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KindleでBLが30%引きだっていうので、ガチでおすすめの対象BLを紹介していく

もう本当にタイトルどおりの内容です。「きんどるどうでしょう」さんが紹介されていた対象BL2000作品(kobo追撃(?)ボーイズラブノベルス約2,000冊が30%以上OFF or 還元セール)をくまなく確認して、そのなかで自分が読んだことがあって心からおすすめできるものだけ紹介していきます。「きんどう」さんによれば、セールは22日までだそうです。

もう心からおすすめなんだけどシリーズものや絶版なのでなかなか紹介しにくかったやつとかも対象になってて嬉しいです。量が多いので淡々と。


ふったらどしゃぶり When it rains, it pours【電子特典イラスト付】 (フルール文庫 ブルーライン)

これはもう買いましょうよ、44%引きですよ、おくさん。ちょうど続編の『ナイトガーデン』も来週発売されますよ、おくさん! 『ふったらどしゃぶり』の素晴らしさについてはこちらの記事(ボーイズラブに女は必要か?)でねちねち書いたのでよろしければどうぞ。もう『ふったらどしゃぶり』を買ってくだされば、とりあえずこの記事の目的は果たせたといっても過言ではありません。

愛と混乱のレストラン (シャレード文庫)

あ、でも『愛と混乱のレストラン』も名作だし、10回読んでも飽きないのに22%引きだからみなさんいかがですか? もっとも月9にしたいBLナンバーワン。「美味しいもの」を憎んでいるにもかかわらず、外食チェーン企業で働き、そのお荷物となっている赤字のグランメゾンを立て直すことを命じられた受けが、腕はたつけど口の悪い傲岸な料理人の攻めと衝突したり恋愛したり仕事したり食べ物の素晴らしさを分かち合っていく話です。参考文献に『調理場という戦場』が並んでいるだけあり、調理場の描写がとても圧巻。っていうか高遠先生の文章は、シンプルななかに色気があってほんとう美しい……。全3巻すべてセール対象だから、この機会に全部読んじゃいましょうよ、おくさん。


葛城副編集長の最後の賭け (角川ルビー文庫)

そして『愛と混乱のレストラン』読んだら絶対高遠さんの他の本も読みたくなると思うのですけど、今ならなんとこちらも37%引き。素晴らしいですね、素晴らしい。名家の因習に嫌気がさして自分の腕ひとつで都会でバリバリ働いている放蕩息子攻め×田舎においてきた健気だけど頑固な奉公娘受けって感じなんですけど、三島由紀夫『春の雪』が全体のモチーフとなっており、その引用などもあったりして、ルビー文庫随一の高尚さを誇っています(※ルビー文庫が高尚じゃないみたいな言い方してすみません、大好きですよすみません)。シリーズものはちょっとハードル高いかもって方もこちらからいかがでしょうか? 一応この前に同じ世界観の『成澤准教授の最後の恋』というのも出ていますので、興味あればそちらも。



純情ポルノ (シャレード文庫)

っていうかシャレード文庫がセール対象なの本当にうれしいなあ。『純情ポルノ』については特に言葉を尽くす必要はありません。だってこの二宮悦巳先生のイラストが圧倒的な説得力じゃないですかー!



毎日晴天! (キャラ文庫)

そうそう、「挿絵:二宮悦巳」の裏切らなさの証明として圧倒的におすすめしたいのは、『毎日晴天!』。第1巻はだいぶ昔に出たので、ちょっと上の『純情ポルノ』に比べて絵柄が古く感じるかもしれないですが、こちらも二宮さんのイラストです。いやーーー家族ものBLの金字塔。大好きです。

二宮さんのコミカライズ版も素晴らしいです。今新装版が刊行中ですが垂涎です。もう全部持ってるけど買い直してるもん……。


毎日晴天!  新装版  (キャラコミックス)

さて、まだまだ「挿絵:二宮悦巳」無双は続く。


秋霖高校第二寮(1): 1

二宮さんの挿絵って、ほのぼの切ない現代擬似家族ものにめっちゃ合いますよねほんとう……。寮ものです。1巻とか書いてあるとちょっと躊躇してしまうかもしれませんが、これもぜひこの機会に。傲岸不遜で何でもできるように見えるけど実はさびしくて受けにしか甘えられない(=受けのことばかりいじめてしまう)攻め×自分のことを平凡で何のとりえもないと思ってウジウジしてるけど実はみんなに慕われていてそのことにちょっとずつ気づいていく受け、という組み合わせを書かせたら月村さんの右に出るものはいない、マジで。

今回のセールの対象ではないですが、『おとなり』『CHERRY』も神作品なのでみなさんぜひ……。ちなみに「CHERRY」は前野智昭さん×鈴木達央さんでCDにもなっていますよおくさん……。


おとなり (ディアプラス文庫)


CHERRY (チェリー) (ディアプラス文庫)


「うーん、もう少しねっとり恋愛メインで書いているやつがいいんだよなあ……」という声が聞こえてきた気がしますが、そんな方にはこちらを。


チョコレート密度 (角川ルビー文庫)

BL界のラブストーリーの女王といえば崎谷はるひさん(今私がつけました)。最近は一般文芸で精力的に執筆されていて解脱気味ですが、これまでに出版されたBL作品は100冊ちかく(検索結果からKindleの冊数を抜いて概算)。すごい、マジですごい。そんななかでも『チョコレート密度』はアホエロだけどカタルシスもあっておすすめです。そしてちょっとさきやんのことが気になったあなたはぜひ不朽の名作『しなやかな熱情』を……三木眞一郎さん×神谷浩史さんのCDが最高に最高で最高なのですよ……。



なんか、淫魔に憑かれちゃったんですけど 特別版 (シャレード文庫)

そうだ、アホエロといえばこの方を忘れてはいけなかった。アホエロ界に燦然と舞い降りた新星・松雪奈々さん。淫魔ものってBLにはまあ氾濫していて、もう「アホ」扱いするまでもないというか、どっちかというとねっとりエロなものが多いんですけど、この作品の淫魔はなぜか「小さいおっさん」の格好をしているので、完膚なきまでに「アホ」です。最初から最後まで愉快な読書体験ができます。ぜひ気分のすぐれない日にお読みください。



嘘と誤解は恋のせい  (小説版) (花丸文庫)

そして「きんどう」さんも紹介されていましたが、小林典雅さんも「アホエロ」におけるパイオニアというか、「アホエロ」を紹介するうえで欠かせない存在でした。社会人類学のアンケート調査と称して隣のサラリーマンとお近づきになろうとするトンデモBLです。あらすじが最高なので、商品ページをぜひ見てみてください。


なぜ私はこんなに熱心に「アホエロ」ばかり紹介しているのか……そうですよね、「アホ」抜きのがいい方もいますよね。というわけで、丸木文華さん。


兄弟 (アズ・ノベルズ)

表紙をみると加害者と被害者にしかみえませんがこの2人はちゃんと兄弟で後ろの人は人気芸能人です。なんかこんな紹介だとトンデモみたいですが、いやたしかにトンデモな部分もあるけど、安定の丸木節できっちりヤンヤンな愛憎劇が展開されるので、病み系好きな方に心からおすすめします。そしてぜひ興味を持たれた方は丸木さんシナリオ・イラストの名作ゲーム『コイビト遊戯』もプレイしてみてください。あなたの知ってる有名声優さんがあんなことやこんなことになっているはずです。くれぐれも部屋を明るくしてプレイしてくださいね。絶対に「コイビト遊戯 犬」「コイビト遊戯 ウサギ」「コイビト遊戯 ストロー」でググらないでくださいね。ひらりささんとの約束です。


PIL/SLASH3800 コイビト遊戯 完全限定生産復刻ドラマCD付き 


あ、さすがにもう少し幸せなエロがいいなという方は西野花さんおすすめです。3Pなのでそのへんはご注意を。


エンジェルヒート (小説版) (花丸文庫)

それにしてもこのページ数にこれでもかというくらい濡れ場を詰め込んでそれでもきちんと起承転結ついてくる作家さんは西野先生くらいではないだろうか……あ、セールじゃないけど『トレインビースト』『ソムサン』おすすめです。

そしてこのあたりで「いや、わたしはBLにエロとか求めてない、お仕事BL紹介しなさいよ」という声が聞こえてきた気がします。ご安心ください。ちゃんとセール対象にありましたよ、究極のお仕事BLが!


許可証をください ! (二見書房 シャレード文庫)

お仕事BLの金字塔、お仕事BLオブお仕事BLといえば、これ、「許可証をください!」シリーズですね。「愛と混乱のレストラン」シリーズといい、シャレードは仕事を書かせたら業界随一すぎる……。中小化学薬品製造業を舞台に品質証明部の受け(四大理系卒)と製造部の攻め(高専卒)が反発しあいながらも切磋琢磨するガテン系BL。なんとこの作品を読むと、あのいろんな商品に表記されているけどよくわからない「ISO」のことまでわかってしまうという大変お勉強になるBLです! 第二次産業おもしろいね!

あ、「もう少し花のある職業はないの?」という方は、セール対象ではないようですが、『ブロードキャストを突っ走れ!』をぜひ。新人アナ×先輩アナ。CDだと、杉田智和さん×遊佐浩二さんで、遊佐さんの京都弁を堪能できます!!!!!(イチオシ)


ブロードキャストを突っ走れ! (シャレード文庫)

さておすすめもいよいよ終盤です。ここらで「いやー私はBL読んでるときくらいは現実を忘れたいんだけど……」という声が聞こえてきたような? そんな方に断然すすめたいのは、っていうかもうセールじゃなくても買ってほしいのは、というより騙されたと思って1巻だけでも読んでみてほしいのは!


FLESH & BLOOD1【SS付き電子限定版】 (キャラ文庫)

そう、BL界における『王家の紋章』、つねに1巻読み切り作品の多いBL小説界隈において現在22巻まで刊行しさらに続刊中、しかもドラマCDも1巻につき1作出ているという超化け物のようなシリーズ『FLESH&BLOOD』。これもやっぱりだまされたと思って1巻だけでも読んでいただきたいものです。だって今なら386円。大航海時代のイングランドを生き抜く海賊達の男気にめろめろになることまちがいなしですよ。9巻までBLらしい展開もないですし、単純に歴史モノとしてあまりにも素晴らしすぎるので、ぜひ男性もお読みになってみてください。

……ふう。淡々と、とか言ってたくせして、ついついヒートアップしてしまいました。そして私も今回のセールで、今まで気になってたけど買ってなかったもの、紙で持ってるけど電子で気軽に読みたいものを買い込んでしまった……。もっと商業BL小説知りたい、商業BL小説読んでみたいという方はぜひ「学生時代に商業BLに百数十万円はつぎ込んだ腐女子がおすすめ作品を紹介するよ〜小説編〜」でもバカみたいにたくさん作品を挙げてあるので、ご覧になってみてください。ああ、一穂さんの新刊買いに行かなきゃ……。







いつもありがとうございます。より良い浪費に使います。