】でした。

薬機法以外にも知っておくべき規制はたくさんあります。
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また、何か質問などありましたらご相談ください!

ひらさこ



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