推しぬい顔刺繍・無料で刺繡データを作ってレンタルミシンで刺繍するレポ
動機
推しぬいというか、棉花娃娃風ぬいちゃんを作るにあたってのお顔刺繍について。
私は刺繡proを購入しましたがInk/Stitchで無料で刺繡データが作れるとのことでどんなものか作ってみました。
結論から申し上げますと、結構いい感じです。
ですが、何度かデータを作り試し縫いを重ねた結果ですので、一発目から完璧なものを作るのは難しいと思います。
よって失敗しにくいだろうと思われる作り方をここに書きますので、よかったら参考にしてみてください。
Ink/Stitchとは
Inkscape(無料のベクターデータが作成できるソフト、イラレみたいなことができるソフト)の、無料のアドオンです。
Draw Freely | Inkscape
Ink/Stitch - Ink/Stitch (inkstitch.org)
有料ソフトとInk/Stitchの違い
データとしては違いはないと思います。
便利機能がついているかどうか。作りやすいかどうかです。
有料ソフトですと最低10万くらいします。
中古だと7割くらいの値段で手に入るかも。
いろいろなデータを作りたいのであれば購入を検討しても良いと思います。
刺繍ミシン
個人が作ったオリジナルデータを刺繍できるミシンは現在最低で15万ほどします。
購入しなくともレンタルサービスがあるので購入するよりも安価で利用できます。
参考:
ミシンレンタル特集|ユザワヤ公式ネットショップ (yuzawaya.shop)
カラオケルームが「アトリエ」になる!ブラザーのミシンのレンタル始めました。 – カラオケ JOYSOUND直営店(ジョイサウンド) | ネット予約受付中!
世界のミシン ソーイングセンターjoy | 世界のミシン 販売 修理 レンタル 教室のお店です。 ミシンのこと、なんでもご相談ください。 (mishin-joy.co.jp)
使用するサービスや用意するもの
型紙
絃巴(いと)@Ito_0234様の型紙をお借りします。
ムチムチで本当にかわいいです。
パーツも少なく、用意しやすいです。
糸と布
布はクリスタルボアです。
糸は刺繡ミシン用の糸・刺繡ミシン用の下糸を用意します。
おすすめはbrotherのカントリーの糸です。
光沢の抑えられたマットな糸です。
刺繍糸って光沢があるものがスタンダードなのですが、私の好みだと断然カントリーがおすすめです。よってカントリー糸前提のお話になりますのでそこはご了承ください。
ちなみにカントリーは糸の色の種類が少なめですのでニュアンスを表現する際に好みの糸がなかったりしたときは染めるかカントリーをあきらめてください。カントリーと他のシリーズの糸を混ぜるのは正直浮きます。
使う色だけ購入し用意しておきます。
通販よりも手芸店で直接色味を確認し購入することをおすすめします。
一つ¥385です。
他、必須用意するもの
・水溶性刺繍用シート(貼らないタイプ)
これは刺繍が終わった後にちぎりますので洗ったりする必要はありません。
・接着芯
貼らずに刺繍しますのであとでいらないところを破り捨てます。
・糸切はさみ、布用はさみ
百均でもOK
・USB
刺繡データを入れます。
刺繡データは軽いので1GBもいらないですが、互換性のあるものを使わないと読み込めないです。
・PC
ミシンをレンタルしに行くならノートがおすすめです。
データの調整は必要だと思いますので。
ざっくり最低費用(1体分、単価ではない)
・布代 1000円くらい(30~40センチほど、グッズプロで購入)
【楽天市場】【入手困難】 クリスタルボア スキンパフ S-2050 製造番号7E5 手作り ぬいぐるみ生地 一般的なぬいぐるみ生地 ソフトボア生地:グッズプロ (rakuten.co.jp)
・糸代 2600円くらい(カントリー糸6色+下糸購入)
・水溶性下地シート 800円くらい(Amazonで購入)
https://amzn.asia/d/1rkzLDv
・刺繍ミシン用の接着芯 700円くらい
【楽天市場】ブラザーミシン 純正 刺繍用接着芯(L)刺しゅう用接着芯(L)【BM3】:ミシン一番 (rakuten.co.jp)
・刺繍ミシンレンタル代 最低1000円
※レンタルミシンを使用する際に下糸は準備してある場合もある。
※レンタルミシンの際に糸を購入ではなく使用した分だけ支払うのみでよい場合があるので(顔刺繍だけなら数百円ほどだと思います)糸代は最大値です。
ざっくり5000円~以上はかかる見込みです。
お顔だけなら糸の消費はほとんどないので数回しか縫わないなら99%あまります。
ちなみに顔刺繍が手縫いだと3000~4000円ほどだと思います。
ソフトとミシンを買うと15~20万はかかりますのでそう考えると格安ですね。桁が違うもんね。。。。
Ink/Stitchのデータ作成メイキング
デザインを用意
まずはデザインを用意します。
使う色も決めます。
今回はparieを使用する前提で進めます。
一番安価な刺繡ミシンです。
最大刺繍範囲は10cm×10cm。
棉花娃娃風ですと前髪の布をサテンでぬいつけたいところですが、今回は20センチのLサイズのぬいちゃんのお顔なのでギリギリ枠に収まりきらないため、前髪刺繍なしで、お顔パーツのみ作成します。
ここでポイントですが、
家庭用ミシンを使用する場合は、大きい範囲での刺繍のほうが仕上がりがきれいです。
小さいサイズを作りたいなら工業用ミシンを強くお勧めします。
そして縫い縮みを考慮し完成品のイメージより1~2ミリほど大きめにデータを作ります。
縫い方を決める
どこをサテンにするか、面ぬいにするか決めます。大事です。
ほぼサテンにすることにします。
目の輝き、瞳孔、目のベースの広い面のみ、たたみ縫いをすることにします。
Ink/Stitchでデータを作る
片目ずつ作業しあとはコピペ反転します。
とりあえずパスで輪郭をなぞっていきます。
これを刺繍データに変換していきます。
サーモン色のくちとふたえ線は線で描いているので簡単です。
これを選びます
するとこうなります!
簡単ですね。こんなかんじになれば大丈夫です。
次は眉毛を作ります。
これもサテンにします。
面の状態から作る場合は、サテンの向きを直線で指定します。
サテンの向きは同じ向きで指定します。
そしてまゆげのすべてを選び結合(C)をします。
ですがこのままではサテンになってくれないので端っこでパスを切断し上下で離れている状態にします。
パラメータで確認します。
サテンの表示になってたらOK。これで完了です。適用します。
次は重なっている部分を作っていきます。
1~2ミリほどほかのパーツに重なるように作ってください。
こんなかんじです。
白目もさきほどとおなじようにサテンの向きの線を指定し結合していきます。
そんなかんじでこんなかんじになりました。
ためしにシミュレーションします。
悪くなさそうです。
左右反転させて縫い順を整えてpes形式で保存します。
ちなみにパス名とファイル名を半角英数字にしないとうまくパリエで読み込めません。。。まじで注意
試しに刺繍プロで開いてみましたが問題はなさそうです。
ちなみにパラメータは初期のままなにもいじっていません。
縫います
とりあえずできたので試し縫いをします。
いきなり本番用の布でやらないほうがいいです。
私はやりましたが。
接着芯、布、刺繡シートの順に重ねてたるまないようにはめこみます。
この写真のは刺繡シートがしわになっててあんまりよくないです。すみません・・・
接着芯は貼らなくていいです。
布目の方向間違っても刺繍のデータの向きを変えればOKです。
USBからデータを選んでこの画面まできたら刺繍が始められます。
所要時間は15分と書いてありますが糸変えたり切ったりで30分くらいはかかります。
縫い終わったらシートや接着芯をビリビリと破いて取り外します。。
完成品
一部サテンが細すぎたみたいですが、問題なく縫えました。
縫い縮みも想定より激しかったので重なりをもう少し増やしたほうがいいですね。
パラメータで調整できるかもしれないので試してみてね
糸はちゃんと切ってね
総評
結構いい。
細かったり細かかったりするときれいにならないのはパリエの限界だと思います。上位機種のソレイユやイノヴィスなら細かいサテンもうまくいくかもしれません。パリエならあんまり細かい模様はお勧めできない。
インクスケッチは優秀だけど刺繡プロに比べたらめちゃくちゃめんどくさかった。でも無料でここまでできるのはすごい。
おわりです
参考になれば