無人島からの手紙

ぼくはいま 無人島に住んでいる
摩天楼の中の 小さな島
コロナの焼け跡の島
日々日常 人の姿は見えるし
会話もするが それは幻。
 遊泳禁止の渚を歩けば
 そんな私に 手紙が届く
 巡り巡って 封筒は 相当古びているが
 封を開ければ まっさらな便箋に
 息遣いが伝わる
僕は今 無人島に住んでいる
時は まっすぐ流れない
波のように寄せては返す
 夕陽を見送ったら
 庵に帰り
 私も手紙を書いて 海に流そう

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