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リベンジ消費が日本のデフレを終焉させる?

緊急事態宣言が明け人の動きが大幅に増加

昨日、約半年間続いた緊急事態宣言と、まん延防止等重点措置が全面解除されました。
新規陽性者の人数が抑えられていることやワクチン接種が進んだこと、そして何より今回の宣言期間が長かったこともあり、今回の解除後の人の動きはこれまでにないほど活発です。

飲食店から酒卸やビール会社への注文も膨らんでいる。酒類販売のカクヤス(東京・北)では緊急事態宣言中と比べて注文が1.5~2倍(出荷金額ベース)多い。ビール大手ではアサヒビールが主力の「スーパードライ」の樽(たる)商品の生産を4倍に拡大する。サッポロビールも10月の業務用の生産を9月に比べて3倍、11月は4倍に増やす。(日本経済新聞)

特にこれまで我慢していた感が強い飲食関連や観光関連の動きが活発です。

緊急事態宣言で予約数増加


今後サービス業の供給体制がひっ迫する

今後は緊急事態宣言を発令してもお酒の提供を続ける方針であるなど、ワクチン接種の進んだこともあり今回の宣言の解除はこれまでと違う段階に入った雰囲気があります。
そのため、結構多くの人がこれまで抑制していた行動を再開し、本格的にリベンジ消費が拡大します。

その際に起きると予想されるのがサービス業の供給体制がひっ迫することです。コロナが拡大してから飲食店や宿泊施設など多くの企業で従業員を減らしています。一部の大企業は他社への出向などで凌いでいたため呼び戻すことができますが、長引くコロナ禍のなかでコロナ前と同じように雇用を継続できている会社は多くありません。コロナ禍における業界の将来性を考えて自ら離職した人も少なくありません。そのため飲食店や宿泊施設では急速に人手不足感が高まっています。

ワタミは宣言期間中に休業していた約450店の約2割にあたる約100店が1日も休業を続けた。アルバイトに休業補償を払っていたが安定して働けるコンビニなどへ流れてしまい、アルバイト総数が約4割減った。(日本経済新聞)

その中でリベンジ消費が拡大し需要が高まると供給側が追い付かなくなることが予想されます。


日本はリベンジ消費をきっかけにインフレになるか?

需給のバランスが崩れると何が起きるのか?それは価格変動です。今回は買う側の需要が供給を上回るために価格が上昇します。
実際ワクチン接種が先行し、行動制限が緩和されたアメリカではハワイやフロリダ、デンバーのような観光地に人が押し寄せ、レンタカーの価格が一時通常の2~3倍まで跳ね上がりました。
アメリカほどではないにしろワクチン接種が進んでいるユーロ圏でも同じようなことが起きています。
これから日本でもアメリカやユーロ圏で起きたことが数ヶ月遅れでスタートすると考えていいでしょう。

実際の日本、アメリカ、ユーロ圏のインフレ率(前年同月比)を見てみます。

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全世界で見るとエネルギー価格が上昇しており、日本もその影響で若干上昇トレンドではありますが、それでも前年同月比0%と物価は上がっていません。一方でアメリカやユーロ圏は大幅にインフレ率が上昇しています。
2020年8月と2021年8月を比較すると日本:+0.4ポイント、アメリカ+4.0ポイント、ユーロ圏+3.2ポイントとなっています。

今後このペースで感染拡大が落ち着けばGotoキャンペーンも復活すると思います。また半導体不足も加わり、サービス業に限らず需給が供給を上回る状況が続くと考えられます。
日本でも今回のリベンジ消費をきっかけに長らく続いていたデフレトレンドが終わり、インフレトレンドにシフトする可能性があるのではないでしょうか。

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