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役に立つこと

それが何の役に立つというのだろうか?
それが何の得になるのだろうか?

何の役にも立たないことを
何の得にもならないことを
なぜそんなに夢中になってやれるのか。

やれていたのかを考えていた。

それとも
何かの役に立つと想って、
何かのメリットがあると想って、
それをやっているのだろうか?

何の役にも立たないことを
何かの役に立つと想って・・・

そういうことじゃないのか?
ただ純粋に楽しんでいるのか?

それとも
「正しい」からやっているのか?

それとも
何かの仕返しのためにやっているのか?

*******

息子が
ルービックキューブを夢中でやっている。

何が楽しいのかわからない。

同じ色で面を揃えることが
難しいのはわかる。

同じ色で面が揃うとそれは
嬉しいことであり、
誇らしいことであり、
喜ばしいことなんだろう。

「すごいね〜」
と言う。

「どうやってやるの?」
と聞く。

いくつか息子から
説明を受ける。

そこに価値を感じれない僕は、
集中が続かない。

何が面白いのだろう?

物理が、物の理が通っていくのが
心地好いのかもしれない。

頭の体操になる。とは聞く。

ルービックキューブに夢中になって
考える力をつけることは
「良いこと」だ。
と、昔から大人、社会から聞いていた。

*******

子どもの頃は
確かに夢中になれた。

面が揃うことに
「すげー!」
って本気で感心した。

そして
同じ高みを目指す仲間が、
ブームとなるべく同級生がいた。

でも、僕は頭が悪かったのか、
夢中になりきれなかったのか、
考える力が足りなかったのか、
謎は解けないまま、
「誇り」を手にすることがないまま、
幼い、成長の時を
通過していった。

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少年時代、
やはり僕も少年だったので、
「釣り」に興味があった。

父親と川に行くのが好きだった。

高学年、中学生になって、
友達と、ルアーで
ブラックバスを釣りに行ったりもした。

僕はこれも苦手だったぽい。

まず、針と糸を結ぶのが不器用で、
ようやく仕掛けが完成したかと思えば、
「そろそろ場所を変えようぜ」。

よーし、次の場所から僕も釣るぞー!

で、3分で根がかり。

糸を切って、
また新たな仕掛けを
不器用に結び直す。

そんな時間を繰り返しては
夕暮れ・・・。

*******

でも、それらの過ごした少年時代の時間は
嫌いではなかった。

そこにある「自然」、
不法投棄のガラクタ、
草むらを探検、
季節の匂い・・・

「在るもの」を味わっていた。

その「在るもの」を
どうやって味わってやろうか・・・?

同じ時を過ごしながらも
僕ら一人ひとり、
感じ方、見ている世界が違うのだろう。

僕はそのまま思春期に入り、
その匂いに触れたい欲求を
「詩」で描いて
満たそうとする手段を
取るようになった。

*******

また、もうひとつ、考えがある。

当時、千葉の工業地帯で育った僕にとって、
川へ行って「釣り」をすることは
「キャッチ&リリース」が基本だった。

釣っても食べることが出来ない。

ヘドロのような川しか、
近所にはなかった。

もしこれが
綺麗な清流の田舎町で生まれ育っていたら・・。

釣ったらそれを食べることが出来る。

生きるために「役に立つ」行為と変化する。

それならば、
釣った魚が食べられるならば、
それを理由に、
僕はもっと「釣り」に
価値をおけたのだろうか?

*******

役に立つならば、
その行為の「価値」は
もっと上がるのだろうか?

*******

「音楽」をしている。

ずっとやっている。

中学1年生の時に、
思春期の不思議な感情を
どうやって処理しようか・・・
という、
今、分析すると
そういうきっかけなんだったと思う。

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何の役に立つのだろう?

何か役に立ったんだろうか?

*******

思春期の感情の処理、整理には
役に立ったのかな?

少なくとも
役に立つと想って、
役に立てようと想って始めた行為なんだと、
今、こうやって分析する。

*******

「音楽」を利用して、
「言葉」を利用して、
漠然としていた
戸惑いや「想い」を
表出させた。

ブルーハーツとか、ロンドンパンクとか、
先輩達に「想い」を重ね、
10代をやり過ごした。

*******

大人になりずいぶん経つ。

今、「音楽」は
役に立っているのだろうか?

僕の人生の
役に立っているのだろうか?

役に立つ使い方を
出来ているのだろうか?

「役に立つかもしれない」と
想っていた行為は、
本当に役に立つのだろうか?

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何の役に立つと想っているのか。

食い扶持として
役に立つと想っているのか?

人や社会との繋がりのために
役に立つと想っているのか?

「自分」との繋がりのために
役に立つと想っているのか?

世界、人生を理解するために
役に立つと想っているのか?

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それならば、
もっと効率的な方法が、
今の時代、世代、ライフステージに合わせて
あるような気がする。

それらにゲームチェンジした方が
役に立って、
もっと成長やら、健康やら、脳活やらに
便利な方法が・・・。

*******

実際、
「役に立つかもしれない」

そんなモチベーションで、
音楽を続けてきた。

10代の「自己理解」のための音楽が
役割を終えたかと思うと、
今度は
社会に通ずるため、
承認してもらうため、
和解するため、
利益を得るために
「音楽」を利用しようとした。

それらは
だいぶ勘違いの時間だったし、
行為として、間違った行動をしてきた。

それでもその時は
「役に立つかもしれない」
と想って、その音楽活動を選んできた。

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恥ずかしながら
今だってそうだ。

「ライブ活動」が
あまり役に立たなくなった。

音楽のLIVE体験が
必要とされなくなったのか、
「僕の音楽」のLIVE体験が
必要とされなくなったのか…。

各々のパーソナリティによって
人生の開かれ方は違う。

僕の個人的な見解です。

僕にとって役に立たない
ということは、
みなさんや、世の中にとって
「僕の音楽」では役に立たなかった。
ということだ。

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それは、本当は
わかっていた。

役に立つことをしているとは
想えない。

役に立つことは
僕がずっと僕自身が望み、
役に立てようとしてきた音楽行為
とは違う。

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「僕のやりたいこと」以上に、
人々の「やってほしいこと」に
耳を傾けなければ!

で、耳を傾ける。

ルービックキューブで
6面を同じ色で揃えられたからって、
そんなにみんなに喜ばれることじゃない。

さらに
面が揃うロジックを説明したところで
「なるほどねー」と、
そんなに興味を示してもらえない。

それよりも、
散らかった部屋を
片付けてほしい。

ちゃんと作ったご飯を
好き嫌いせずに食べてほしい。

ちゃんと学校に行ってほしい。
(これは自分軸の意見ではありません)

ちゃんと夏休みの宿題を
片付けてほしい。
(これも僕の声ではなく
一般的に言われてると思われる声です)

*******

結局、僕らは
役に立とうが、
役に立つまいが、
やらずにはいられないことを
やっている。

正当性を主張しあって、
不当性を罵り合って。

それぞれの立場があって、
それぞれの感覚を用いて。

*******

自分の感覚を確かめ、
相手の感覚に想いを馳せる。

僕と同じように、
その人は
そこに価値を感じていて、
それをしているんだ。

僕は今、
早朝の公園で
パソコンを開いてnoteを書いている。

昨日、朝起きたら、
息子とポケカバトルをすることを約束した。

暑くなる前に、
畑も耕したいし、
買ってきた網戸も組み立てたい。

役に立つことをしたい。

そして、
何の役に立たせようと想っているのか・・・
レコーディングしたい曲に、
本物のドラムでレコーディングしたい。
というだけのモチベーションで、
ドラムを練習している。

他に役に立つのか?
この歳になって、
新しい楽器を覚えても・・・。
もっと効率のいい、
やり方を優先させるべきだ。

誰の役にも立たない音楽を
いつまで続けるつもりなんだ?

誰かの役に立たせたいんだったら
もっと力を注ぐべきところが
あるだろう?

*******

こんな自問自答を繰り返しながら、
日々、櫓(オール)を漕いでいます。

今日も
何の役に立つのか、立たないのか。
やらずにはいられない
このモチベーションは何なのか?
自問自答しながら
ツイキャスでのライブ配信も予定します。

noteも最近、
書かずにはいられず、
毎日書いている。

自問として、
何か役に立つのかもという衝動も
あるかもしれない。

でも、音楽するより、
note書いた方が、
アクセスしてくれる人が多い。
なんていう、
ダッシュボードを眺めては、
それがモチベーションとなる。

それを打算的で、
勘違いだろう?
と悶える僕もいる。

アクセスが多い方が
何らかの役に立つと想っているのか?

では、
なんで、
多くの人が望むわけでもない音楽を
いつも、今も
続けようとするのか?

何も考えず
何もこだわらずに
描けたらいいのにな
クレヨン

クレヨン / 真島昌利

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noteは書くよ。

でも音楽は続けるんだ。
描きたい現実を、
「説明」ではなく「詩」で
紡いでいるから。

やっぱり表に現していきたいんだ。

あ〜!
子ども達が起きる。
ポケカ対戦やりに帰らないと!

うたが、音が、言葉が、 もし心に響いてくれたなら サポートいただけたら嬉しいです。