のらの猫ちゃんがちょこんとおすわり
ある日のこと。
わざわざ自転車に大好きなぬいぐるみも乗せてとっても遠いお山に遊びに行った。
目的があった。遠いお山を行った先にこの辺では珍しいきれいな小川があるというのでその小川に出会ってみたいという好奇心だった。
とっても遠いお山に着く頃、休憩がてら小さな公園に腰を下ろしてお水を飲んだ。すると後ろから「にゃー」。
にゃーというが近づかず距離をとっている。しばらくじっくりこちらをみながらにゃーといい、目と鼻の先にちょこんとお座り。
なにか欲しがる様子はなく、ただ そこにいる。
慣れないことだったのでほんの少しだけパンをちぎって置いてみる。できることはそれくらい。
お腹が空いていたのか、食べてくれた。
あまりやると世間的に良くないので これでごめんねとおもい腰を上げた。猫ちゃんはまた少し離れたところからこちらを見ていたのが気になったが。
その日は結局、小さな小川に行く目的は何処えやら、暑さゆえにおうちに帰った。その後も猫ちゃんのことが気になっていた。
数ヶ月後もう一度猫ちゃんに会えないかと思って出掛けてあの公園で探した。いなかった。やっぱいるわけないよなと思って帰ろうとしたとき 猫ちゃんは「にゃー」と近づいてきた。
いつものように少し遠目の距離感で。嬉しかった。用意してきたミルクを入れたら飲んでくれた。会えたことに感謝して帰った。
動物に詳しい友人にこの話をしたところ 猫はあまり記憶力があるわけではないにも関わらず、数ヶ月後たった一回会っただけなのに再会できたのはちゃんと覚えていたから。と。
生後1年もたたない野良猫で危険も天敵も多いからこそ あの時の出会いが安らぎだったかもしれないと。
ありがとう。あの時の猫ちゃん
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